安保法案を廃案へ 野党結集に努力 維新・松野代表と3点確認(夕刊フジコラム「ズバリ直球」15年9月3日)
国会周辺に8月30日、安全保障関連法案に反対する、約12万人(主催者発表)もの人々が集まった。警察では、約3万3000人とみているようだが、集会参加者は霞が関の官庁街から、日比谷公園まで達していた。混雑で、地下鉄の駅から地上に出られない人たちも多くいた。ごく一部を切り取った数字ではないか。
私も、他の野党3党首とともに参加したが、国会正面の道路を人々が埋め尽くすといった景色は初めて見た。学生や子供連れの女性など、普通の人々が現状に危機感を持って集まっていた。特段の混乱もなく、関係者の努力をたたえたい。
マイクを握り、「憲法違反の法案を通すわけにはいかない。今日からの3週間は1日1日が大事だ。力を貸してください。一緒に安保法案を廃案にしましょう」と私も訴えた。参加者の真剣な表情を見て、改めて「(廃案に向けて)頑張らねばならない」と思った。
安倍晋三首相は当日、官邸・公邸にはいなかったようだ。だが、新聞やテレビの報道などで、国会周辺を含め全国で数多くの人々が集まり、各地で反対集会が開かれたことは知っているはずだ。一国のリーダーとして、ぜひ、国民の声に耳を傾けてほしい。
さて、翌31日午後、私は国会内で、維新の党の松野頼久代表と党首会談を行った。ここで、以下の3点を確認した。
第1は、安保法制が重要な局面に来ているので、両党がしっかり協力して対応していく。第2は、そのためにも今週後半、両党が他の野党に対して党首会談を呼びかける。なるべく多くの野党が一致して対応することが重要といえる。第3は、自民党に対抗するため、野党勢力の結集に向けて両党が協力していく。具体的には国会終了後、各種選挙や政策について、緊密に協議する枠組みをつくる-というものだ。
維新内には、いろいろと混乱もあるようだが、いまは非自民勢力が結集することが大切で、その正念場を迎えているのは間違いない。
党首会談後、記者からは「民主党と維新は合併するのか」「統一会派をつくるのか」といった直接的な質問を受けた。
私は「今、そういうことを考えているわけではない」「野党勢力の結集に向けて両党が協力していくということ」などと答えた。
重要なのは、理念や政策が一致することだ。信頼関係も不可欠といえる。決して慌てるつもりはないが、来年の参院選を控え、今後、野党勢力の結集に向けて、さまざまな努力を重ねていきたい。 (民主党代表)