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岡田克也代表定例記者会見(7月28日)

岡田克也代表記者会見
2016年7月28日(木)14時01分~14時33分
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
○東京都知事選挙について
○経済対策について
○「中長期の経済財政に関する試算」について

■質疑
○東京都知事選挙について
○経済対策について
○憲法をめぐる議論について
○党代表選挙について
○「一票の格差」問題・参議院選挙制度改革について
○障害者施設殺傷事件について
○鹿児島県知事の川内原発停止要請について
○年金積立金の運用実績公表について
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■冒頭発言

○東京都知事選挙について

【代表】
 今日は3点。
 まず都知事選挙ですが、昨日、鳥越俊太郎さんと新宿駅の南口で共に街頭演説をいたしました。鳥越さんも初めての選挙ということで、いろいろとお疲れもあるんだと思いますが、非常に元気にしっかりと訴えておられた、その姿が非常に印象に残りました。残すところあとわずかになりましたが、このまましっかりと都民の皆さんに自らの信念を訴えていただきたいと思います。
 私も今日も、品川から始まって3ヵ所、辻元清美さんと街頭演説をしてまいりました。明日は山尾志桜里さんと、4ヵ所で街頭演説をする予定にしております。
 党は前面に出ないほうがいいということで、私も鳥越さんと並んで演説するというのは、そう数はないほうがいいというふうに判断していますが、民進党の支持者、あるいは無党派層と言われる方々に、党としてもしっかり訴えていくということも大事なことなので、明日も精いっぱい頑張りたいと思っているところであります。

○経済対策について

【代表】
 さて、経済対策について、8月2日に閣議決定と言われていますが、昨日、福岡で総理がいろいろとお話しになりました。その概要が次第に明らかになってきたと思います。
 詳細は発表になった上で、また申し上げたい。あるいは補正予算という形で出てきたときに、さらに具体的に予算委員会等で審議がなされることになりますが、今日は2点だけ申し上げておきたいと思います。
 一つは、総理は「未来への投資」と、どこかで聞いた言葉だなと思うんですが、「未来への投資」、そして「投資なくして成長なし」ということを昨日も講演会で強調されました。にもかかわらず、例えば選挙前に所得の少ない方に対して3万円配ったわけですが、今度もそれを、1.5万円を同様に配るという中身も入っているということであります。これは一時的なバラマキにすぎないわけで、それがなぜ投資なのかと、非常に違和感を覚えます。
 選挙戦でも申し上げてきたように、そういう一時的で、やるかやらないか、その時の政権の判断で決まってくるような、不安定なそういうバラマキはほとんど意味がないと思います。それよりは、しっかりと制度的に確立して、将来に安心感を与えるような、そういうものであればそれは意味があることだと思っています。つまり、もう既に3党間で約束がなされている低年金の方に対する給付金制度、それから介護保険料の軽減措置、二つ合わせると7000億円程度になると思いますが、しかもこれは4月からですから直ちに今即効性があるということではありませんが、そういうことを財源を確保してきちんとやっていきますということをアナウンスすることが消費増につながる、安心を増やすことにつながる。一時的なバラマキでは、それはまさしく持続性がないということを申し上げておきたいと思います。「未来への投資」というキャッチフレーズと、まさしく真逆のものであるということであります。
 もう一つは、私、非常に気になるのは、「財投(財政投融資)の活用」ということで、ずっと財投は第2の予算ということで、かなり減らしてきましたが、これを活用しようということであります。
 財投の場合には、ちゃんとお金が戻ってくるからいいんだと、こういうことかもしれません。今金利が低いので、それを活かして、国でないとできないような融資を行うということかもしれません。したがって全てを否定するつもりはないのですが、リニア(リニア新幹線)に対して巨額のお金を貸し付けるということについて、一つ疑問があります。それはリスク判断を誰が行っているのかということです。
 貸付だと、税金ではないというふうに言っても、返ってこなければ最後は税で補填するしかない。これは従来も、財投という名前で出されたお金が、結局採算がとれずに税金で補填してきたということは、たくさんあるわけであります。
 JR東海の話も、従来はJR東海が自らのリスクでやるということで、国としてはそれを事実上の後押しをしてきたということであります。しかし今回は、巨額のお金が入る。事業として、例えばいろいろな難しい工事も控えています、そういうものがきちんとうまくいかなければ、これ成り立たないわけですし、あるいは採算がとれるかどうかということも検証が必要です。
 そういうことを誰がどうやって行って、この巨額のお金を貸し付けるのか。そこが全く見えてこないわけで、私は、それは国としてきちんとやって、国民に対して説明をして、だからこれだけ巨額のお金を一民間企業に貸しても大丈夫ですと。その説明が全く不足しているまま総理がどんどん先を走っているということは、将来に大きな禍根を残す可能性がある。
 別にこのリニアのプロジェクトに問題があると言っているわけではなくて、国がお金を入れるのであれば、問題がないということをきちんと説明する責任が政府にあるということを申し上げているわけであります。

○「中長期の経済財政に関する試算」について

【代表】
 最後に、2020年の財政健全化目標、PB黒字化について、26日に内閣府が試算結果を公表しました。
 この件に関して二つ私は申し上げたいんですが、一つは、中間目標はどうなったのかと。2018年度GDP比1%程度にすると。この目標は消費税を先送りしたことで事実上断念することになりました。じゃあそれに代わる2018年、つまり中間地点での目標はどうなるのかと。その具体的な目標がないと、今までの説明は、中間目標の達成状況を見て、最後の2年間どういう、例えば歳出削減をするかとか、そういったことについて検討するという説明をしていたはずで、その中間目標がないままというのは理解できないわけであります。その目標をしっかりつくって、それが達成できるかどうか、その時に検証するべきだということであります。
 そして最終的には、6.5兆が5.5兆には減ったんですが、ここも非常に疑問はありますけれども、いずれにしろ5.5兆のPB赤字が残るということであります。10年も20年も先の話を議論しているんじゃなくて、もうすぐ先の2020年の話をしているわけであります。この政府の今回の試算でも明らかになった5.5兆円のPB赤字をどうやってこれを克服するのかと。景気がよくなれば乗り越えられるという代物ではありません。既に名目成長率3%超という高い成長を見込んで税収をはじいた上での赤字ですから。これをどうするのかということについて、何も答えていないというのは、事実上2020年PB黒字化を断念したと、そういうふうに言われても仕方がないわけで、歳出削減やあるいは歳入増についてのしっかりとした考え方を示す責任が政府にはあると、そういうふうに思っています。

■質疑

○東京都知事選挙について

【毎日新聞・野口記者】
 都知事選だが、序盤では幹事長や代表ら党幹部が街頭で演説に立つ機会はなかったと思うが、ここに来て代表自らが街頭に立つ狙いについて伺いたい。

【代表】
 普通の知事選挙で代表が応援に行くということは、あまりないかと思います。ないわけではないんですが。しかし今回は都知事選挙ということです。
 我が党だけが推薦しているということであれば、もっと早く出ていった可能性は高いと思います。今回4党だし、しかもあまり政党が前面に出ないほうがいいという面もありますので、今まで控えておりました。
 今回も、鳥越さんと一緒にやるのは、たぶん昨日だけになるんじゃないかと。少なくとも明日は具体的に予定されておりません。我々としては、民進党支持者の方や無党派の方々にしっかりと鳥越さんを訴える、そのために独自の活動をさせていただいているということです。

【NHK・花岡記者】
 都知事選については野党4党の共闘で推薦候補鳥越さんが出ているが、この都知事選の結果がその後の野党4党の連携のあり方について与える影響はどうお考えか。

【代表】
 それは4党、あるいは市民も含めて連携して今この運動をやっています。それが、結果がどういう影響を及ぼすかということですが、そういうものがなければどうなったかということとの比較、これはなかなか現実には難しいことですので。もちろん、他にじゃあどういうやり方があったのかということも含めて検証は必要だと思いますが、今回うまくいった、あるいはいかなかった、だから4党の協力がどうだということには、必ずしもならないと思います。

【日本テレビ・原記者】
 鳥越さんが、東京の250km圏内の原発の廃炉要求とか、大島の消費税5%に引き下げとかおっしゃっているが、このような公約を是認された理由を伺いたい。

【代表】
 是認するというか、これは鳥越さんが都知事選の候補者として述べておられる話で、我が党の政策と100パーセント一致するわけではないということです。100パーセント一致するならば、推薦じゃなくて公認ということになると思います。
 そもそも4党の政策も一致していないところがあるわけですから。鳥越さんの判断でいろいろおっしゃること、それは当然あると思います。

【TBS・牧野記者】
 250キロ圏内の廃炉、停止を求めるこということについては、どのようにお考えか。

【代表】
 我が党には、具体的にそういう政策は現時点ではありません。我が党の政策は、もうご存じのとおりであります。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 メディアは最近萎縮していると岡田さんよくおっしゃるが、鳥越問題については二つの週刊誌が、公選法の中で堂々と記事を書いている。鳥越さんの「事実無根だ」というファックスがうちの会社にも送られてきたりするが、本人は会見しない。この一連の問題、週刊誌の報道と鳥越さんの対応について、岡田さんの日頃のメディア論からしたらどんな評価になるのか伺いたい。

【代表】
 この選挙期間中にこういう報道が相次いだことは、極めて異例ですね。現実に選挙に影響はあります。だからこそ慎重に事実関係は、きちんとある場合はともかくとして、今回も基本的に伝聞ですから。そういうものは控えてきたというのが、今までの一種の暗黙のルールだったと思います。それが今は変わって出てきてしまった。鳥越さんはそれを防衛するために刑事訴追までしていると。こういう状況で、いずれにしても将来に禍根を残すようなそういうことではないかと思います。
 基本的には、これ選挙が終わって、訴訟でシロクロ決着がつくということになると思いますが、こういうことがもし頻繁にあるということになると、かなりさまざまな
問題が出てくるということになると思います。

【朝日新聞・中﨑記者】
 代表は当初から、党が前面に出過ぎないほうがいいというお考えをおっしゃっていた。鳥越さんと並び立ちも、昨日で最後ということだったが――

【代表】
 最後かどうかちょっと、土曜日の日程がまだ決まっていないんです。

【朝日新聞・中﨑記者】
 昨日、1回並んで立ったことの狙いについて伺いたい。

【代表】
 さっき言いましたように、民進党の支持者や無党派の人に独自に訴えかけしているわけですが、代表がやっているので、あえて一度も一緒にやることがないというのも、不自然だと思います。そういうことで、別に私が望んだわけではないんですが、周りでセットしていただいて、ああいうことになったということです。

【時事通信・小松記者】
 鳥越さんの週刊誌に書かれた報道内容だが、こういう内容そのものであるかどうかは別にして、その種のスキャンダルがあるということは、執行部として鳥越さんに出馬を打診した時にお耳に入っていたのかどうか、入っていたとすればそれを本人に質したのか伺いたい。

【代表】
 今は選挙の最中ですから。前にもそういう質問が出たんですが、ノーコメントです。

○経済対策について

【日本経済・宮坂記者】
 昨日の総理の表明の話もあったが、事業規模で28兆円超、財政投融資も6兆円を超すと言われている。このことについて、国会審議等を通じて野党として政府にどういう説明を求めていくのか、どういう論戦を挑みたいか、その展望を伺いたい。

【代表】
 まだ全く、補正予算どころか、そのもとになる経済対策の中身も発表されておりませんので、現時点で申し上げることは先ほど指摘した2点です。
 ただ、今までの考え方と、その事業規模の考え方も来年度予算分が入っているんじゃないかとか、それから民間の部分も入れてあるとか、考え方を変えているところもありますね。その辺のところも含めて、しっかりと国会で議論していかなければならないと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 リニアに関して、第二東名をつくるとき、我々は一生懸命取材した。道路公団は藤井さんということもあるが。今度は道路公団ではなくて、葛西さんだ。ところが第二東名ができた後に、どれくらいこれが効果があったか、赤字であるかどうかということの検証をするものができていない。これから人口減少に関して、実際リニアが必要かどうかということだ。しかも第二東名をつくるときは、確かに台風の時に由比のあたりが潮でやられる、それが必要ということがあったが、リニアは本当に――そのリニアの恩恵に関わらない三重県出身の岡田さんとしてはどう思われるか。

【代表】
 リニアは三重県も通るとされているんですが、いずれにしても第二東名とリニアの違いは、一方は道路公団という政府の機関がやる話であって、一方は民間がやるという話なんですね。だから民間が自己責任でやられる分については、特に政府がとやかく言う必要はない。採算が合うかどうかなどということも、最終的にその責任を負うのはJR東海ですから、JR東海が判断すればいいというふうに私は考えてまいりました。
 ところが、今回巨額のお金を入れると。もちろん税金ではなくて貸付であったとしても。ということになると、それはちゃんと安全に将来返ってくるという見通しがなければ簡単に貸せないことだと私は思うわけですね。そうすると、今までのJR東海が単独でやるという話とはだいぶ状況が違ってくる。そこに政府のリスク判断、採算性の判断、あるいは工事が本当に円滑にちゃんと行われるのか。難工事もたくさんあります、技術的にも。そういうことについて政府が検証なしにお金を貸すわけにはいかないだろうと、そういうことを申し上げているわけです。

【フリーランス・堀田記者】
 6ヵ月ぐらい前にJR東海の柘植康英社長が会見で、できても採算は合わないということは言っている。

【代表】
 その言っている中身は、私は詳細を承知していませんが、いずれにしても新幹線とセットで、同じ会社ですから、全体として採算が合わなければできないことだとは私は思うんですね。しかし、そのことの中身も含めて、きちっと政府としても検証しなければ――最終的には財投であれ、これ国債ですから。それがきちんと返ってこないということになれば税金で穴埋めするということだって起こり得るわけですから、私は、政府としてのきちんとした検証が要るということを申し上げているわけです。
 私は反対しているんじゃないですよ。検証をちゃんとやる必要があるということです。

【東京新聞・宮尾記者】
 反対ではない、一義的にはJR東海の民間の事業だということだが、環境への影響、地下水への影響、電磁波の問題、消費電力が大き過ぎるとか、さまざまな問題を指摘する人はいるが、そういったことも含めてリニア事業自体には問題がないというご認識か。

【代表】
 環境の問題とか地下水の問題とか、指摘はありますね。それは既存法の中でその法に触れるかどうかという判断をするということだと思います、国としては。
 問題は、新たにお金を貸すという時に、やはり採算性の問題が最も重要になると思います。その他の問題は今までもあった問題で、今回新たに貸すということで発生する問題では必ずしもないと思います。

○憲法をめぐる議論について

【北海道新聞・津田記者】
 憲法について伺いたい。自民党の高村副総裁が26日の講演会で、憲法9条について、「改正したいと思っているが、できない。できないことはしない」と述べたが、この受け止めを伺いたい。

【代表】
 高村さんは時々、そういう煙幕を張るようなご発言があるんですが。やらないのかどうかって、安倍さんは9条の改正も国会の中でも発言したりしていますよね。やらないとか、やれないとか、そういうご発言はないわけですから。もちろん、国民の理解がないとできないとか、そういうことは言われたかもしれませんけれども。最終的に責任者である総理がどういうふうに言われるかということが大事で、副総裁ではありますけれども、いろいろな思惑を持って言われるということに、私はまともに耳を傾けないことにしています。

○党代表選挙について

【時事通信・小松記者】
 代表選挙について伺いたい。代表選挙の日程の検討状況と、昨日、野田佳彦前総理とお会いになって意見交換されたそうだが、その辺の事実関係も含めて伺いたい。

【代表】
 誰と会った、会わないかということは、私は基本的に言わないことにしておりますので、特に後半の質問についてお答えすることはないんですが、どんな人とでも、親しい人、信頼関係のある人と、参議院選挙も終わったわけですから、いろいろな懇親の場を持つということは、それはあり得ることだということは申し上げておきたいと思います。
 それから日程は、昨日の常任幹事会で幹事長からお話があったわけですが、当初は国会が9月11日、12日、その辺に開かれる可能性が高いと。可能性があるのであれば、それまでに終えておいたほうがいいということで、7日の説が有力でした。
 ただ、いろいろな情報を総合すると、やはり国連から総理がお帰りになってから開会されるのではないかという話が強くなってきて、そうであれば少し余裕ができると。全体非常に日程を圧縮していますので、7日ということになると。ということで、もう少し遅らせることができるのではないかという議論が今出ていて、その旨、幹事長のほうから常任幹事会でお話があったと。
 どっちにするかということはまだ決まっていなくて、恐らく8月初めの常幹で正式に決めることになるのではないかと思います。

【読売新聞・中田記者】
 代表選に対する岡田代表の態度表明の時期に関して、改めて伺いたい。

【代表】
 決めた時にお話しします。

【読売新聞・中田記者】
 都知事選が終わった後というお考えでよろしいか。

【代表】
 都知事選が終わった後というのは、終わった直後とは言っていないので。終わった後、どういうタイミングで言うかということだと思いますが、それを一つの目安として、都知事選をやっている間はあまり党内ガタガタしないほうがいいねということを申し上げてまいりました。

○「一票の格差」問題・参議院選挙制度改革について

【共同通信・関記者】
 合区の問題に関して伺いたい。今日と明日に全国知事会が開催される。合区解消に対する党の立場を改めて伺いたいのと、知事会が求めている憲法改正による合区の解消という視点について代表のお考えを伺いたい。

【代表】
 これは党の中で議論をしなければならない話なので、あまり私の意見を申し上げないほうがいいと思いますが、従来から申し上げているように、憲法問題をクリアしようとすれば、答えはたぶん二つしかないということですね。
 一つは、西岡武夫議長時代に西岡議長がご提案された比例制にすると。ブロック別比例制でした、あの時は。拘束名簿方式にするか、それとも非拘束にするか、考え方はいろいろありますが、とにかく県を全部取り払って、ブロックごとに選挙をするというのが一つですね。そういう中で問題を解決していくと。
 もう一つは、憲法を改正して、どんな小さな県でも1人は確保できるようにするという、どちらかしかないんだと思います。
 そこを、どちらが望ましいか、あるいはやはり合区をやっていくのかということについては、現時点では党の中で結論は出しておりません。
 ただ、事実の問題として申し上げると、我が党は、(一票の格差)2倍以内におさめるために、今の憲法を前提にすればやはり合区を大幅にやるしかないということで、公明党と一緒に具体的提案を国会・参議院に出させていただいたという事実はあります。

○障害者施設殺傷事件について

【NHK・花岡記者】
 相模原の事件だが、19人の方が犠牲になられたということで、昨日、塩崎厚生労働大臣は、措置入院のあり方なども今後検討していかなければいけないという発言もされた。代表は、政治の役割としてこういった悲惨な事件を防ぐには、障害者の問題も絡んで非常に複雑な事件であると思うが、どういうふうにお考えか。

【代表】
 非常に深刻な事件ですので、いろいろな検証がなされる必要があると思います。確かに犯人、(措置入院から)簡単に戻してしまってよかったのか、そういう議論は当然起こり得る話です。恐らく国会の中でも。しかしこれはさまざまな波及もある話ですので、しっかりとした議論が要ると思います。
 現時点では、それ以上のことは非常に申し上げにくいわけですが、まず事実関係がどうだったのかと。今回、犯行に及んだ個人の精神状態とか、そもそもどういう状況だったのかということをきちんと踏まえて、そして議論していったほうがいい。あまり急ぎ過ぎると、問題もあるかもしれないと思います。

○鹿児島県知事の川内原発停止要請について

【西日本新聞・入江記者】
 鹿児島の三反園知事が本日の就任会見で、8月にも原発を停止することを九電に申し入れることを正式に表明された。熊本地震が起きて原発は大丈夫なのか不安があることを理由に挙げている。民進党はもともと地震直後の政府への要望で原発を止めることまでは求めなかったと思うが、再検証のために原発を一旦止めるという三反園さんの考え方については、どのようにお考えか。

【代表】
 それは三反園知事が候補時代に選挙の中で述べられたことですので、そのことについて私が一般的にコメントするということは控えたいと思います。それは知事のお考えでそのことを訴えられ、そして県民が三反園知事を選んだわけですから。そのことは重いと思います。

○年金積立金の運用実績公表について

【日経新聞・宮坂記者】
 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用の問題、明日公表ということで、この間GPIFの運用に関してオルタナティブに運用をしやすくして、分散投資を進めやすくする方法とか、運用の仕方についてもいろいろ新しい話が出てきているが、この公表を受けて、その後民進党としてどういうことを特に取り上げていきたいのか、どういう問題点を捉えているのか伺いたい。

【代表】
 それは公表を見ないと何とも言えないですね。その上で検証するということになると思います。ただ、これだけ遅れた。つまり、もっと早く――少なくとも、前年度の結果については今までは7月初めに公表してきたのが、これだけ遅れたということの説明もしっかり聞きたいと思います。私には理解できないことです。




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