岡田克也代表定例記者会見(3月25日)
岡田克也 代表記者会見
2016年3月25日(金)16時46分~17時26分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
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■冒頭発言
○新党「民進党」の結党に当たって
■質疑
○新党「民進党」の結党に当たって
○新党の人事について
○自民党・大西議員の「巫女のくせに」発言について
○18歳選挙権・若者への政治的コミットメントについて
○衆議院選挙制度改革について
○社会保障と税の一体改革について
○女性議員の増加に向けた取り組みについて
○安保関連法廃止法案について
○新党「民進党」での記者会見について
○岡田代表の目の状態について
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■冒頭発言
【司会・辻元清美役員室長】
それでは、ただいまより岡田克也民主党代表会見を行いたいと思いま
すが、民主党としては最後の会見になります。皆様、よろしくお願いいた
します。
それでは冒頭、代表のほうからお願いいたします。
○新党「民進党」の結党に当たって
【代表】
民主党代表としては最後の会見になると思います。
1998年に結党以来18年間、今日まで民主党を支えていただいた全
国の党員・サポーターの皆さん、そして地方議員の皆さん、関係者の皆
さんに、心からお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
この間、いろいろなことがありました。私も18年間、政治活動をこの民
主党の中で行ってきました。自民党の一強体制を崩す、それに代わる政
権をつくるという本格的な試みとしては新進党が初めてだったと思います。
その前の社会党は、候補者を過半数立てることはなかった。しかし、そ
の新進党の試みが短い期間で、突然の解散でなくなり、そして民主党結
党となりました。
今でも思い出すが、大きく言って三つのグループが一つの民主党にな
った。「旧民主党」、そして「民政党」、そして「新党友愛」という三つのグ
ループで、まず綱領を作ろうと、枝野幸男さんが旧民主党から、川端達
夫さんが新党友愛から、そして民政党から私が出て、3人の政調会長
がたしか2日間ぐらいかけて議論しながら綱領を作ったことを思い出し
ます。川端さんは知らない人ではなかったが、枝野さんは、その時には
まだあまり交流がなく、どういう考え方をするのか、やや未知数のところ
がありました。しかし3人で話してみて、かなり共通点があるとわかり、
少しホッとしたことを思い出します。それが民主党のスタートです。
政権を担える政党をつくるために、さまざまな試みもしてまいりました。
この時期、例えば議員立法は、実はほとんどは政府が作った、しかし政
府・閣法にはできないものが議員立法という形で出てきていた。本当の
意味で国会議員がつくる議員立法はほとんどない中で、民主党が先鞭
をつけて(国会議員がつくる)議員立法が当たり前になった。
もう一つは、「ジバン」も「カンバン」も「カバン」もない、そういう人達、
若者が公募を経て政治家になる、国会議員になる道をつくった。これら
が民主党の政権を担うまでの一番大きな功績ではないかと思っており
ます。
政権時代の3年3ヵ月も、できたこともたくさんありますが、非常に苦
しい、反省の多い3年3ヵ月でした。特にリーマンショックのどん底から、
我々、政権を担い、それから何とかして少しでも立ち上がる、その過程
でまた東日本大震災、福島の原発事故が起きるという中で、苦しい思
い出が多い3年3ヵ月であります。最終的には党の分裂という事態も招
きました。
その後、海江田万里さん、私と、民主党の再生に努力してまいりまし
た。この3年数ヵ月間を振り返って、どこまでできたのかなという感はあ
りますが、私は確実に民主党再生に向かって進んできたことは間違い
ないと考えております。
このたび、その民主党から民進党ということで、野党勢力の再結集と
いう大きな一歩を決めることができたのは、本当によかったなと思って
おります。この民進党結党も、1年間かけて長い道のりでしたが、いろ
いろな障害を乗り越えて、最終的にはいい形で結党の日を迎えること
ができるのではないかと思っております。
これまでの皆様のご理解・ご支援に心から感謝申し上げたい。そして
結党の日以降、民進党でもう一回、国民の皆さんに信頼され、そして
日本の政治の本流を担える、そういう政党をつくっていく、そのために
しっかり努力していきたいと思っています。
■質疑
○新党「民進党」の結党に当たって
【フリーランス・宮崎記者】
民主党の18年、点数をつけると100点満点中、合格点、及第点、落
第点、いかがか。
【代表】
難しいですが、合格点だとは思います。つまり戦後政治の中で、選挙
を通じて自民党政権を倒し政権交代を成し遂げたという意味では、今
までにないことですから。それを成し遂げた政党であるという意味では
合格点だと思います。ただ、もちろん反省すべきものはたくさんあります。
【朝日新聞・村松記者】
98年に民主党を結党した時は、「市民が主役の政治」ということで、
中間層を代表するような政党にすることを目標にされていたと思う。今、
その中間層がボリュームがかなり少なくなっていて、一節には分断さ
れていると、なかなか統合しにくいと言われている中で、民進党はどう
いう人々を代表する政党にしたいと思っているか。また、そういう分断
された個人、中間層の民意をどのように汲み取っていくのか、お考え
を伺いたい。
【代表】
まず事実関係から言うと、「市民が主役」というのは旧民主党のキャ
ッチフレーズで、民主党はそういったキャッチフレーズを使ったことは
ありません。
今のお話ですが、中間層が確かに少なくなっている、薄くなっている。
少なくとも「一億総中流」などと言われた時代は遠い過去のものになっ
ています。しかし我々は、その中間層をもう一回分厚くする、そういう
政党でありたいと思います。同時に、二極化が進む中での、所得の少
ない人達の底上げということが我々の役割だと考えています。民進党
は、そういう二つのことを同時にやっていかなければいけない。そうい
う政党だと思っています。
【読売新聞・中田記者】
代表は先日も今も「日本の政治の本流を担える政党をつくっていきた
い」とおっしゃっているが、代表の中で「日本の政治の本流を担える政
党」とは具体的にどういうイメージなのか伺いたい。
【代表】
まさしく「本流を担う」ということなのです。今、安倍自民党がかなり右
に寄って、多くの、従来自民党の支持層であった人も含めて、あるいは
無党派層といわれる人達が「支持政党なし」と、取り残されていると思い
ます。そういったところも含めて、国民の大半の皆さんから、もっと言え
ば左右の極端な考え方を除いた大半の皆さんから支持される、そうい
う政党を目指したいということです。かつての自民党で言えば、まさしく
宏池会的な考え方をしていた人達、保守リベラルと言われた人達、そ
ういう人達も含めて支持される政党でありたいと思います。
【東京新聞・宮尾記者】
先ほど、98年に民主党をつくった時の三つのグループという話をさ
れたが、その後、自由党と一緒になって、その時の民主党はかなりウ
イングの広い政党になっていたと思うが、今回、民進党になって、旧み
んなの党の人達がかなり入る。その中には自民党にも民主党にも属
したことがないという、今までにないカラーの人達かなという気もする
が、民由合併の時に比べて今回の合流はさらにウイングが広くなった
とお考えか。
【代表】
民由合併と比較されると話がしにくいのです。民由合併とは何かと
いう、そもそもの議論がありますから、その話は横に置いて。
今回、旧みんなの党、あるいは旧結いの党の皆さんも含めて民進党
をつくるということですが、私は全く違和感がない。もちろん、若干新自
由主義的な考えもあるかとは思いますが、むしろ旧結いの党の皆さん、
特に若手の皆さん、非常に改革志向が強い。私から見ても、ぜひ育て
たいと思っている議員がたくさんいます。これは民進党にとっても大き
な財産だと思っています。
【フリーランス・宮崎記者】
今日の政局とは関係ないが、98年の時、「民主中道」「政権交代可
能な政治勢力の結集」と、お三方が作った綱領には入っていた。その
「民主中道」という言葉の意味は、正直、何か高邁な理想ではなくて、
今、公明党という名前で再結集した議員や政治勢力のことをなるべく
引っ張りたいという考えが「民主中道」という言葉にあったのではない
かと、98年当時、私、新党友愛の番記者として、日経新聞の政治部
記者として取材していたころは思ったが、そういった認識は当時と違
っているか。
【代表】
それはないと思います。少なくとも一緒の党になろうという発想はな
かったし、その可能性もなかったと思います。ただ、当時は公明党も
当初は野党、つまり自民党と連立を組むという前の段階でしたので、
そういう意味で公明党の連携も可能性としてはあったと思いますが、
なにかそれを明確に意識して「民主中道」という言葉を使ったわけで
はないと思います。私、先ほど「日本の政治の本流」を行くと申し上
げましたが、ほぼ同じような意味で使っているのだと思っています。
先ほどちょっと言い忘れたのですが、今の自民党を見た時に、や
はり相当右に寄っているということはもう疑いのない事実で、この前、
ある場所で、民主党も、例えば安倍政権と外交安全保障政策とい
うのはそう変えるべきではないのではないですかというご質問をい
ただいた時に、私がパッと思ったのは、いや、安倍政権でなければ、
昔の自民党であれば、そういう議論はあったかもしれないと。
その時も申し上げたのですが、私、自民党を出て以来、定期的に
通ってお話をさせていただいた政治家が2人います。それは後藤田
正晴さんと、宮澤喜一元首相なのですね。このお二人と私の考えは
ほとんど違わないのだと、今でも思っています。ただ、自民党のほう
が勝手に右のほうに行ってしまった。右のほうに行ってしまった自民
党ですから、自民党の中ではリベラル的な考え方を持った人達も含
めて、この民進党にしっかりと結集していく。そういったことが必要な
ことだと思っています。
【テレビ朝日・河村記者】
投票率がどんどん下がって、政治自体に非常に関心が薄い人、い
わゆる無党派層といわれる人などが増えているように思えるが、久
々に野党の中でバラバラになるのではなく結集するという動きの民
進党という中で、政治から興味を失ってしまって投票に行かないよう
な人達を、もう一度政治というものに取り戻していく、そういうことをど
ういうふうに具体的にやっていこうと思っていらっしゃるか。
【代表】
もちろん主張が明確でわかりやすいということもありますが、最近
の国政選挙で投票率が下がっているのは、自民党が勝つのがわか
っている中で投票に行かない人が結構いらっしゃるのだと思います。
その原因の一つは、野党が分裂していて、とても勝てないという状況
です。今回の民進党の試みは、そういう野党が結集して一つになると
いうことです。そのことと、野党5党が、これから4党になりますが協力
する、その二つの点で、従来とはかなり変わってきていると、国民の
皆さんが期待していただけるだけの条件が今できつつあると私は思
います。
ぜひ、今度の選挙は投票率を上げて、そういう中で結果を出してい
きたいと思います。ダブル選挙も、そういう観点から言うと、決して悪
いことではないと思います。投票率が上がれば、どちらに有利に左
右するかというのは、それはいろいろな可能性があるわけであって、
我々はもしダブル選挙になったとしてもしっかりと、高い投票率の中
で、自民党を強く支持している人以外のところの支持をいただいて、
いい結果を出していきたい。その可能性はあると思っています。
【「FACTA」・宮嶋記者】
岡田さんは1年ちょっと前に、「私も変わる」とおっしゃって代表にな
った。私の感覚的には、半年ぐらいあまり変わらなかったが、ここ最
近、岡田さん自身が変わったと思うが、そういう意識があるのかどう
か。その先の民進党で、ただの看板のかけ替えで終わるのか、いよ
いよ変わるのか――変わった感という意味では、どれぐらい変わった
とご覧になっているか伺いたい。
【代表】
途中で変わったとは思わない。最初から変わっていたとは思います
が、それは主観の問題です。
我々は民進党という中で、本気で政権を目指していく。もちろん参
議院で結果が出なければそれは夢物語に終わります。まず参議院
でしっかり結果を出して流れを変えて、そしてそれを一つの基礎にし
て、次の総選挙では政権を取りに行く。そういった本気度を国民の皆
さんに感じていただけるように頑張りたい。もちろんダブル選挙にな
ればそういう話ではなくて一遍に来るが、もう一回、二つの政党がお
互いに競い合い、政権を担う、政権交代がある政治を実現したいと
考えております。
【NHK・花岡記者】
先ほどの発言の確認だが、自民党の中でもリベラルな考えを持っ
ている人達ということに言及されたが、要するに民進党というのは野
党勢力の結集ということを代表は掲げられているが、自民党の中で
も安倍総理とは違う考えの人達にも結集してほしいと考えているのか。
【代表】
ほしいかどうかという話ではない、相手のあることですから。ただ、
やはり日本の今の政治に対して危機感を持っている人は、あちこち
にいらっしゃるはずだと、与党の中にもいるはずだと思っています。
立憲主義・平和主義をないがしろにする、そういった安倍政権の考
え方、それからこれだけ格差が広がっている現状を放置している今
の政権のあり方、そういうものに対して危機感を持っている全ての
人に対して私は結集を呼びかけたいと考えています。
【フリーランス・安積記者】
明後日の結党大会で、例えば選挙的に協力をしているというか、
例えば社民党とか共産党とか、そういったところから来賓とか、招待
はあるのか。
【代表】
政党は、特に今回はお声をかけておりません。
【フリーランス・堀田記者】
先ほど岡田さんが、結集してもらいたいと。ということは自民党に
呼びかけるわけか。
【代表】
自民党という特定のことを言うつもりはありません。しかし、今の
現実、現状に対して危機感を持つ、そういう人達に結集を呼びかけ
るということです。
【フリーランス・堀田記者】
結集を呼びかけるのは結構だが、岡田さんの時に山口さんとか
松本さんが離党した。岡田さんの民主党代表の時に、自民党から
来た人はいない。これをどう思われるか。
【代表】
与党・自民党から出てくる人はあまりいないでしょうね。過去の例
を見ても、我々は与党・自民党を出たのですが、そういう人は非常
に少ないということだと思います。しかし、より危機感が募ればそう
いうことはあるかもしれません。
それから離党した2人、これは非常に残念ですが、そのことは基
本的にはご本人達の判断ということだと思います。
【毎日新聞・影山記者】
昨日、連合の神津会長と会談されたと伺っている。民主党から
民進党に名前が変わるということで、連合の中には民主党という
名前を残してくれという要望が強かったと思うが、連合に対して、
民進党と名前が変わることについて、これから理解を求めるのか、
それとも以前から理解を求めていたのか。昨日の会談のことも
含めて伺いたい。
【代表】
個々のそういったことについて、私から連合会長に申し上げる
ことはありません。ただ、新しい党になるわけですから、重要な支
援団体である連合の皆さんに現状を説明し、これから民進党とし
て何を目指していくかということについてお話をしたということです。
【「FACTA」・宮嶋記者】
岡田さんは民主党で代表2回、幹事長3回、それから外相・副
総理をやって、これは幕引き会見だが、仮に私がここで色紙を出
して「今の心に去来する言葉を書いてください」とお願い申し上げ
たら、何と書いていただけるか。
【代表】
やはり「政権交代ある政治」と書くでしょうね。25年間変わらず。
まだ1回しかできていないですから、安定的に政権交代できる状
況にはなっていませんので。
○新党の人事について
【ジャパンタイムズ・尾崎記者】
山尾志桜里さんを政調会長に任命する予定だという報道があ
るが、そういったことでよろしかったか。
【代表】
人事は27日の党大会で正式に決まります。まだ私自身も代表
になるかどうかというのは決まっていませんので、したがって人事
権もない。だから、今決めるような状況にはありません。
【J-CAST・工藤記者】
山尾議員の件で、人事とは別に、代表として、山尾議員はブログ
の問題等で脚光を浴びたわけだが、働きぶりとか、そのあたりを
代表としてどういう評価をされているか。期待感とか印象とか、そ
のあたりを含めて伺いたい。
【代表】
山尾志桜里さんが初めて出た時、そして落選中、私も隣の県で
近いということもあって、何度も応援に入ったりしています。しっか
りと子育てと政治活動を両立させながら非常に成長してきた、期
待の人材だと思っています。
【共同通信・関記者】
確認だが、先ほどの新党協議会の中では合併協議書に両代表
でサインをしたということでよろしいかということと、人事に関しても
一定の合意、あるいは話題に出て話をしたのか、どういった段階
なのか伺いたい。
【代表】
協議書はサインをいたしました。それは提出書類として必要です
ので、事務的なものです。
それから人事は、前回の協議会で私と松野代表に一任されまし
たので、2人で相談をして、概ね合意に達しています。ただ、決め
るのはあくまでも党大会です。党大会では、代表、代表代行、幹
事長、政務調査会長、国対委員長、選対委員長、このぐらいまで
は大会に提案して了承を得たいと思っています。
○自民党・大西議員の「巫女のくせに」発言について
【北海道新聞・津田記者】
昨日、自民党の大西英男議員が、北海道5区補選の応援に入っ
た際に自民党を支持しないとした神社の巫女さんについて、「巫女
のくせに、なんだ」と発言したことに対して、何か受け止めがあれば
伺いたい。
【代表】
コメントするのも政治家として恥ずかしいと思います。ただ、そう
いう形で政治に対する信頼が失われていくとすれば、それは非常
に残念なことだと思います。自民党の中でしっかり対応していただ
きたいと思います。
○18歳選挙権・若者への政治的コミットメントについて
【産経新聞・松本記者】
今度新しく選挙権を得る18・19歳の海外に在住している若者を
念頭に置いたアピール策なり投票の喚起に向けた方策なり、党内
で検討していることがあれば伺いたい。
【代表】
18歳選挙権プロジェクトチームが党内に設置され、高校生を中
心にいろいろ働きかけを行っていますが海外まで手が届いている
かどうかは、私も報告を受けておりません。18歳・19歳以外も含
めて、やはり海外の有権者に対して、参議院選挙に向けてどうい
う働きかけをしていくかというのは、まだこれからの課題だと思い
ます。
【フリーランス・安積記者】
民主党はこれまでもLINEを通じて、女子高生とかいろいろとこ
ろに、合流とかされてきたわけが、どうも今までの発表を見ている
と、特定のジャンルの、特に女子高生とかそういったところに偏っ
ている感じがする。これは選択にかなりバイアスがかかっている
のではないか。すなわち地味な男子に対してほとんどアクセスが
ない状況があって、言ったら、私から見ると、やや派手目の女子
高生にやたらアピールしているおじさん、というイメージがあるが。
【代表】
その「おじさん」というのは、枝野さんというおじさんですか?
私は品川の女子校に、蓮舫さんと一緒に行きましたが、その後、
東海高校、これは男子校に行っています。私はニュートラルで、
男女平等にと思っていますけれども。
○衆議院選挙制度改革について
【NHK・花岡記者】
公明党は今日の党内の部会の中で、国勢調査については1
0年ごとの国勢調査をもとにすると。ただ、それは2010年なの
か2020年なのかということについては結論を出さずに、議長
裁定に委ねる考えをまとめた。民主党としては2010年をもと
にということがベースとしてあると思うが、この間、2010年・20
15年・2020年、いろいろな国勢調査の年次の話が出てきて
いるが、この導入時期について改めて伺いたい。
【代表】
基本的な考え方は変わっておりません。我々は2010年とい
うことを申し上げている。ただし、公明党が2015年と言ってお
りましたので、そのことも可能性としては排除しないというのが
我々のスタンスで、公明党が2015年ではなくて2010年か2
020年だとおっしゃるのであれば、もう一回議論はそこに戻る
のだと思います。これから各党間で議論する、現時点でそれ以
上のことを申し上げるつもりはありません。
ただ、いつも私、申し上げているように、区割り改定法の本則
に都道府県の議席配分の基準を明確に書く。これは「アダム
ズ方式」の中身を法律で書くということになるが、そういうことが
しっかりないと、本当にアダムズ方式が導入されるのかどうか
すらわかりませんので、そのことが大前提だということは強く申
し上げておきたいと思います。
【NHK・花岡記者】
自民党は2020年ということで方針をまとめつつあるが、20
20年となると導入時期についてはさらにその後ろ倒しとなる。
そうすると「違憲状態」が長く続くわけだが、民主党としては20
20年の国勢調査をもとに導入するのはハードルが高いのか。
【代表】
基本的に「違憲状態」という判決が出る可能性は非常に高い。
もし自民党が「そうでない」と言うのであれば、どういう考え方な
のか説明する責任がある。
先ほど言ったようにきちんと区割り法に基準を明確に書くと
いうことは、一つの材料にはなるかもしれませんが、それを書
いたからといって、それで最高裁がそのことをどこまで斟酌す
るのかという問題があると思います。
もう一つは、当面どうするのか。「6減」案を自民党案が提案
されていて、「アダムズ方式」を先食いして、つまみ食いして「6
減」やるというお話のようですが、それがはたして「アダムズ方
式」を導入したことになるのかどうかも、ぜひ自民党の説明も
しっかり聞きたいと考えています。
○社会保障と税の一体改革について
【時事通信・小松記者】
野党の中で、野党共闘で消費税の来年4月の10%引き上
げを凍結する法案を出そうという動きがあるが、これに対し
ての考えを伺いたい。
【代表】
そういうご主張の野党があることは承知していますし、そう
考える政党が法案を出されることはもちろん自由です。
わが党としては、今まで申し上げてきているように、さまざ
まな前提をしっかり満たすための努力をすべきだと申し上げ
ている。無条件に消費税を上げることをやめるべきだとか、そ
ういうことを言っているわけではない。これからの経済状況、
あるいは安倍総理の国会などにおける説明、そういうものを
見極めつつ、最終的にどうするかということを決めていくこと
になると思います。
○女性議員の増加に向けた取り組みについて
【日本経済新聞・宮坂記者】
加藤勝信一億総活躍担当大臣が、各政党に女性候補者の
数値目標とか行動計画について働きかけを行いたいというこ
とを表明して、実際にまず公明党に働きかけるということがあ
ったようだ。政府の立場にある人間が各党に対してこういう、
女性の活躍とか候補者擁立を働きかけることについてどう受
け止められるかということと、新しく民進党で臨むこれからの
選挙、女性の候補者擁立。今まで民主党では取り組んでき
たと思うが、どうされたいかということを伺いたい。
【代表】
その報道に接して、違和感を持ちました。やるのならば、
まず与党をちゃんとやられたらどうか。特に自分の足元、自
民党をです。
わが党は女性議員の割合という意味では、地方議員は自
民党よりも、絶対数では残念ながら少し負けてしまっている
が、割合でいうとわが党のほうが高いと思います。常に私も
申し上げているが、地方議員、次回の統一地方選挙では
(女性の)候補者の数を倍増すると。そうすると、そのうちの
かなりの部分が当選すると3割に届きます。
なぜ地方議員を重視しているかというと、そこからまた国政
を目指す人が出てきてくれると思っているからです。国政選
挙で女性の候補者を立てていくことも大事で、新党規約にも
そのことは書きこんだが、もう少し草の根で変えていく努力も
同時に必要だと考えています。地方議員、市町村議会議員
と都道府県議会議員で女性の数が増えて、その中で国政を
目指す人がどんどん手を挙げてもらうというのが、私の描い
ている一番の姿ですね。
○安保関連法廃止法案について
【産経新聞・松本記者】
安全保障関連法案の廃止法案だが、いまだに審議入りし
ていない。与党が審議から逃げているのではないかという見
方もあるようだが、与党の姿勢をどう思うか。もう1点、おお
さか維新の会がつるしているというのも一つ状況としてある
かと思うが、このおおさか大阪の姿勢をどう見るかという、2
点を伺いたい。
【代表】
おおさか維新の会のことを、一々コメントしないほうがいい
と思います。それは国会の中の話。何か言えば、またそれ
に対して反応が返ってきますので、基本的にあまり言わない
というのが私の方針です。
それから残念ながらまだ審議は進んでいませんが、各委
員会の中でこの法案の取り扱いをしっかり決めて、取りか
かってもらいたいと思います。
この廃止法案もそうですが、既にこの法案が施行されるに
もかかわらず、いろいろなことが止まっている。参議院選挙
まではやりませんと。そういったことについてもしっかり説明
する責任が、政府にはある。本当に必要だと信じて成立さ
せたのであれば、どうして止めているのか。選挙前に国民
から隠さなければいけないような法案なのかということは、
ぜひ問いたいと思います。
○新党「民進党」での記者会見について
【フリーランス・宮崎記者】
記者会見での基本的な方針について。「党役員会見に
関する基本的な方針について」というのが今、民主党代
表記者会見のホームページにあるが、この要件は、来週
から民進党の代表記者会見、幹事長記者会見、あるいは
政調部局の記者会見、あるいは衆議院国対の記者会見、
参議院国対の記者会見、こういったところに引き継がれ
ると確認をさせていただきたい。
【代表】
代表に誰が選任されるか、まだ正式に決まっていないの
ですが、もし仮に私が代表ということになれば、引き続きそ
ういう方針でやっていきたいと思います。