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2016.03.03|記者会見

岡田克也代表定例記者会見⇒https://www.youtube.com/watch?v=5QbCK3M5-FM

岡田克也代表記者会見
2016年3月3日(木)16時03分~16時26分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。

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■冒頭発言
○参議院予算委員会審議・憲法改正をめぐる安倍総理の答弁姿勢について
○北朝鮮に対する国連安保理の新たな制裁決議採択について
■質疑
○憲法改正をめぐる議論・安倍総理の答弁姿勢について
○社会保障と税の一体改革について
○参議院選挙・野党5党連携協議について
○「手話言語法」制定を求める動きについて
○新党協議会での議論について
○東日本大震災・被災地訪問について
○「民主くん」の去就について
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■冒頭発言

○参議院予算委員会審議・憲法改正をめぐる安倍総理の答弁姿勢について

【代表】
 私からは冒頭2点。
 一つは、参議院での予算の審議が始まりました。わが党の蓮舫議員、
小川敏夫議員、大塚耕平議員と、非常にいい点を突いて議論しておられ
ると思います。
 一連の議論の中で私が最も気になったのは、憲法改正についての総理
の発言であります。「在任中に成し遂げたい」ということですが、しかし中身
はあまりお話しにならないと。つまり何をどう変えるのかという発信がなされ
ていない。具体的に自民党憲法改正草案について質問すると、「いや、こ
れはそういう場ではない。憲法調査会でよく議論してもらいたい」と答弁さ
れる。
 総理には答弁を拒否する権利はない。そして自分の都合のいいところだ
け、衆議院の予算委員会でも、例えば稲田さんの(憲法)9条2項に対する
やりとりなど、都合のいい時は突っ込んでお話しになるが、野党が質問す
ると「ここはそういう場ではない」と答弁を拒否する。
 こういうことでは話にならない。やはり参議院選挙までに何をどう変えた
いのかということを、日本国総理大臣としてしっかりとまず国民に説明する
責任がある。白紙委任して、「いやいや、参議院選挙の前に『在任中に憲
法改正する』と言ったのだから」というようなことになってはならないと思っ
ております。

○北朝鮮に対する国連安保理の新たな制裁決議採択について

【代表】
 いま一つは、北朝鮮の制裁決議。非常に中身のあるものが決まったこと
は評価したいと思います。今回、中国も一定の危機感を持って、この議論
に参加したことも評価できると思います。
 あとは実効性がどこまで確保できるか。先般、安保理に提出された北朝
鮮制裁委員会専門家パネルの年次報告書でも、日本製の民間用レーダ
ーアンテナが北朝鮮艦船に搭載されているという指摘もあり、これは日本
政府も含めて今回の決定を実効性あるようにしっかりと対応していただく
必要がある。そのことを望みたい。

■質疑

○憲法改正をめぐる議論・安倍総理の答弁姿勢について

【フリーランス・宮崎記者】
 総理は「この場は総理大臣として出席しているのであって、自民党総裁と
して出席しているのではない」といったことで、憲法改正草案に関する答弁
を拒否する姿勢が目立つ。また、衆議院の段階では政治改革・選挙制度
改革に関しても同様に「自民党総裁としての答弁はしない」ということだっ
た。民主党では野田佳彦前総理は「3党合意を守れ」と国会で言ったわけ
だが、この総理の姿勢についてはどう思われるか。

【代表】
 総理・総裁の意見が全て一致する必要は必ずしもないと私は思う。自民
党としてはこうだけれども、総理大臣というのは自民党総裁という立場だ
けではない、少し丁寧に説明されればいいのだろうと思う。ただ、安倍総
理は、総理と総裁を使い分けて説明することを逃げ口上に使っている。
都合のいい時は踏み込んで総裁として答弁をしているというのは使い分
けであって、それは許されないと思います。

【テレビ朝日・河村記者】
 さきの安保法制の時には、憲法を改正せずに解釈改憲という形で集団
的自衛権を一部認める形。その後に、こういうふうに総理が憲法改正を
言ってくる、その総理の姿勢について岡田代表はどう思われるか。

【代表】
 総理は、私の昨年秋の質問に対しても「自民党憲法改正草案の『自衛
権』というのは国連憲章に言う『集団的自衛権』だ」ということを答弁され
ていまして、新しいことを言われたわけではないのですね。さすがに今の
憲法上、限定的にしか認められない、しかし本当は全面的に認めたい、
だから憲法改正、ということだと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 岡田さんはこれまで、安倍さんの憲法観は相入れない、だから話し合
いはしないという話をしていたが、今日(冒頭で)あえて「白紙委任はだ
めだ」とおっしゃった。今言われている大災害時の衆参(議員)の任期延
長とか解散しないとか、そういう問題について、「お試し」という人もいるが、
ちゃんと示してくれば議論の俎上には載るということでいいのかどうか。
白紙委任でなければ、議論には乗るんだということでいいか。

【代表】
 非常に危険なことだということは申し上げているわけです、安倍総理
の憲法観。したがって、うかうかと議論に乗るのは慎重でなければいけ
ないということは申し上げているのですが、同時に、具体的におっしゃる
のであれば、それは受けて立つということも申し上げている。

【日本経済新聞・宮坂記者】
 今日、自民の稲田さんが記者会見で、財政規律条項を入れるべきだ
という個人的な考えを示したが、この財政規律条項を入れるべきかどう
かという点について、代表はどのようにお考えか。

【代表】
 いろいろバラバラ出てきても、どういう趣旨で言っておられるのかわか
らない。稲田さんは予算委員会では9条2項を取り上げられたが、これ
とは随分違う話ですから、きちんと党として、あるいは総理として、ここを
こういう理由でやりたいということをおっしゃらないと、議論がかみ合って
こないということだと思います。
 それから9条2項、稲田さんの質問に対して、総理は随分丁寧にお答
えになった。基本的には自民党改正草案に言及しないとしながら丁寧
にご説明になったが、9条2項を、改正草案では「自衛権」というものを
認めている。だから単に今の9条2項を変えるだけではなくて、そこには
自衛権を限定なく認める、その中には集団的自衛権というものがその
まま入ってくるというようなことも当然ある。
 ですから、あまり向こうの話だけでうっかり対応していると、いろいろ
なものがその中に含まれているということは注意しなければいけない。

○社会保障と税の一体改革について

【日本経済新聞・宮坂記者】
 参院予算委員会での今日の総理の答弁で、消費増税の家計への影
響について「確かに予想以上に落ち込んだのは事実だ」「予想以上に
その落ち込みが長引いているのも事実だ」という認識を示した。この家
計への消費税8%の影響をどう代表は捉えているかという点と、10%
への引き上げが来春に予定されているが、これに向けてどういうことが
求められるかという点について伺いたい。

【代表】
 家計への影響があったことは事実です。でも、そういうことは想定した
上できちんと対応を事前に図っておくのが政府の責任だと思います。
「予想していなかったほど大きかった」と言って、それで済む話ではなく
て、そういうことがないように周到に事前に対応しておく。そのことが政
府の責任であると思います。
 それだけ経済に勢いがなかったと。そういう意味では政府の経済政
策の限界ということも言えると思います。

【日本経済新聞・宮坂記者】
 総理は一方で、現時点では予定どおり来春の引き上げを予定してい
るという趣旨のことも今日答弁で答えているが、政府に対して、予定ど
おりの消費税引き上げが必要だという立場で求めていくのかどうかとい
う点はいかがか。

【代表】
 これはまず、引き上げができる条件をきちんと満たす責任が政府に
あるということです。条件というのは、経済状況もそうだし、それから行
革や、あるいは社会保障の充実や、そういった法律上求められている
もの、それをきちんと満たすということが重要であるということを申し上
げておきたい。

○参議院選挙・野党5党連携協議について

【NHK・花岡記者】
 総理は昨日の額賀派のパーティーで、参院選については「自民党・
公明党」対「民主党・共産党」という戦いになっていくのではないかと。
平和安全法制、日米の絆を守る自公か、それとも安保法政を廃止し
ようとしている民主・共産の戦いになると。そういうこじつけを行った。
この点についてどうご覧になっているか。

【代表】
 日本国総理大臣としては極めてお粗末なレッテル貼りですね。

【NHK・花岡記者】
 「お粗末なレッテル貼り」というのは、それはどういう意図で。

【代表】
 あまり言うつもりはありません、総理が言ったことを広げることにな
りますので相手にしない、というのが私の方針です。相手にしてほしけ
れば、気のきいたことを言えということです。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 昨日仙台市内で、櫻井充先生(一本化)で、いわゆる民・共の初め
ての政策協定ができたと。全国で一番早く共産党と協定を結べたとい
う意味で、ここは非常に難しい選挙区なので一つのスタートラインに立
ったようなところもあると思う。これは県レベルだが、安住淳さんも行っ
ておられるわけだが、この受け止め、「総がかり」ということなのかとい
うことも含めて、やはり1人区どうするということについてのスタートに立
ったのではないかと思うが、その辺を伺いたい。

【代表】
 さきの5野党の幹事長・書記長会談の中で確認していることがある。
それは各党や各地域の立場・事情を相互に配慮しつつ、最大限の効
果が生じるよう努力するというものです。この枠の中で、宮城県として
独自の判断をされたと考えています。

【岩手日報・佐藤記者】
 先日、生活の党の小沢代表と会談したという報道があったが、どう
いう内容があったか、あるいは合意があったか、あるいは改めて生活
の党との連携をどう考えているか伺いたい。

【代表】
 私は誰といつ会ってどういう話をしたかということは言わないことに
しておりますので。

○「手話言語法」制定を求める動きについて

【東京新聞・宮尾記者】
 「手話言語法」の制定を求める動きがあり、このたび全国の地方議会
1741全てで国に法制化を求める意見書が採択された。ところが国の
ほうではあまり熱心ではないように見えるが、こうした立法の必要性に
ついて考えがあれば伺いたい。

【代表】
 私、(「手話言語法」)立法の内容の詳細を承知していないのですが、
現在でも障害者基本法においては手話を言語として認めることは明記
されています。それ以上にこの手話というものをさらに広げるための立
法という意味ではそれは必要ですし、中身をよく精査した上で党として
の取り組みを考えていきたいと思います。

○新党協議会での議論について

【日本放送・後藤記者】
 維新と民主はインターネットでの公募という形で新党名を決めるという
方向になったと聞いているが、これについて岡田代表としての意見、今
の心境というか、一言いただきたい。

【代表】
 今日、チームで協議し、一定の結論を得ましたが、(公募で)決めると
言っているわけではない。インターネットでもファックスでもいいのですが、
さまざまな名前を募集して、それを参考にしつつ集約していくということ
で、それだけで決めるということは言っていないはずです。
 広く国民の意見を聞くことはいいことだと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 聞いたところでは、維新の党の職員が16名いるそうだが、3月27日
以降の新党には、民主党の職員と維新の党の職員、現在の職員の方
は引き続きやってもらうと代表はお考えか。

【代表】
 そういうことも含めて、幹事長のところで今整理しているところです。

【産経新聞・松本記者】
 党名の募集に関して、代表自身は応募される考えはあるか。

【代表】
 代表が言わないほうがいいよね、と思っている。よろしければ、ぜひ応
募していください。

○東日本大震災・被災地訪問について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 詳細には聞いていないが、明日、福島に行かれて、たしか櫻井翔さん
に会われると。そういう狙いというか、3.11の前だが、どういう。仮設と
か、そういうところには行かれるか。

【代表】
 私、幹事長の時に随分と被災地は訪問いたしました。ですから今でも
被災地に行くと「岡田幹事長」と呼ばれることがある。
 選挙では県議選とか福島に入ったりはしていますが、被災地という意
味では久しぶりです。大内新興化学工業とか、当時、操業ができなくて、
それを、(警戒区域の境界線から)わずか何十メートルしか入っていな
いが操業できない、そういう工場も何とか操業できるようにしたのですが、
そういったところも視察する予定です。
 それから南相馬市長は一緒にずっと(警戒区域の)中に入って、豚舎
とか、もちろん人間は入れませんから、丹精込めて育てた豚が餓死して
いるとか、そういうところも一緒に回っていただいたりしましたので、久し
ぶりにお目にかかってお話をしたいと思います。この前、少し立ち話をし
て、「また来てください」とも言われましたので、それもあって今回お邪魔
することにいたしました。南相馬、それからいわき市も行きます。

【フリーランス・宮崎記者】
 (警戒区域の境界線から)50メートルのところで操業できなかった方だ
が、その当時、報道で防護服を着ているか着ていないかということで、そ
の後インターネット上でも「フルアーマー」という形で岡田幹事長らが批判
をされてきた。そのことに関して、当時どういうお考えで、今どう思われる
か。

【代表】
 あの時に現場に、その報道した某新聞社の記者がおられれば、ああ
いう報道は絶対にしないと思います。写真が配信されて、それで後で記
事を付けられたと思いますが、基本的に防護服を着けなければいけな
い、そういう地域。防護服を脱ぐのも場所が決められています。勝手に
脱ぐわけにはいきません。そういった中で、私としては防護服を脱がず
に対応せざるを得なかった。あそこで脱いだらおかしいと思うし、一緒に
いたメディアの皆さんもみんな同じ対応だったのではないかと思います。
現場におられれば、ああいう記事にはならなかったはずです。

○「民主くん」の去就について

【日刊スポーツ・中山記者】
 新党名に関して、党のキャラクターの「民主くん」について、何か枝野
幸男幹事長からご相談を受けたようなことはあるか。それと代表の今
のところでの意向があれば伺いたい。

【代表】
 党のマークも変わると思います。「民主くん」、シェイプアップして新し
いマークに強引にするという話もありますが、なかなか難しいかなとい
う感じはします。一説にはもう一回非公認に。最近になってようやく公
認されたので、非公認として生き残るという道もあるようですが。
 私は、やはりハローワークを紹介して、ちゃんと職業訓練のための
手当てもして、新たな働く場を見つけてもらいたいと思っています。そ
のための職業訓練、党としてしっかり世話したいと思います。

【フリーランス・安積記者】
 ハローワークを紹介して職業訓練を受けさせて手当てしたいという
話だったが、一方、維新の党の松野代表からは、功績があったので
党の最高顧問として迎えるのはどうかというような意見があった。向
こうはもちろん「民主」という名前を党名から外せと要求しているわけ
だが、「民主くん」に対するこの温度差は何なのか伺いたい。

【代表】
 私は、ちゃんと生きる道を見つけてお世話しますと申し上げている。
最高顧問になったって、それで飯が食えるわけではありませんから。
今の最高顧問の、野田さんとかをやゆしたわけではございません。私
も最高顧問をずっとやっていましたので、代表になる前は。




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