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平成29年4月6日 第193回国会 東日本大震災復興特別委員会

※質問の動画はこちら(衆議院TV)「岡田克也」をクリック
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○岡田委員 民進党の岡田克也です。

 まず、大臣に基本的なことをお聞きしたいと思いますが、この福島の原発事故に対して、国の責任というものを大臣はどういうふうにお考えでしょうか。

○今村国務大臣 これにつきましては、これまでいろいろな、事故調の報告等々もいろいろありますが、基本的には、やはり安全神話に余りにも頼り過ぎて、そして今回の大変な被災を招いてしまった、これについてはしっかり反省をしていかなければいけないということが第一であります。

 その上で、二度とこういうことがないように、いろいろな対応を、これからしっかりと対策を立てていくということで考えております。

○岡田委員 今回、審議の対象になっております福島復興再生特別措置法の第一条、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任を踏まえて福島の復興及び再生が行われるべきだ、このことについてはどうお考えですか。

○今村国務大臣 まさにそこに書いてあるとおりの認識でおります。

○岡田委員 この原子力政策を推進してきたことについての国の社会的責任を踏まえてというところは、我々、常にこの原点に戻って福島の復興について議論しなければいけない、そのことを改めて確認させていただきたいというふうに思います。

 そこで、今回、帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域の除染費用について、東電に求償することはしない、国が負担するということになりました。その理由が、私は、少なくとも法文上は全く書かれていないし、明らかでないというふうに思うわけです。

 本会議での質疑の中で、大臣は、国の新たな政策決定を踏まえ、復興のステージに応じた新たなまちづくりとして実施するものであるために国が負担する、こういうふうに言われたわけですが、新たな政策決定あるいは新たなまちづくりということになれば、なぜ東電は免責されるんでしょうか。

○今村国務大臣 この帰還困難区域内の特定復興再生拠点の対応でありますが、これは、被災から六年たって、いろいろな環境の変化があります。非常に好転した部分もあります。そういったものを踏まえ、そして、やはりふるさとを取り戻したいという地元の意向、そういったものを勘案しながら、何とかここに戻ってもらおう、ふるさとを取り戻そう、そのための第一歩として拠点をつくろうじゃないかということであります。

 ある意味では、当初から新しいステージに入ってきたということでありまして、それに対応した対応ということで、国で見るという方向を今出しているところであります。

○岡田委員 質問に答えていただいていないんですが、なぜ、新しいステージにおいて新しいまちづくりであれば東電は免責されるのかと問うているわけです。

○今村国務大臣 東電の賠償責任については、その時点でそういったルールで決めているわけであります。

 今回は、それとはもう一つまた違う形での、追加された形での対応であるということで、これは国でやるべきではないかということで、東電ではないということに踏み切ったわけであります。

○岡田委員 除染の費用は、東電が負担するということは決まっているんじゃないんですか。

 ですから、まちづくりの主体を国が中心になってやるというのはいいと思いますけれども、最終的な費用について東電が免責されている理由を聞いているわけです。

○今村国務大臣 ですから、当初の線引きといいますか、考え方ということは、これはこれとしてあるわけであります。その上で、なおかつ追加的な対応をするということになるので、東電の賠償の責任はそこまでであって、それで、これから先、追加的なものについては、国がそういった新しいステージに対応してやるということであるから、これは国で持とうということであるわけであります。

○岡田委員 今回の特定復興再生拠点区域、東電は除染したんですか。

○今村国務大臣 ちょっと質問の意味がいま一つあれでございますが、特定復興、ちょっと済みません、もう一回。済みません。

○岡田委員 今回、帰還困難区域のうち特定復興再生拠点区域を指定して、そこは国がさまざまな対応をする、そして負担も国が行う。私は、国が負担するということは正しい選択だと思いますけれども、最終的にその中には、一体的に行うわけですけれども、除染という作業も含まれている。

 本来、除染を行えば東電がそれを負担するというのが今までの整理。少なくとも除染の部分については、東電が免責されるのはどういう理由に基づくものかということを聞いているわけです。

○今村国務大臣 これは、先ほどから答えておりますように、新しいステージに来るんだ、それについてやはり新しい仕組みで対応しようということで、東電じゃなく、国がそれをやるということで御理解を願いたいと思います。

○岡田委員 ですから、最初の質問に戻るんですが、新しいステージならなぜ東電は除染についての賠償を免責されるのかと聞いているわけです。

○今村国務大臣 それは、先ほどから言っていますように、東電が負担するのはここまでですということで、当初、そういう一つの線引きといいますか、考え方をしたわけでありますね。だから、東電はその範囲内で責任を負うということであります。

 今回は、さらにその上に、ある意味では追加的な新しいステージということでやりますから、それは国で、東電には求めないということで御理解願えると思いますが、いかがでしょうか。

○岡田委員 除染については、最終的には東電が責任を負うというのが最初の整理じゃないんですか。

 今回、一体的にやるとはいえ、除染も含まれている。なぜそこで東電が免責されるのかと聞いているわけです。

○今村国務大臣 ここで東電の負担を決めたときには、この地域は、そういった復興拠点等をつくる考えはなかったわけですよ。ですから、その範囲で東電の責任を求めたものであって、今回は、そういう環境変化、状況変化を踏まえて新しくここにつくりますということでありますから、それをさらに東電が負担するというのじゃなくて、これは、国が新しいそういう取り組みをするんだから国が負担するんですということで御理解願いたいと思います。

○岡田委員 全く答えていただいていないんですが、大臣の言われるのはあれですか……(発言する者あり)

○吉野委員長 時間をとめてください。

    〔速記中止〕

○吉野委員長 速記を起こしてください。

 岡田克也君。

○岡田委員 何度も同じことを聞いているわけですけれども、新しいステージに入ったから東電が免責されるというのが理解できないというふうに私は質問しているわけです。そこをちゃんと説明してくださいと。

 そのお答えが新しいステージに入ったからだというのでは、これはトートロジーで、答えになっていないじゃないですか。

○今村国務大臣 私の説明がちょっと簡単過ぎたのかもしれませんが、では、これまでの経緯を少し説明させていただきます。

 帰還困難区域は、当初、将来にわたって居住を制限することを原則とした区域と設定して、一つは、区域境界においてバリケードを設置し、厳しい立ち入り制限を行う、そして、除染は当面実施せず、ふるさとに長期間帰れないことを前提として賠償を行う等の対応を行ってきたわけであります、この区域についてですね。

 これに対して、帰還困難区域内で放射線量が低下していることや、帰還を希望される住民の強い思いを背景とする地元からの要望を踏まえて、従来の方針から前に踏み出し、新たに住民の居住を目指す特定復興拠点を整備することとしたということであります。

 こういう中で、この特定復興拠点の整備のうち除染事業については、本法案の特定復興再生拠点復興再生計画のもと、インフラ整備等々を一体的かつ効率的に実施するものであり、復興のステージに応じた新たなまちづくりを進めていく事業の一部となることから、国の負担のもとで行うとしたものであります。

 すっきり言えばそういうことです。

○岡田委員 ですから、事業を国がやることはいい、わかると言っているわけです。しかし、最終的な責任、そこまで東電を免責してしまっている理由が説明されていないということを言っているわけです。

 大臣、今、帰還困難区域というのは、当初、戻れないということで組み立てていたのが今回変わるんだというお話ですが、帰還が困難だとしても、それで東京電力の除染の責任が免除されたということにはなっていないはずじゃないですか。

○今村国務大臣 本当に繰り返しで申しわけございませんが、従来の進め方から、今回、いろいろな、先ほど言った地元の要望等々を受けて、新しいまちづくりをやるということなので、それについては国が前面に立ってやる、そして、その分の除染等の費用も国が持つということでこれは割り切った、そういうふうに政策判断をしたということであります。

○岡田委員 政治の判断の問題じゃなくて、これは法的責任の問題だというふうに思うんです。

 汚染者負担原則、これに例外を設けているのではないか、細野議員も本会議の中でそういう質問をしました。

 きょう、環境省、来ていただいていると思いますが、山本環境大臣は、今回の方針が汚染者負担の原則に矛盾するものでない以上、御指摘の懸念は当たらないというふうに答弁されました。どういう意味でしょうか。つまり、汚染者負担の原則というものは基本的には帰還困難区域にもかかっているという意味なのか、いや、それは外れているという意味なのか、どちらなんでしょうか。

○高橋政府参考人 お答えいたします。

 先日の本会議におきます環境大臣の答弁の趣旨につきまして、補足して御説明をさせていただきます。

 いわゆる汚染者負担の原則につきましては、環境基本法第三十七条におきまして、公的事業主体が公害防止事業を実施する際の費用負担につきまして必要な措置を講ずるということとされてございます。環境基本法は、環境法制における原因者負担制度を総括したプログラム規定でございまして、制度設計の詳細につきましては個別法に委ねられているということでございます。

 それを踏まえた上で、帰還困難区域の復興拠点整備は、それまでの方針から国として前に踏み出し、復興のステージに応じた新たなまちづくりとして実施するものであること、除染とインフラ整備を一体的かつ効率的に実施するものであることといったさまざまな事情を勘案した上で、除染特措法ではなく福島復興再生特措法に基づいて実施することとし、国費で実施するとの方針となったものでございまして、環境基本法の規定と矛盾するものではないと考えているという趣旨でございます。

○岡田委員 汚染者負担の原則の例外を設けましたということですか。

○高橋政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げましたとおり、環境基本法はあくまでもプログラム規定でございまして、個別の制度の設計については個別法に委ねられているという趣旨でございます。

○岡田委員 個別法に委ねられているといっても、基本的な考え方に反するようなことはできないはず。今回、なぜ汚染者である東電の責任が免責されているのかという説明は、新しいことをやるからというのは、私は全く説明になっていないというふうに考えるわけです。

 他方で、東電は、帰還困難区域については上乗せして補償しているということも言われることがありますが、そういう論理は、大臣はどう考えておられるんですか。

○今村国務大臣 そういう御指摘があるかどうかも含めて、もう少し勉強させてください。

○岡田委員 御指摘じゃなくて、閣議決定の中にはそういう表現が出てくるんじゃないんですか。(発言する者あり)

○吉野委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○吉野委員長 速記を起こしてください。

 今村復興大臣。

○今村国務大臣 先ほどから言っておりますように、これは一つの政策判断として、新たなステージ、新しいまちづくりということで取り組むわけでありますから、そういった意味で国の負担でするということ、これを重ねてお答え申し上げます。

○岡田委員 そうしますと、政府が決定した基本指針の中には、「東京電力は帰還困難区域の全域・全住民に対して、当該区域での居住が長期にわたってできなくなることを前提として、賠償を既に実施してきている。」という表現がありますが、ここはどういう位置づけになるんですか。

○今村国務大臣 東京電力が賠償していることのみならず、復興のステージに応じた新たなまちづくりとして復興拠点を整備するということでありまして、先ほどから言っているように、政策的な判断として、国の負担のもとで除染を行うということであります。

○岡田委員 除染を行うのはいいんです。最終的にそこの費用をどこが負担するかということを議論しているわけです。

 先ほどの基本指針に基づいて、賠償を既に実施してきているということを理由にしてしまうと、帰還困難区域、今回の特定復興再生拠点区域に指定された以外の帰還困難区域全域について、東電は免責されるということになるんじゃありませんか。

○今村国務大臣 ですから、これについては全てではなくて、まず、復興拠点をつくるところについて、そこを中心に除染を行うということになってくるわけであります。

○岡田委員 では、基本指針になぜわざわざこんな、先ほど私が述べた表現が書かれているわけですか。(今村国務大臣「ちょっと済みません、もう一回」と呼ぶ)

 先ほど言いましたように、政府の決定した基本指針の中には、「東京電力は帰還困難区域の全域・全住民に対して、当該区域での居住が長期にわたってできなくなることを前提として、賠償を既に実施してきている。」これが一つの理由であるかのように挙げられているわけですね、国が賠償する東電を免責することの。

 この論理を受け入れると、今回の特定復興再生拠点区域以外の帰還困難区域全域について、もう既に東電は責任を負わないということになりかねないんじゃないですかということを聞いているわけです。

○今村国務大臣 まずこの復興拠点についてやるということでありまして、今言われました、では、県内のほかの地域についてどうするかということ、これは今後の一つの検討課題というふうに考えております。

○岡田委員 復興拠点外の取り組み、その費用負担については今後の検討課題であるというのは、大臣の本会議における御答弁です。

 取り組みについてどうするかというのは政策判断の問題だと思いますが、その費用負担について、これは政府が自由に決められることなんですか。本来、法的に責任を負っている東京電力、それを、よくわからない、先ほど言った新しいステージに入ったというような曖昧な理由で免責してしまっていいんですか。

○今村国務大臣 この帰還困難区域の復興再生、これを加速していくためには、やはり東電任せだけではなくて国も前面に出る必要がある、そういうことで、先ほど来、新しいステージ、それについての国の負担ということも言っているわけであります。

 この国の負担とする考え方は今申したとおりでもありますし、それから、福島特措法に規定された、原子力政策を推進してきた国の社会的な責任を踏まえ、原子力災害からの福島の復興及び再生を継続的かつ迅速に実施する責務を有するというこの精神、これは委員も当初申されたわけでありますが、それに沿うものであるというふうに思います。

 それに加えていろいろ地元等からの要望等もあって、今回そういった判断に踏み込んだ次第であります。

○岡田委員 確認しますけれども、この基本指針の中にある「賠償を既に実施してきている。」ということは、これは帰還困難区域全体に対する東電の免責を意味するものではない、そこは確認していただけますね。

○今村国務大臣 今申しましたように、この特措法のここに掲げる精神にのっとってやるということであります。

 今後、具体的なケースもまた出てくるかもしれませんが、そういったものについては今後の検討課題ということで対応していきたいと思います。

○岡田委員 私は何でこういう議論をしているかといいますと、安易に東京電力を免責してしまう、しかし国には予算に限りがある、そういう中で、結局、復興が進まないんじゃないかということを非常に懸念しているわけですね。

 本来、法的責任を負っているものを、私に言わせればよくわからない理由で、だって法律には何も書いてないわけですから。単に国が責任を負うということだけ書いてあって、理由も何も書いてないわけですね。そして、閣議決定の中ではいろいろな理由が書いてあって、どれが本当の理由かよくわからない。果たして東電がもう既に賠償しているからいいのかというふうにも読まれかねないということでは、これは将来大きな禍根を残すことになるのではないか、そういう趣旨で質疑をしているわけです。

 帰還困難区域全域について東電の責任は残っているということは確認させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○今村国務大臣 その辺は、今後の帰還困難区域をどういうふうにしていくかということに沿っていろいろ検討していきたいというふうに思います。

○岡田委員 これからいろいろな検討をしていく中でまた議論することになるでしょうが、基本的に除染の責任というのは東電が広く負っているわけですから、帰還困難区域だからといってその責任が免れるものではない、そのぐらいはちゃんと言わないと、本当に東電は免責されることになりますよ。

 誰が責任を負ってやるんですか、これから。

○今村国務大臣 東電のいろいろな能力といいますか、そういったものもあるわけであります。そういったものも勘案しながら、やはり国が前面に出る部分は出るというようなことも考えなければいけないということで、今回のこの対応、この特措法の第一条にのっとって、そういった政策判断でやろうということであります。

○岡田委員 東電も非常に厳しい状況にあることは理解しますし、当初、法的整理をしないということを決断したのはやはり補償ということが念頭にあったからだ、そこは私も認識を共有しております。

 ただ、だからといって、無限定に責任を、帰還困難区域全域についてこれから検討します、検討課題だ、つまり、東電に一義的に責任があるということすら認めないということでは、これは私は政府としていかがなものかと。そして、もしそう言うのであれば、では、国がきちっとその責任を負います、財源はこういうものを用意します、例えば、当初行ったように所得税、法人税を復興のために引き上げます、そういうところまで伴っている、そういう覚悟があるのならわかりますが、一方で東電を免責し、そして国の財源については、将来については明確でない、こういう無責任な状態、私は認めるわけにいかないんですよ。

 だから、東電の責任は一義的にはかかっているということは、はっきりおっしゃるべきじゃないですか。

○今村国務大臣 この帰還困難区域を今後どうするか、そのいろいろな範囲とか、その進め方はこれからいろいろな話が出てくると思います。それに応じて国の予算なりなんなりはどうするんだということであるわけでありまして、そういったことを踏まえながら、今後、予算の規模なりなんなりも対応していくということになると思います。

 以上です。

○岡田委員 そのことを私は否定しているわけじゃないんですが、一義的には東電に、除染の費用について、それを賄う責任がありますね、それは帰還困難区域も基本的にはそういうことですねということを申し上げているわけです。

 それすら否定されるんですか。

○今村国務大臣 ですから、当初決めた枠組みの中で対応していく、そして、新しいこういった復興拠点づくり、あるいはこの困難区域等々についてはどうするんだということをこれからはもう少し具体的な検討を進めていくということで、そういう中でいろいろな対応はまた変わってくる、決まっていくというふうに思っています。

○岡田委員 当初枠組みを決めたのは、それは帰還困難区域についてはなかなかもとに戻ることは難しいということもあって、東電の除染の責任については言及されていないだけであって、基本的には責任は法的に負っているというふうに考えないとおかしいんじゃないんですか。

○今村国務大臣 決して、今言ったように、免責をしているというわけではないわけであります。先ほどから言っているように、今後の検討課題ということで、御理解願いたいと思います。

○岡田委員 検討課題じゃなくて、基本的には責任を負っていると。

 もちろん、将来、今回のように、いろいろ国が前面に立って復興していく、そういう中で、費用について、東電の一義的な責任という大きな枠の中でいろいろな展開があるというのなら私も理解しますよ。だけれども、一義的に全部、帰還困難区域についてこれからの検討だと言って、東電の一義的に負っている責任を免責してしまっているのは、私は非常に問題じゃないかと思いますが、もう一度確認します。

○今村国務大臣 先ほどから言っていますように、免責はしているわけではありません。これははっきり御理解ください。

 その中で、この復興拠点については、いろいろな状況を鑑みて、国の予算で、責任でやっていくということであります。免責しているというわけではないということは、はっきり申します。

○岡田委員 免責しているわけではないということは、一義的には、帰還困難区域についても、除染に当たったその費用について東電が責任を持つというのが基本的な原則である、そういう認識ですね。

○今村国務大臣 ですから、先ほども言いましたように、今後この帰還困難区域をどうするかということ、これについて、その中の費用負担についてもこれからの検討課題でありますということを申しているわけであります。

○岡田委員 基本的な考え方についてしっかりしないと、だんだんだんだん、極めて責任の所在が不透明になって、それで復興が進むのならいいんですが、私は逆だというふうに思うから質問しているわけです。

 では、同様の事例で、除染特別地域の今後の除染についてお聞きしたいと思います。

 除染特別地域における除染は終了したと一部のメディアは伝えましたが、これは極めて誤解を招く発言だと思うんですね。除染特別地域における環境省の定めるガイドラインに沿った除染が終了したということであって、まだ除染特別地域においても除染すべき地域は私は残っているというふうに考えるんですが、そういう認識は共有されますか。

○今村国務大臣 これは、いろいろな山林等々、そういったところがあるということは私も認識しております。

○岡田委員 どこまでやるのかというのは、これから議論していかなければなりません。

 全てというのは、私は大きな困難を伴うというふうに思うわけですが、今、林縁から二十メートルまで除染するというのは、私はかなり問題が残るというふうに思うわけです。町中でも里山があれば二十メートルまでしか除染されていないということでは、私は、その里山に子供たちが立ち入ることすらできなくなってしまう、それが町の中にある、そういう事例だってあると思うんですね。

 したがって、これはこれからしっかり議論していかなきゃいけないということだと思います。

 その際に、その費用はどこが持つんですか。

○今村国務大臣 この除染は、いわゆる除染特措法に基づくものでありますから、費用は東京電力に求償されるというふうに思っております。

○岡田委員 どの範囲でやるかということはありますが、基本的に、原子力損害賠償法三条に基づいて東電が負うという認識でよろしいですね。もう一回確認します。

○今村国務大臣 そのとおりであります。

○岡田委員 除染特別地域は原賠法三条で東電が責任を持ち、帰還困難区域はこれからですというのは、私には整合的な御答弁だとは思えないわけですね。この点はさらにしっかり議論していきたいというふうに思います。

 そこで、除染費用の全体像ということになります。

 先般、十二月の原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針によりますと、除染費用は二・五兆円から四・〇兆円に増加するということになっています。しかし、この中には、先ほど大臣もお認めになった除染特別地域におけるさらなる除染というのは含まれていないんじゃないですか。

○今村国務大臣 帰還困難区域における復興拠点は、改正法の成立の後に、まずは各市町村において具体的な場所や規模等を検討していくというふうになってまいります。

 そして、この改正法案は復興拠点の復興再生を推進するということを具体化したものであって、復興拠点外の取り組みについては、先ほどから言っていますように、今後の検討課題であると認識しておりまして、この除染費用につきましては、農地や宅地などの土地利用、あるいは建物、そういったものの状態、放射線量、労働単価等によって変動してまいるものでありますから、除染を行う範囲や時期等が定まらない限り、この辺での、帰還困難区域全体での費用の算定というのはなかなか難しいんじゃないかと思っております。

 以上ですか。

○岡田委員 私は、帰還困難区域の質問をしているのではなくて、除染特別地域における、先ほど大臣御自身がお認めになったさらなる除染、これについての費用というものは、この四兆円の中に含まれていないんじゃないかと聞いているわけです。

○長沢副大臣 大臣の答弁に補足をさせていただきます。

 今大臣の答弁されたとおりのことなんですが、除染、汚染廃棄物処理に要する費用として見込んでいる四・二兆円、これには、今後、いわゆる特定復興再生拠点区域、この帰還困難区域の中につくる特定復興再生拠点区域で実施される除染費用は含まれておりません。

○岡田委員 私が聞いているのは、帰還困難区域の話じゃなくて、今の除染特別地域。先ほど大臣は、まだまだ、例えば森林とかですね、もちろん全てはできないということですけれども、今回、除染が終了したのではなくて、まだやらなければいけないところは残っているというふうに御答弁になりましたから、そこの費用は今回の基本指針の中に含まれていないんじゃないかということを申し上げているわけです。

○高橋政府参考人 環境省が実施する除染でございますので、御答弁させていただきます。

 先ほど復興大臣が申し上げられたとおり、除染特別地域の中で今後行う里山除染等につきましては、東電に求償するということでございますし、先般の四・二兆円の見通しの中に含まれているものでございます。

○岡田委員 基本指針、四・二兆円の中に含まれているということですと、そうすると、どこまで除染するかという基本的考え方はもう既にまとまっているということですね。

○高橋政府参考人 森林の除染でございますけれども、これは、広範囲にわたって実施をしますと、生態系、森林を破壊し、土壌の流出とか地力の低下等、悪影響を及ぼすということが懸念されておりますので、技術的に難しい部分はございますけれども、昨年三月に、これは、復興庁、林野庁、環境省で取りまとめました総合的な取り組みに基づきまして、例えば、住居等の周辺や日常的に人が立ち入る場所につきましては、一部、二十メートル以遠でございましても除染を実施するという考え方をまとめてございます。

 この考え方に基づきまして進めていきたいというふうに考えております。

○岡田委員 今おっしゃったのは、これはモデル的にやっているという段階じゃないですか。それを踏まえて、どういう考え方で二十メートルを超えるところについて除染するのかということは、きちんと決まっているんですか。

○高橋政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、今、モデル事業というのを十カ所でやってございます。そういう結果も踏まえて、今後、各市町村の状況を踏まえながら進めていきたいというふうに考えております。

○岡田委員 ですから、今の答弁は極めていいかげんだったということですよね。まだモデル的にやっていて、どこまでやるかはこれから決める。まだ決まっていないのに、なぜ四・二兆円の中に含まれているということが言えるのか。私は、全く支離滅裂の答弁だというふうに思いますよ。

 私は非常に懸念するのは、言葉が先走りして、そして、東京電力について帰還困難区域などについては免責するような話も出ていて、そうすると、結局、今回のこの予算の枠の中におさまらないわけですけれども、そのおさまらない部分についてどう負担するのかという議論が全く欠落している。つまり、現実的な姿になっていない。

 やはり将来どこまでどうするのかということを明示して、先ほど与党の議員の方からも、きちんとビジョンを示せというのがありましたけれども、きちんとそういった姿を示して、そのための費用負担、今の枠組みの中では足りないのであれば、それは、私は、基本的に国民負担ということにならざるを得ない。そうであれば、例えば、当初行ったように、所得税、法人税の増税ということでお願いしました。それがさらに上積みが必要とされるということなら、そのことも国民に正直に申し上げるべきだし、そういったことが極めて不透明なまま、とにかくやりますということで進んでいる現状は極めて問題だということを申し上げておきたいと思います。

 終わります。




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