岡田克也代表定例記者会見(1月29日)
岡田克也代表記者会見
2016年1月29日(金)15時00分~15時24分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
○金銭授受問題による甘利大臣の辞任について
○日銀のマイナス金利導入について
■質疑
○金銭授受問題による甘利大臣の辞任について
○企業団体献金について
○日銀のマイナス金利導入について
○憲法改正をめぐる議論について
○野党の協力・結集をめぐる議論について
○京都市長選挙について
○新ポスターについて
○参議院選挙の候補者擁立について
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■冒頭発言
○金銭授受問題による甘利大臣の辞任について
【代表】
私からは冒頭2点。
まず第1は甘利大臣の辞任の問題です。昨日会見を聞いておりまして、
私は非常に驚きました。甘利大臣、もちろん考え方は私とかなり違うので
すが、大臣としてしっかりとした仕事はしてこられた方だと思っております。
そういう方が大臣室で、あるいは地元事務所で現金を受け取っていた。も
ちろん、大臣室で後から気がついたと説明されていましたが、相手がどう
いう意図で持ってきたのかもわからないまま受け取っているということに、
驚きを覚える。逆に言うと、こういうことがあちこちで、自民党政権のもとで
行われているのかとも考えてしまう、「政治とカネ」の問題、やはりもう一度
しっかりと、こういったことが繰り返されないためにどうすればいいかという
ことを考えていかなければならないと、改めて感じたところです。
それからもう一点は、これは単なる大臣のスキャンダルという話ではなく
て、安倍政権の中で、一種の行政の中で行われたこと。つまり登場人物は
URであり、そして国土交通省です。そういう意味でも、これは甘利大臣が
辞めたからそこで話が終わりということではなく、安倍政権のもとで行われ
た不祥事の可能性がある出来事について、安倍政権としてしっかりと事実
を解明する責任があるということを改めて感じている。
いずれにせよ、今後国会の中でそういった任命責任、あるいは事実関係
をしっかり解明する責任を安倍総理が果たされていくことを期待し、そして
国会審議の中でもしっかりそのことを質していかなければいけない。
○日銀のマイナス金利導入について
【代表】
2番目は日銀のマイナス金利の導入ですが、この評価というのはやって
みないとわからない部分もあると思います。ただ、相当手詰まり感というか、
次元を超えた金融緩和が十分な効果を発揮せずに、来るところまで来て
しまったという感があります。実際には(金融政策決定会合において)「5
対4」といったギリギリの採決の結果ということも、そういった状況を物語っ
ていると思います。
安倍総理は「安倍政権になって景気がよくなった。回復した」ということを
声高に言われるが、現実は国民の実感から言っても「そうではない」とい
うことを我々は申し上げてきたが、いよいよ手詰まりの中で日銀に全て負
わせるような、そういう状況になっているのかなと思います。
■質疑
○金銭授受問題による甘利大臣の辞任について
【フリーランス・堀田記者】
昨日、甘利さんはいろいろな問題があって辞めたわけだが、鳩山総理が
カネの問題で総理の時に「ルポール麹町」で会見した。それで、事件が片
づいたら再び週刊誌等の皆さんも入れて会見します、と言っていたが、第
一秘書が在宅起訴になった後に彼は辞めて逃げてしまった。その時に岡
田さんは「会見してくれ」ということを言いましたか。
【代表】
これは既に終わった話ですが、私は当時、幹事長として鳩山前総理に、
事務所まで行って、3回、そういう会見を行うべきだということを申し上げ
ました。
【フリーランス・堀田記者】
鳩山さんは総理の時に2009年の12月頃に会見をした。それで、事が
片づいたら再び週刊誌の皆さん等も入れて会見しますと言ったが、第一
秘書が在宅起訴された後で、岡田さんは「会見をやってくれ」ということを
鳩山さんに言ったか。
【代表】
ちょっと今言われたことはよくわかりませんが、私が鳩山前総理に申し
上げたことは、党首討論で公明党の山口代表に対して「説明をする」と言
われた。その説明責任が果たされていない、党のためにぜひ説明してくだ
さいということを、私は3回申し上げに行きました。
【フリーランス・堀田記者】
先週の会見の時に、「小渕優子さんの問題も何も解決していない」とおっ
しゃった。甘利さんは一応昨日で辞めたわけだが、例えば政倫審(政治倫
理審査会)に呼ぶというような考えはあるか。その時に、小渕さんも一緒に
政倫審で呼ぶというような考えはあるか伺いたい。
【代表】
今、甘利さんの問題を我々メインに据えていますので、あまり論点は発散
しないほうがいいと思います。ただ、私は(小渕元大臣の問題に関する)説
明がきちんとなされているとは思っていない。
【毎日新聞・飼手記者】
昨日の甘利さんの会見で、「政治家はいい人だけとつき合っていたら選
挙に落ちる」という発言があり、このような感覚がこの事件を起こしたので
はないかという指摘もあるが、代表はこの点についてどのようにお考えか。
【代表】
一々甘利さんの発言にコメントするつもりはありません。いろいろな考え
方があっていいのだと思います。ただ、いろいろな人とつき合うということと、
お金を受け取るということは別の話ですので、大臣室あるいは自らの事務
所でお金を受け取る、現金を受け取るという感覚は理解しがたい。
【毎日新聞・飼手記者】
冒頭発言の中で、「政治とカネ」の問題を繰り返さないために考えていか
ないといけないと発言された。幹事長のほうから、あっせん利得処罰法の
強化という発言もあるが、現時点での考えがあれば伺いたい。
【代表】
これは政治資金規正法の話というよりは、あっせん利得処罰法の問題だ
と思います。それが、法律は作ったものの事実上“骨抜き”になっている、
実際に使えない形になっている。それをやはり機能できるようにしていくこ
とが大事だと思います。
政治資金規正法の問題というより、もう少し根の深い話、つまりもしこれ
が事実だとすれば裏金ということにもなりかねない、そういう話だと思いま
す。
【NHK・花岡記者】
TPPの交渉に直接関わっていた重要閣僚の辞任ということで、今国会
で重要テーマの一つとされているTPPの国会審議への影響も懸念されて
いる。また後任の大臣が石原伸晃さんということで、TPPについてどれだ
け見識・知識があるのかということも懸念されているが、この点について
代表はどのようにお考えか。
【代表】
今おっしゃったことは安倍総理が考えなければいけないことで、我々と
しては誰が大臣であってもきちんと説明してもらう。(説明して)もらえなけ
れば、それは大臣としての責任を果たしたことにはならないと思います。
【フリーランス・堀田記者】
このネタは正直に言って、告発者から各大手マスコミに持ちかけられた
が、筋が悪過ぎるということで断った。文春も1回掲載をやめた。その後
に、じゃあということで、告発者が金を渡すところを撮らせるからというこ
とで、最終的に編集長が判断して載せたが、こういう悪筋のものを引用
したことについては、岡田さんはどのように感じるか。
【代表】
ちょっと私、事実関係を存じ上げませんので、今お話しになったことが
事実かどうかはわかりません。ただ、どういう経緯があったとしても、相
手がどうだからといって、それでやったことが正当化されるということはな
いと思います。
○企業団体献金について
【東京新聞・宮尾記者】
政治資金の話だが、企業団体献金について維新の党や、おおさか維
新の会、共産党は「全廃」と言っていて、民主党と維新の党は政策調整
会議で今日も議論になったそうだが、この件について民主党は他の野
党と足並みをそろえていけるのか。それから民主党の企業団体献金
についての現時点での考えを改めて伺いたい。
【代表】
維新の党と民主党は、企業団体献金の扱いについて合意をしておりま
す。したがって、考え方はそろっているとご理解いただきたい。
企業団体献金を禁止すべきだと我々も考えておりますが、それは法律
を出してしっかり成立させる中でやっていかないといけない問題だと考え
ている。
もう一つは、これは企業団体献金だけではなくて、パーティー(企業団
体によるパーティー券の購入)も含めてきちんと(禁止を)やらないと、結
局、ある意味ではパーティーのほうがより透明度が低いという現実もあ
りますから、やるならば両方そろえてやるべき。そういう考え方です。
○日銀のマイナス金利導入について
【朝日新聞・村松記者】
先ほど代表は冒頭で、「来るところまで来た感じがする」と。これをもう
少しかみ砕いて説明していただきたいのと、これは仮の質問になってし
まうが、来るところまで来てしまったところでとられた政策がうまくいかな
かった場合の、金融市場や日本の実体経済に与える影響についてど
のような危惧を持たれているか伺いたい。
【代表】
次元を超えた量的緩和をやってきたが、十分な効果を果たさないとい
うことで、マイナス金利という最後の手段ということになったと思います。
そういう意味で、「来るところまで来た」と。
もちろんマイナス金利といっても、その範囲をさらに広げるとか、ある
いはマイナスの幅を拡大するとか、これ一回きりということではなくて、
さらに進んでいく、極めていくということは手段としてはあり得るのだと思
います。ただ、臨時・異例のものが当然のようになり、次元を超えた金
融緩和、これでも効かないから次は金利をマイナスにするということで、
そういう意味で「来るところまで来た」と思います。
○憲法改正をめぐる議論について
【IWJ・安記者】
緊急事態条項について憲法に書き込むことで、基本的人権が侵害さ
れた場合に裁判所が「違憲・無効」判断を出せなくなると非常に危惧さ
れている。26日の代表質問で岡田代表もこの点を改めて安倍さんに
質問された。安倍さんは、個々の草案の内容について答えるのは差
し控えるというようなことだったが、この安倍さんの反応についてどの
ようにお考えかということと、緊急事態条項についてどういう認識を持
っているか改めて伺いたい。
【代表】
認識は前回、国会でも申し上げましたので、繰り返しません。
安倍総理も憲法の改正の議論を大きく掲げておられるのであれば、
中身についてもちゃんと国会でも答弁されるべきだ。それがないまま
「憲法改正しましょう」と言うのは、要するに今の憲法が嫌いだから、
あるいは「GHQが作ったものだから、オレは変えるんだ」と言ってい
るにすぎないのではないかという気すらしてきます。
【IWJ・安記者】
緊急事態条項について自民党は憲法に書き込むと言っているが、
民主党としては(自民党草案を)撤回させたいということなのか。例え
ば自然災害等があった時に災害対策基本法などで十分対応可能で
あると考えているのか、あるいは今の法律をもう少し修正しなければ
ならないと考えているのか、あるいは憲法にまで書き込まないといけ
ないと考えているのか。このあたりの、民主党としての立ち位置、考
え方を改めて確認させていただきたい。
【代表】
我々申し上げているのは、今の自民党の憲法改正草案は問題が
ある、ということを申し上げている。
○野党の協力・結集をめぐる議論について
【テレビ朝日・河村記者】
明日の党大会で、代表のあいさつというか、どこまで新党あるいは
野党の合流について踏み込んだ発言をされるのかというあたりが非
常に注目されている。前日になかなかそれはおっしゃれないところも
あるかもしれないが、どういう考えをお示しになろうと大枠で考えてい
るか伺いたい。
【代表】
「おっしゃり」ません。
【時事通信・小松記者】
確認だが、先ほどの、どこまで踏み込んだ発言をするかという質問
に対しての「おっしゃりません」というお答えは、明日発言をするつも
りはないという意味でおっしゃったのか、今事前に言うつもりはないと
いうつもりか、どちらか。
【代表】
「今おっしゃれないでしょうが」と(質問者が)言ったので、「おっしゃ
りません」と言ったのです。
【時事通信・小松記者】
今は言えないと。
【代表】
(うなずく)
【テレビ朝日・河村記者】
岡田代表が、3月には新党にするかしないか決断するという言葉が
あるが、今日、維新の小野政調会長が会見で、判断のタイミングが1
月中でないと間に合わないのではないかと。もう一つ、明日の党大会
で何らかの形で新党という前向きな発言がないと選挙準備にも大きな
影響が出てくる、党内で厳しい意見も出ると思う、合流に関して見直し
をかけないといけないと思うということをおっしゃっているが、それにつ
いて。
【代表】
私が(維新の党の)小野政調会長の発言に一々コメントする必要は
ないと思います。代表と代表で話し合っていることです。
○京都市長選挙について
【産経新聞・松本記者】
政令市長選ということで現職に推薦を出しているが、現職を応援して
いることの意義が1点と、自民・公明と相乗りになっているが、国政とは
構造がねじれているのを有権者はどう理解すればいいか。2点伺いた
い。
【代表】
いろいろな経緯がそれぞれの選挙ごとにありますので、一概に自民
党と相乗りになったからだめだということは言えないと思います。民主
党として、その候補者が推薦するに値するかどうか、適切かどうかと
いう判断を個々にしていくということです。自民党が推薦してきたから、
じゃあやめるかとか、そういうことにはならないと思います。
○新ポスターについて
【共同通信・関記者】
3種類のポスターを先日発表されたが、一部党内から「民主党は嫌
いだけど」というキャッチコピーについて異論も出ているやに聞いてい
る。いろいろな層に向けてのメッセージということでの使い分けと寺田
学広報委員長からの説明もあったが、異論が出ている点についてと、
ないとは思うが今後見直す可能性があるかについて伺いたい。
【代表】
寺田広報委員長が説明されたとおりですね。ですから、いろいろな
意見があるのはいいと思いますが、貼りたいものを貼るということだ
と思います。
【日刊スポーツ・中山記者】
代表自身は、キャッチコピーをご覧になって率直にどのようにお感
じになったか伺いたい。
【代表】
あまり感想を言う話ではないと思います、党として決めたものです。
○参議院選挙の候補者擁立について
【フリーランス・安積記者】
次期参院選で野党との共闘というか、選挙協力の呼びかけをする
ということだが、新潟で菊田真紀子衆議院議員を擁立するという報
道がある。他にも生活や維新から候補が出ているが、これは新潟
だけ特別ということになるのか。
【代表】
まず菊田真紀子さんが候補者という話は何か決まっているわけで
はありません。県連の中でさまざまな議論をしているという段階で、
決まった段階でコメントすることはありますが、現段階でコメントする
ことはありません。
それから、これは新潟に限らずいろいろな県で、候補者がバッテ
イングしているところというのはあります。そういったものをこれから、
やはりどうしたら勝てるかという観点で話し合っていくことが大事だと
思います。
【フリーランス・安積記者】
かつて代表は2011年の三重県知事選の時に、(当時)幹事長
でいらっしゃったと思うが、高橋千秋参議院議員を参議院議員を辞
めさせて候補として出すという案が出た時に、現職の議員を辞めさ
せて選挙に出すのは反対であるとおっしゃった。これは次の参議院
選挙でも現職の議員を辞めさせて他のところに鞍替えさせることは
基本的に反対なのか伺いたい。
【代表】
三重県知事選の話はいろいろな要素があって、「現職だから」、そ
れだけの理由でだめだと言っておりません。それはケース・バイ・ケ
ースだと思います。