11/13 外務委員会質問(敵基地攻撃能力、米国新大統領就任、経済連携協定について)
【委員会】 衆議院外務委員会
【日 時】 11月13日(金) 9時30分~10時00分(30分間)
動画はこちら ⇒ YouTube【岡田かつや国会論戦】 https://youtu.be/k1qk4y1CQ0o
質問要旨
Ⅰ 安倍談話(9月11日)の検討状況
Ⅱ 米国新大統領就任前後のリスクについて
Ⅲ 経済連携協定
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◎岡田委員 立憲民主党の岡田克也です。
私からは、まず、予算委員会の続きですが、九月十一日の安倍談話について少しやりとりをしたいと思います。
予算委員会でのやりとりでも、私は、迎撃能力を高めるだけでは不十分という安倍談話ですから、当然、迎撃能力の反対である攻撃能力ないしは反撃能力、こういったものを持つことを議論しているのかと問うたのに対して、明確な答えはありませんでした。しかし、どう考えても、論理的にはそういうことだろうというふうに思います。
別に、結論を聞いているわけではなくて、そういうことを議論のテーマにしているということぐらいはお認めになるべきじゃないですか。
◎茂木国務大臣 先日の内閣総理大臣の談話をめぐるやりとりの中で、岡田委員の質問に対して、私の方から、一般的に、迎撃能力の反対の意味の言葉として攻撃能力や反撃能力がありますが、さまざまな外交努力を含めて、相手のミサイル発射能力を削減することや攻撃能力を低下させることも、概念上、迎撃能力の向上につながるものであると。概念の整理として、私はそういうことだと思っております。
単純に、迎撃能力の反対側に攻撃能力、反撃能力があるということではなくて、つまり、攻撃能力が削減される、相手の、このことも迎撃能力の向上につながる、概念としてはそういうことだということを申し上げました。
現在、まさに談話にあるとおり、抑止力を強化するため、安全保障政策の新たな方針を検討しているわけでありますが、これは憲法の範囲内において国際法を遵守しつつ行われているものでありまして、専守防衛の考え方についてはいささかの変更もございません。
◎岡田委員 大臣、何も答えていないんですが、二つ聞きます。
一つは、大臣のおっしゃった、相手の攻撃能力を削減させるという、反撃能力や攻撃能力ではない形でのやり方ということになると、まさしく外交とかいうことになるのではないかと思うんですが、では、具体的に中国や北朝鮮とそういった交渉を何か行っているんですかというのがまず第一です。
第二は、そういうことを仮にある程度やっていたとしても、攻撃能力そのものについての議論も行っているはずですが、そのことは否定されるんですか。
この二つ、答えてください。
◎茂木国務大臣 朝鮮半島の非核化、これを進めていくということは国際社会の一致した考えだと思っておりますし、さらには、あらゆる射程の弾道ミサイル、この発射は国連の関連する安保理決議違反ということでありまして、今、国際社会全体として、北朝鮮に対する制裁を守る、より厳しい制裁をとる、こういう状況の中で北朝鮮の前向きな対応を引き出す、こういったことも含めた外交努力というのは続けているわけであります。もちろん、それ以外に、それぞれの、米国また日米韓、こういった連携のもとでの働きかけ、こういったことも行っております。
◎岡田委員 菅総理は、条件をつけずに金正恩委員長ともお会いする用意があるというふうに言われています。そういう中で、一方で攻撃能力を持つという議論をしているとすれば、それはまさしく支離滅裂というふうにも見えますね。
ですから、この安倍談話そのものが私は非常に唐突感を持って聞いたわけですけれども、話合いをしっかりしたいというのであれば、一方で日本が攻撃能力を持つということを議論するのは、タイミングとしては私はおかしいというふうにも思うわけです。
しかし、安倍談話そのものを素直に見れば、やはり、攻撃能力を議論する、そのための紙なんだなというふうにしか読めないんですね。そういうことはないと否定されますか。
◎茂木国務大臣 先日もお話ししたと思いますが、対北朝鮮に対する日本の方針でありますが、日朝平壌宣言に従って、拉致、核、ミサイル、諸懸案を包括的に解決して、不幸な過去を解決し、国交正常化を目指す。こういったもとで、このやり方でありますけれども、これは、単に圧力だけじゃなくて対話、対話と圧力をうまく使い分けながらやっていくということで、その意味で、条件をつけずに金正恩委員長と向かい合う、こういうこともございますし、一方で、国際社会全体が北朝鮮の非核化を促す意味では、今制裁緩和というのは時期尚早だと思っておりまして、そういった意味では、北朝鮮に対する圧力を維持するということも極めて重要だと思っております。その間に矛盾はないと思います。
◎岡田委員 圧力と対話の間に矛盾はないというのは、私はそれはそのとおりだと思いますよ。当然、国連安保理に従って、あるいは日本独自の制裁も含めて、圧力を高めていくことで対話に追い込んでいくということだと思うんですね。その対話路線を否定して圧力一辺倒だった、そういう時期が安倍さんにあるから、おかしいと私は予算委員会で言ったわけですけれども。対話をするための手段としての圧力の強化ということは、それは重要なことです。そして、最終的には菅総理も、直接話合いをしたいというふうに言っているわけです。そのことを私は言っているんじゃないんです。
そういう議論を一方でしているときに、攻撃能力の話というのは、もちろん、これは北朝鮮だけではなくて中国もあればロシアもありますが、しかし、対北朝鮮ということを考えたときに、政府として支離滅裂じゃないかと言っているわけです。
◎茂木国務大臣 政府内での検討状況について現時点で明らかにすることは差し控えたいと思いますが、政府として、我が国にとって望ましい安全環境を実現するため、平素からさまざまな外交努力を行っているというのは確かなことでありまして、談話にあるとおり、安全保障政策の新たな方針、これを検討することにしておりますが、政府内での検討状況につきまして、現時点で明らかにすることは差し控えたいと思います。
◎岡田委員 何も答えていないんですが。
私は、ぜひ、総理を補佐する立場として、この間北朝鮮との交渉が進まなかった一つの理由として、やはり安倍総理の一貫しない方針というのがあったことは間違いないというふうに予算委員会で申し上げました。
トランプ大統領が全ての選択肢はテーブルの上にあると武力行使を否定しない中で、それを高く評価すると言ってみたり。私は、日本国総理大臣として、日本の国民の命と暮らしを守るという観点からいえば、軽々に言うべき言葉では絶対なかったというふうに思います。北朝鮮はそれをどう受けとめたか。次は、国連総会で、対話じゃない、圧力だと言われた。実はその直後に国難来るといって解散されて、今我々はその選挙で選ばれているんですけれども。でも、わずか一年後には、いやいや、直接向き合う、無条件でお会いすると。
これだけ変節してくると、やはりまともな交渉相手として相手は見なくなる。だから、菅総理には、そういうことではなくて、しっかりとみずからの考え方で、本当に腰を据えて交渉するならそういうことで物事を進めてもらいたいということを私は申し上げているわけです。
そこで、ことし末までにあるべき方策を示すというふうに安倍談話にはありますが、ここは変わっていないんですか。
◎山田政府参考人 お答え申し上げます。
政府といたしましては、菅総理が本国会の所信表明演説で述べられましたとおり、九月十一日の内閣総理大臣の談話を踏まえて議論を進め、あるべき方策を取りまとめていく考えでございます。
◎岡田委員 局長に答えていただかなくて結構です。これは四大臣会合ですから外務大臣に聞いているんですね、今何も答えなかったので。
ことし末までにあるべき方向を示すということは変わっていませんかと確認しているんです。イエスかノーかでお答えください。
◎茂木国務大臣 まず、先ほどの岡田委員の御議論の中で、決して私、日本の方針が変わっているんだと思っておりません。北朝鮮を取り巻きますさまざまな状況の中で、例えば北朝鮮からしますと、やはりアメリカの脅威、これは大きいわけでありまして、それにどう対峙していくかという中で物事を考えるというのは当然のことなんだと思うんですね。
そこの中で、アメリカが最大限の圧力をもって対峙する、さらに、それによって金正恩委員長を対話に引き出す、そういった米朝協議というのが始まったわけでありまして、そしてまた、米朝協議によって、一つの北朝鮮のコミットメント、これも引き出したわけでありますから、それについては当然日本としても支持をして、そこの中で、日本としても今後条件をつけずに向き合うという方向をとった。これは、私はやはり、全体の状況を考えたら当然のことなのではないかなと思っております。
しかし、その一方で、今、北朝鮮が着実に核開発能力を向上し、そして弾道ミサイルと、増強しているということは間違いないわけでありまして、そういったことから、我が国の平和であったりとか国民の命を守っていく、そのためにどういうことを行っていくか、この検討はしっかり進めなければいけない、そのように考えております。
◎岡田委員 今年末までにということについてのお答えはなかったわけであります。
それから、先ほどおっしゃった話は、やはり、トランプ大統領は、かなり極端に、徹底的に武力行使も含めてプレッシャーをかけて、そして一転して米朝首脳会談、世界も驚いたわけですね。
トランプ大統領が右と言えば右、左と言えば左、私は、日本外交は非常に惨めだったというふうに思うわけですね。武力行使と言えば、武力行使を高く評価する。首脳会談と言われたら、条件なしでお会いしたいと。これでは、やはり日本外交はないのと一緒です。
やはり日本には日本の国益もある、拉致問題もあるし、核・ミサイル問題だってアメリカとはまた違う状況がある、そういう中でやはり直接交渉をする必要が私はあると思うんです。最初に首脳会談をやるのがいいかどうかは別にして、やはり直接交渉をする。そのためにはやはり独自の日本のポジションというのを保持しないと、何かアメリカに振り回されているような、こういう外交はもうやめてもらいたい。結果的には、残念ながら拉致家族は帰ってこなかったし、核、ミサイルの開発はどんどん進んで、今や日本に到達する。そういう状況を招いたということは私は深刻に反省すべきだし、やり方についても、同じやり方では絶対だめだ、そういう思いで申し上げております。
時期も言われなかったんですが、私はちょっとやりとりの中で驚いたんですが、菅総理が、閣議決定がされていないので、安倍談話について、原則として後の内閣に及ぶものではないと考えているというふうに言われました。驚いたのは、四大臣のうちの外務大臣と、それから菅さん自身も官房長官として取りまとめの中心を担った人ですから、そのお二人が安倍さんの談話について拘束されるものではないと、私、聞いてもいないのにわざわざ言ったのでちょっと驚いたんですが、これはどういう意味ですか。
◎茂木国務大臣 談話というものは閣議決定がされていない、そうなると、閣議決定を得ていないという意味では、効力が後の内閣に及ぶものではない、こういう解釈でありますが、一方で、菅総理は、私の内閣においても、談話を踏まえて議論を進めて、あるべき方策というものを考えていきたいと言っておりますので、決して矛盾はしていない。
閣議決定されていない以上、それを法律的に引き継ぐものではないけれども、しかし、しっかりそれを引き継いで議論を進めていきたいということをおっしゃったんだと思います。
◎岡田委員 予算委員会でも申し上げたように、中途半端な攻撃力を持っても抑止力としては機能しない。だから、やはりこれは筋が悪いということでフェードアウトしよう、事実上。そういう意味で、時期も決めないし、閣議決定していないから拘束されないということを言っておられるのか、あるいは、総選挙も近い中で、少なくとも一年以内にはあるわけですから、与党の中でもそれに対して厳しい意見もある、だから選挙が終わるまでは先送りしようということなのか、私はいずれかだと思うんですが、どちらですか。
◎茂木国務大臣 どちらでもありません。
◎岡田委員 ということは、年内に何らかの見解が示されるというふうに理解しておきたいと思います。
次に行きます。
エスパー国防長官が解任されました。私は、現在のアメリカの状況を大変心配をしております。混乱はなおも続く可能性がある。それから、トランプ大統領自身が、発信が今完全にない、自身の声で発信することがない、記者の質問に答えることがない、そういう状況だと理解しています。
これはやはり、例えば中東とかアフガニスタンとか、いろいろなところでこの空白に乗じて突発的なといいますか、いろいろなことが起きる可能性がある。あるいはロシアや中国だってわからない。今回の香港の議員が資格を失った問題も、そういう時期だからこそあったという見方もある。私は、相当緊張感を持って日本政府は備えなければいけないというふうに考えておりますが、大臣、いかがですか。
◎茂木国務大臣 米国が今、政権の移行期にあることは間違いないと思っております。一方で、来年の一月二十日になりましたら新政権が発足することも間違いないと思っております。
そういった中で、現在の政権ともそうでありますが、きのうも、菅総理、バイデン次期大統領と電話会談を行いまして、日米同盟を更に強化していく、そして、自由で開かれたインド太平洋、この実現に向けて協力をしていく、さらには、日米安保条約第五条を尖閣に対ししっかり適用する、アメリカとしては、第五条の義務、このコミットメントをしっかり行っていくと。非常にいい会談ができたのではないかなと思っておりまして、日米間では、さまざま変化します、それは東アジアだけではなくて、さまざまな地域の情勢について、常々意見交換、そして情報分析等々を行っておりまして、対処の方法であったりとか、また状況認識について、日米間にそごはないと思っております。
政府として、米国の内政状況、深くコメントすることは避けたいとは思いますが、米国政府とともに、今申し上げたような共通認識に基づいて、日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化に取り組むとともに、我が国の平和と安全、インド太平洋と国際社会の平和と安定のために、引き続き連携をしていきたいと思っております。
◎岡田委員 私は、きのうの会談はそれなりに評価したいと思います。それから、五条の適用をバイデン氏が述べたということ、これを百点満点と言った人がいるらしいんだが、私は、今まだ大統領じゃないわけですから、手放しで喜べる話ではないというふうには思いますね。
では、バイデン大統領になるまでのこの間をどうするのか。かえって、既成事実をつくりたいと思う人がいれば、バイデン大統領になる前の混乱時期にというふうに考える余地だってある。だから、私は緊張感を持って対応する必要があるというふうに思っているわけです。いかがですか。
◎茂木国務大臣 緊張感を持って対応する必要があるということについては、岡田委員と認識を一緒にいたします。
その上で、今アメリカにおいて政権の空白が起こっているわけではありません。同時に、一月の二十日には新政権が発足することも間違いない事実だ、このように思っておりまして、日米同盟であったりとか自由で開かれたインド太平洋、こういった問題について、米国の考えに変更はない、このように私は考えております。
◎岡田委員 米ロの二大核大国の軍縮をめぐる議論、新STARTの延長問題、さまざまな議論が両国間で交わされていたというふうに承知をしておりますが、現状どうなっているでしょうか。簡単に、事務方で結構ですから答えてください。
◎本清政府参考人 お答え申し上げます。
現在、米ロ間においては、新STARTの延長を含め、引き続き軍備管理・軍縮に関する協議が行われており、直近では、十月五日にフィンランドのヘルシンキにおいてビリングスリー軍備管理担当米大統領特使とリャブコフ・ロシア外務次官との間で協議が行われ、それ以降も米ロ間ではさまざまな形でやりとりがなされていると承知しております。
◎岡田委員 中身の説明は全くなかったんですが、バイデン氏の見解はトランプ大統領とは大分違うというふうに理解をしています。
私は、新STARTを更に延長すること、あるいは中身を更に充実させることは、やはり、核軍縮を進めると日本が言う以上、日本がしっかりそのことを述べるべき話だというふうに思います。
ふだん地道に軍縮を進めていくというふうに言われていますが、これなどは日本にとって非常に大事な話だと思うんですが、大臣、いかがですか。
◎茂木国務大臣 日本としては、米ロによります新STARTの引き続きの履行及びさらなる核兵器削減に向けた対話の継続、これをずっと求めてきているところであります。
そして、バイデン次期大統領でありますが、選挙公約におきまして、新STARTの延長を追求し、これを新たな軍備管理取決めのための基礎とする旨表明をしている、このように承知をしておりまして、新政権の発足前でありまして、この後どうなっていくかということはありますが、基本的な考え方はそういうことだというふうに、そのように理解いたしております。
◎岡田委員 私もバイデン氏と基本的に同じ意見です。
外務大臣は一時、アメリカ側のトランプ政権の主張、つまり、中国も巻き込まないと意味がないという議論にくみしておられたと思いますが、私は、やはり、二大核超大国である米ロがしっかりとこの新START、単純な延長なのか、更にもう少ししっかり、さまざま問題がありますから、それを解決したような中身のある延長がより望ましいと思いますが、それをした上で、米ロがしっかりと軍縮をやるという流れをつくった上で、中国をその議論の中に取り込んでいく、そういう考え方しかないのではないかというふうに思います。いきなり中国を一緒になんというのは、結局それは、話がまとまらないばかりか、新STARTそのものもおかしくなってしまう。そういう認識、共有されますか。
◎茂木国務大臣 私、これまで岡田委員との議論の中で、新STARTの延長、これは重要である、同時に、これは米ロだけではなくて、今、軍事力を大幅に増強している中国を巻き込んだ、より広い国、さらにはより広い範囲の核軍縮・軍備管理、これは重要である、このように話してきておりますけれども、実際、では、どういう順番でそれを進めていくかということにつきまして、中国が入るまで何もSTARTはやらなくていい、こういう話は一度も私はしたことはないと思っております。
◎岡田委員 議事録をまた精査したいというふうに思いますが、では、次に行きます。
経済連携協定について、まずRCEPについて、先ほど来議論が交わされています。
民主党政権のときに、このRCEPの枠組みについて、ASEANプラス3でいくか、ASEANプラス6でいくかという議論があって、日本としては、やはりオーストラリア、ニュージーランド、インドを入れるべきだということで、私たちはそのことを主張して、民主党政権の末期でしたが、実質的な合意をした上で、安倍政権がスタートして、首脳間が調印して議論が始まった、こういう経緯で、したがって、私も、このRCEPがまとまったことは評価したいと思いますが、インドが抜けてしまったのは非常に残念というふうに思っています。
このRCEPの意味の一つは、やはり中国と韓国、日本にとって最大の貿易相手国であるこの二カ国と日本が同じ枠組みの中に入ったということも、実は今それがないわけですから、評価できるというふうに思います。そういう認識は共有されますか。
◎茂木国務大臣 このRCEPの意義でありますけれども、先ほどから議論がありますように、GDP、さらに貿易額で三割を占めるこの地域においてこういった協定ができる、特に、日本にとって、貿易額の約三割に達します韓国、中国と初めての経済連携協定ということでありますから、この意味は大きいと思っております。
そして、やはり、ASEANプラス3よりはASEANプラス6で進める、このことの方が、さまざまなルールをつくっていく、こういう観点からも望ましいと考えておりまして、ニュージーランド、オーストラリア、これはTPP11にも参加をしている国であります。
そこの中で、インド、我々としては参加してほしいと思っておりますが、貿易赤字拡大の懸念であったりとか、幾つかの国内事情を抱えているということで、なかなか難しいという側面はありますけれども、十億人を超える人口を抱えて、近年着実に経済成長を実現している、こういったことを踏まえましたら、インドがこの協定に参加することは極めて重要であると思っておりまして、我が国としては、インドの参加に向けて引き続き主導的な役割を担っていきたい、こんなふうに思っております。
◎岡田委員 次、TPP11ですが、非常にハイスタンダードな協定であると。WTO体制が必ずしもうまく機能していない中で、やはり、それにかわるものとしてこのTPP11を戦略的に活用して、民主主義国家の共通のプラットフォームとして拡大していくというのは、私、日本外交にとって極めて重要じゃないかというふうに思います。
そういう意味では、先ほど来イギリスの話が上がっていますが、例えば、EUと、あるいは、アジアを更に、まあ、ASEANの中でも入っていない国がありますし、アジアの深掘りとかそういったことも、もちろんアメリカとどうするか。そういったことについて、やはり日本外交として戦略的に、相手が望むから検討するというだけじゃなくて、どこをどういうふうに、ここに参加をしてもらうことが世界の全体の自由貿易体制にとってより意味があるかという視点で考えていくべきだと思うんですが、大臣のお考えを聞きたいと思います。
◎茂木国務大臣 個々の国について、今、日本からこの国を想定してぜひ参加してもらおうということを表に言うという立場にはないと思っておりますが、いずれにしても、このTPP11、自由貿易、これを推進していく体制をつくる上で非常に大きな意味を持っている、このように考えております。
そして、このTPPのハイスタンダードを満たす、こういう意思のある国にはぜひ入ってもらいたいということで、さまざまな意見交換というのは行っているところであります。
◎岡田委員 終わります。