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2015.10.22|記者会見

岡田克也代表定例記者会見(10月22日)⇒https://www.youtube.com/watch?v=ulzbBd3C39E

岡田克也代表記者会見
2015年10月22日(木)14時00分~14時33分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。


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■冒頭発言
○臨時国会召集要求書を衆参に提出
○新安保法制をめぐる今後の対応について
■質疑
○臨時国会召集に後ろ向きな政府・与党の姿勢について
○新安保法制をめぐる今後の対応について
○野党協力について
○次期参議院選挙の候補者擁立について
○持続可能な農業の構築について
○特例公債の発行について
○政府による携帯電話料金値下げ要請について
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■冒頭発言

○臨時国会召集要求書を衆参に提出

【代表】
 昨日、臨時国会の召集を要求いたしました。
 政府・与党のほうからはあまりいい話は聞こえてまいりません。ただ、
これは期日の指定はないとはいえ、憲法53条に基づくものであり、これ
を無視するということは憲法違反であることは誰が考えても明らかだ。
 もし、このまま通常国会まで何もないということになると、2ヵ月以上の
期間があるわけで、政府自らが堂々と憲法に違反するということになる、
そう言わざるを得ません。しっかりと憲法に基づいて召集要求に応える
責任が政府・与党にはある、ということははっきり申し上げておきたい。

○新安保法制をめぐる今後の対応について

【代表】
 それからもう1点。安全保障法制案について、今日の読売新聞などを
見ますと、私自身の意見が変わっているような見出しもついておりますが、
もちろん、読売新聞自身も引用したように、1ヵ月前と現在で私の発言は
全く同じです。少なくとも違憲の部分については、白紙に戻すということで
す。
 それ以上の部分も含めて白紙に戻すかどうかというのは、これはさまざ
まな戦術論・戦略論もあります。他党との関係もあります。そういうことは
しっかり党の中で議論していけばいいということであって、極めて明確だと
申し上げておきます。

■質疑

○臨時国会召集に後ろ向きな政府・与党の姿勢について

【テレビ朝日・河村記者】
 臨時国会を政府・与党が開かなかった場合は憲法違反だという見解だ
ったが、自民党の憲法草案の53条に「要求があった日から二十日以内
に臨時国会が召集されなければならない」と、自ら書いている。それにつ
いて代表のご見解を伺いたい。

【代表】
 基本的に、そういう記述をしたほうがいいということは事実です。それを
20日と自民党は書かれているわけで、約束どおり、自らが主張されてい
るとおり、20日以内に召集していただく。当然のことだと思います。今の
憲法でそういう記述が書いていないことをもって通常国会まで開かなくて
いいという解釈には、誰が考えてもなりません。そこはまさしく憲法違反で
あるということははっきりと申し上げておきます。

【NHK・花岡記者】
 2点伺いたい。まず1点目は、与党は、野党の求めている閉会中審査
には応じる、ただし臨時国会は開かないという姿勢だが、閉会中審査だ
けでは不十分であるかということと、もう一つは、もし臨時国会が開かれ
なければ10年ぶりということだが、その時は特別国会があったと思うが、
開かれない理由について、代表はどうご覧になっているか。

【代表】
 臨時国会、過去に野党が求めたにもかかわらず開かれなかった時は、
臨時国会という形ではなくても特別国会という形で開いたのではないでし
ょうか。ですから通常国会まで開かないというのは、私は今までにないこ
とではないかとも思っている。少なくとも憲法の文言に反していることは明
らかということです。

【NHK・花岡記者】
 閉会中審査だけで十分かについては。

【代表】
 閉会中審査は即座に開いてもらう必要があります。特にTPPも含めて
しっかりと議論する必要がありますが、我々が聞きたいのは、例えば各
大臣の所信の表明などもしっかりと臨時国会で聞く必要があると思いま
す。総理にもさまざま聞かなければならないこともあります。ですから閉
会中審査という形では不十分だし、憲法の規定は、閉会中審査でいいと
いうことはどこにも書いていないわけです。求められたら開くと書いてあ
るわけです。

【日本経済新聞・甲原記者】
 政府・与党は通常国会の開会を1月の前半、通常より早い時期から始
めると説明しているようだ。年内に国会を開かなければいけない最大の
理由というのは、代表はどのようにお考えか。

【代表】
 最大の理由は、各政党が一定の要件のもとで求めた時は、“開かなけ
ればならない”と。開くのが当然なのです。それに理由は要らないと思い
ます。
 それから1月、通常国会を早く開くからいいじゃないかという与党の説
明を、まさか皆さん鵜呑みにしておられるわけではないと思います。補正
をやるから早く開こうという議論をしているのであって、我々の求めている、
例えばTPPの説明をきちんとするとか、あるいは大臣の所信を述べるとか、
そういうことではない。全く理由になっていないということは皆さんも十分お
わかりになっていると思います。

【日本テレビ・川上記者】
 政府は通常国会を90日以上延長して、したい時だけ延長して、今、閣
僚等々のスキャンダルの報道も出ている中で、やりたくない時はやらない、
という見方もできると思うが、そのことについてどうお考えか。

【代表】
 それが憲法に反すると言っている。一定の要件を満たして国会議員が
求めた時には、それは“開かなければならない”というのが憲法の規定で
す。開きたい時だけ開き、開きたくない時は開かない、逃げるということが
憲法に反していると申し上げている。

【日本経済新聞・甲原記者】
 憲法の規定について、期限がないので実際のところ強制力がない、そう
いう論点もあるとも思うが、53条について期限を設けるという憲法改正の
必要性はあるとお考えか。

【代表】
 それは一足飛びに飛んだ話で、今、我々が問題にしているのは、「期限
が書いていないから開かなくていい」ということは全く成り立たないと申し上
げている。それならば憲法53条の意味がない。今までだって基本的には、
それが臨時国会であったかどうかは別にして、開いてきたと私は理解して
います。通常国会まで開かないというのは、それは“開かなかった”という
ことで、もし通常国会でもいいということになれば53条は要らないわけです。

○新安保法制をめぐる今後の対応について

【北海道新聞・花城記者】
 冒頭の発言の中で、いわゆる安保の廃止法に関して、党内議論の進捗
状況というか、国民の期待が高まる中で、いつまでに党内の議論を集約
すべきだとお考えか。

【代表】
 党内の議論はこれからです。いつまでに、それは通常国会のしかるべき
時期でしょう。

【朝日新聞・村松松者】
 安保法廃止法案について、野党で一致点を見出す時に最低限一致させ
る部分、例えば集団的自衛権の行使を可能にした存立危機事態法、これ
は最低限廃止させたいとか、そういうお考えがあるのかという部分と、もう
1点は、衆参で自民党が多数を占める中で、この法案を提出する狙い、そ
してタイミング、参院選の争点化という観点から代表のご見解を伺いたい。

【代表】
 まず、「存立危機事態法」という法律はあるのですか。今の自衛隊法の中
に、そういう「存立危機事態」に対する定義が書かれている、そこの部分を
白紙化するということは最低限必要だと申し上げている。法律があって、そ
れを全部廃止するとかそういう話ではありません。改正を前国会で議論し
た時は束ねられていましたが、今やそれぞれの法律の改正という形で、も
ちろん新法もありますが、おさまっているので、その中の憲法違反の部分
を白紙にしていくと、こういう話です。
 ただ、他の政党の中にはもう少し幅広く白紙化したほうがいいという意見
もあるかもしれませんので、なるべく各党が揃ったほうがいいので、しっか
り協議していきましょうということです。

【朝日新聞・村松記者】
 安保法廃止法案について確認だが、提出のタイミングは通常国会で、参
院選をにらんで、国会論戦を通じて参院選の争点化にしていきたいという
考えがあるのかどうか伺いたい。

【代表】
 争点化というか、憲法違反のものをそのまま放置したら、国会としての責
任を果たしたことになりませんので、それはしっかりと法案も提出して議論
していくことになると思います。臨時国会が開かれれば、そこでという議論も
あるかもしれません。そこは臨機応変に考えていきたいと思います。

○野党協力について

【共同通信・関記者】
 岡田代表は昨日、京都市内で野党連携に関して、第1党と第2党がしっか
りタッグを組むことが重要だと述べた。一方で維新の党の中間派議員4人が
本日、離党会見を予定するなど、野党第2党内部での混乱も表面化している。
こうした状況について、参院選に向け野党連携が必要になってくる局面かと
思うが、そういったことに関する影響について代表の考えを伺いたい。

【代表】
 野党の中が混乱するというのは決して望ましいことではない。ただ、これは
維新の党の中での話ですので、他党の代表である私が具体的にコメントする
話ではないと思います。早く混乱が収まることを期待しています。

【朝日新聞・村松記者】
 昨日京都で、参院選の1人区の野党間の競合を避けるという文脈で、共産
党との「選挙協力」という言葉を使って話をされていた。一般的に選挙協力と
いうと政策の一定程度の合意が前提になるかと思うが、共産党とのそういっ
た政策の合意が必要と考えるかどうか。また、共産党が提唱している国民連
合政府の考え方について改めて伺いたい。

【代表】
 国民連合政府を共産党は前提にしておられますので、1人区の問題につい
て、向こうが一定の条件を課している時に、その条件がない前提で物を言う
のはいかがかと思います。

【日本経済新聞・甲原記者】
 共産党は昨日、徳島・高知の選挙区などの1人区で新人候補者を擁立する
など、1人区で着々と候補者を入れてきている印象だが、それは今後の選挙
協力を見据えた上での障害になったりはしないか。

【代表】
 そもそも前提が満たされていないのでコメントするつもりはないのですが、
既に擁立した候補者も必要があればおろすと共産党は明言されています
ので、それができる党でもあると思いますので、今おっしゃったようなことに
拘泥するつもりはありません。そもそも、話がそこまで行っていない。つまり
前提を課されているわけで、我々はその前提は受け入れがたいということを
申し上げている。その先の話についていいとか、悪いとか、けしからんとか、
そういうことを言う立場にはありません。

【フリーランス・横田記者】
 参院選の候補者擁立の際に、共産党が言っている国民連合政府の一環
というか関連で、野党で相談して候補者を決める可能性は十分あると考え
てよろしいか。

【代表】
 いや、国民連合政府という考え方を我々は受け入れたわけではありませ
んので、仮定の質問にはお答えできない。
 今、国民連合政府という考え方を受け入れた、それに賛同する党というの
は、私はあまり思い浮かばない。

【フリーランス・横田記者】
 国民連合政府に賛同できない、ハードルが高い理由として、政権をともに
するといろいろな問題があると指摘されたが、志位委員長は閣外協力でも
いいと。民主党政権が誕生した時は共産党が全選挙区には候補者を立て
ないで、自民党政権打倒にある意味で共闘したのだと思うが、あれに手が
生えた程度の選挙協力をまずするということも、国民連合政府構想の第一
歩ではないかと思うが、そういう形での選挙協力はあり得ないのか。

【代表】
 いろいろ想像で仮定を置いて「こうではないか」という、そういうご質問に
はお答えできません。閣外協力という話は確かに私も聞いていますが、具
体的にどういうことなのか、はっきりしません。閣外だと、国民連合政府を
ともに作るということにならないのではないかと思うのですが。そういったこ
とも含めて、よくわからないところもあります。そういうところは、お互いに
話し合っていきたいとは思いますが、この場で仮定を置いて「こういう場合
はどうだ」「ああいう場合はどうだ」という質問にはお答えできません。

【フリーランス・横田記者】
 この前の日曜日にSELADsの街宣が渋谷であり、民主党からも小川敏
夫参議院議員と福山哲郎参議院議員が参加して野党共闘の重要性を訴
えたりした。それを受けて岡田代表として野党共闘のあり方とか進め方に
思いなどがあったらぜひお聞きしたい。

【代表】
 もちろん国会の中での共闘は、特にこの安全保障法制に関わる部分は
非常に重要だと思っています。ですから、なるべく共同歩調がとれるような
法案というものをまとめていく必要があると考えている。党の中だけの論理
で決めるということでは必ずしもないと思います。
 選挙については、先ほど申し上げたように、共通の理念・政策を持てるの
であれば、共に政権を目指すということはいいのですが、基本的な政策が
違うということを横に置いて一つの政府を作るということは、国民に対して
も非常に失礼だと私は思います。一旦政権を担えば、任期4年間しっかり
とまっとうしたいと考えますので、いろいろな問題が起きた時に対応できな
い弱い政府であっではならないと思います。
 私の考えはずっと一貫していますので、もう何回聞かれても同じ答えしか
ありません。

○次期参議院選挙の候補者擁立について

【NHK・花岡記者】
 代表は以前、年内に一定のめどをつけたいというようなお話をされてい
たが、維新のこういった状況などがあり、「年内に一定のめど」というのは
若干後ろにずれるイメージなのか、それとも年内にある程度の数を揃える
従来の方針に変わりはないのか。

【代表】
 大前提は、しっかり勝てる可能性のある候補者です。ですから、誰でもい
いから立てるというような考え方は持っておりません。そして、そういった候
補者を年内に、ある程度、基本的にはめどをつるという考え方は全く変わ
っておりません。

【フリーランス・宮崎記者】
 参議院選挙まで9ヵ月だが、なかなか候補者が見つからないという話を
各県連レベルで聞く。それは、来年の参院選は民主党の現職が1人区で
結構多いが、そういったところで自民の新人もなかなか見つからない状況
だそうで、例えば県会議員を新人として自民党が公認しているケースはほ
とんどない。今年の統一地方選もそうだったが現職が非常に強い選挙だっ
た。新人がなかなか立候補しづらい供託金の問題、あるいは参議院選挙
に惜敗したら次の衆議院選挙に出るというパターンは民主党でも自民党で
もあまりなくなってきており、なかなか候補者が見つからない。こういったこ
とに関して何か制度的な問題点があるとお考えになることはあるか。

【代表】
 候補者が見つからないとは思っていません。擁立に向かってのそれぞれ
いろいろな段階がありますが、作業が滞っているとか、そういうふうには全
く思っていません。

○持続可能な農業の構築について

【フリーランス・宮崎記者】
 TPPと国内農業保護に関して伺いたい。TPPに関してはJA会長なども含
めて、暫定的な措置ではなく、恒久的な国内農業保護が必要であるという
認識が多く示されている。(民主党は)農業者戸別所得補償制度を打ち出し
てきたが、TPPで言うと牛肉・豚肉・砂糖などは農業者戸別所得補償のもと
もとの対象には入っていないが、そういった生産価格の計算がしづらい分野
にも所得補償の品目を増やしていく政策を今後打ち出していく可能性はある
か。

【代表】
 たぶんNHKの「日曜討論」の話かと思いますが、全中の会長、恒久的な
「保護」という言い方はしておられなかったのではないかと思います。必ずし
も保護の議論をしているのではなくて、持続可能な農業をどうやって作って
いくかということであって、それイコール保護では必ずしもないと私は思いま
す。一時的なバラマキ的なことでお茶を濁すというやり方ではなくて、関税が
大幅に下がったりした中で、それでもやっていけるための、恒久的な措置が
必要であると、そういう趣旨で奥野さんは言われたと思いますし、私も基本
的な考え方はそこは同じであります。
 米については、戸別所得補償を我々は提案いたしました。基本的には我
々の考えていたのは欧州における直接支払い制度、そこにヒントを得てあ
あいった制度を提案したわけですが、残念ながら理由もなくやめることが既
に決定しております。
 他の、例えば牛肉や豚肉などについて、どういう恒久的な制度を考えるの
かというのは、これは政府がまずどういうお考えなのかお示しをされるのが
先ではないかと思います。それが不十分だということであれば、我々の考え
方をきちんと示していく必要がある。まだ何も示されていないということが非
常に問題だと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 農業土木予算に関して伺いたい。森山新農水大臣は、農業土木予算を
少なくとも麻生内閣当時くらいまで復活させたいと就任記者会見で明言して
いる。これに関する業界団体は、自民党の有力議員である二階さんが会長
でもある。この農業土木の予算の復活というか、増額していくという考え方に
ついてはいかがお考えか。

【代表】
 必要な農業土木もありますので、それが悪だとか全く必要ないと言うつもり
はないのですが、我々は財政の再建ということも視野に置いて、限られた財
源をどう農業に使っていくかということを考えた時に、農業土木の予算を大
きく削って、たぶん半分くらいになったと思いますが、そしてそれを先ほどの
戸別所得補償に充てるという決断をした。限られた予算の中でどう優先順位
をつけていくかということになれば、やはり持続可能な農業をどう作っていくか
というところが優先されるべきと考えています。

【読売新聞・中田記者】
 TPPの大筋合意を受けて、政府は農業活性化策を柱とした補正予算を編
成する方針だが、ともすればバラマキにもつながりかねない懸念も指摘され
ている。政府の方針についてどのように受け止めているか。

【代表】
 これは中身を具体的に見てみないと、現時点ではコメントできません。過去
の失敗ということもあります。バラマキを繰り返す、そういう愚を繰り返すのか、
それとも奥野さんもおっしゃっている、我々も主張している、持続可能な仕組
みを作ることに重点を置くのか。そこは政府の考え方もはっきりしませんので、
現時点ではコメントしにくいところだと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 補正とTPPの審議に関して大枠を伺いたいが、1月冒頭にも提出で補正編
成の総理の指示があるのではないか、農業と「1億総活躍社会」に関する包
括なパッケージから補正が編成されるのではないかと言われている。この場
合はTPPの条約の審議入りよりも先に補正が審議されることになるかと思う。
TPPより先に補正が出てきた場合、審議に応じていいというか、どういった形
で政府は編成すべきとお考えか。

【代表】
 現時点で、まだTPPの全容もようやく説明されつつあるという状況なので、
そこまで先取りしたコメントは非常にしにくいと思います。
 ただ、何度も繰り返しますが、恒久的な、持続可能性のある農業を作るた
めの仕組みということになると、それは一時的な補正ではないのではないか、
そういう素朴な思いは持っております。本予算できちっと対応する話ではない
かと思います。

○特例公債の発行について

【フリーランス・宮崎記者】
 来年4月1日以降は、再び特例公債法が必要になる。政府部内では、前回
の苦い経験もあり臨時国会があれば出してしまいたいという意向もあったや
に聞く。また、(時限)1年だけではなく、3年、あるいは5年間ということになる
と、2020年の東京オリンピック及びプライマリーバランスの目標年になる。政
府部内の検討の段階だが、特例公債法に関して、3年前に与党として逆にや
られた立場だが、例えばそういった吊るす戦術をお考えになっているかどうか
伺いたい。

【代表】
 まだ法案が具体的に出てきてもいない時に、その賛否を言うということは私
は避けたいと思います。
 我々が政権与党時代に、非常にひどい扱いを受けました。とにかく、あの震
災の中で特例公債を発行できないということが起きて、何とか発行させてもら
いたい、「それならば総理、辞めろ」と、こういう話でした。野田政権の時は、
11月まで特例公債が発行できない状況が起こりました。そういうことは、やは
り今の憲法の立て方から見ても、予算については衆議院に優越が認められて
おりますので、事実上その予算の実施ができないような特例公債法(一般法
案として衆参で成立させなければならない)は、私は憲法の趣旨から見てもお
かしいのではないかということを申し上げてきた。
 基本的にはそう考えていますが、ただ、安倍政権を見ていますと、あまりにも
財政の規律というものに対して無頓着。経済成長なくんば財政再建なしだと。
そういう態度を見ておりますと、はたしてそこまで自由度を与えていいのかと、
そういう気にもなります。だからこれはしっかりした議論がこれから必要だ。
 やはりきちんと特例公債の額を減らしていく、2020年プライマリーバランス
を黒字化するということが明確に約束された上で、特例公債法の議論はある
のだと思います。

○政府による携帯電話料金値下げ要請について

【フリーランス・横田記者】
 安倍政権は、大手3社横並びだ、高過ぎる、けしからんということで有識者
会議を設けたが、シンクタンクみたいなことをやっている元官僚に聞くと、自由
競争社会なので、そんな共産主義国家みたいに政府が介入してとやかく言う
問題ではないと。政府がやるとしたら、そのルール作りを変えるべきだと。もっ
と値下げに誘導できるような法律を作って変えるべきだと主張している。民主
党は電波オークションをするべきだということを以前おっしゃっていたが、安倍
政権に対抗して、それをもう一回提出するとか、そういうお考えはないか。

【代表】
 電波オークションの話と、それから今回の携帯料金が高いので政府が「引き
下げろ」と言う話は、次元の違う話ですので、これを同列で論じるのはいかが
かと思います。
 政府が、携帯料金もっと安くならないのかと言うのは、一つの国民に対する
ポピュリズムというか、ポーズのようなものだと思います。必要があれば、それ
ができるようなきちんとした仕組みを作るのが本来ではないかと思います。




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