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3/16 外務委員会 質疑(国際博覧会政府代表の設置に関する法案、日米合同委員会、事前協議制度)

【委員会】 衆議院外務委員会
 
【日 時】 3月16 日(水)14:00 ~14:40  【40分間】

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【質問要旨】

I. 国際博覧会政府代表の設置に関する法案

 1.担当大臣との役割分担
 2.外務大臣はどのような基準で代表の任命を申し出るのか


II.日米合同委員会

 1.出国前検査手続きに関する日米合同委員会における議論
 2.出入国検査をめぐるやりとりの議事録公開
 3.日米合同委員会議事録の保存状況
 4.公文書管理法、外交記録公開に関する規則の適用
 5.情報公開法に基づく公開
 6.1960年の局長・在日米軍副司令官の非公開合意


III.事前協議制度

 1.在日米軍基地からの直接出撃の場合の事前協議に対する日本政府の対応
 2.事前協議に対応する場合の政府内手続き規定の欠如の理由
 3.閣議決定、国家安全保障会議の関与、国会承認と報告の必要性
 4.中長距離ミサイル配備と「重要な装備の変更」



議事録


岡田委員 立憲民主党の岡田克也です。
 私からは、法案に関しては一問だけ。
 政府代表について、二〇二五年日本国際博覧会に関する全ての事項について日本国政府を代表するということになっておりますが、担当大臣もおられます。担当大臣とこの全ての事項について日本政府を代表することになっている代表との関係について御説明いただきたいと思います。
林国務大臣 国際博覧会担当大臣でございますが、国際博覧会推進副本部長として、博覧会の円滑な準備及び運営に関し、本部長たる内閣総理大臣を助け、政府の取組を総括をいたします。また、主要国を中心とする働きかけ、メディアを通じた重要な発信を担うほか、関連する重要行事に出席をいたします。
 政府代表は、国際博覧会条約に基づいて、博覧会に関する全ての事項について対外的に自国政府を代表するということでございます。具体的には、中小国を中心とする働きかけ、各国政府代表や博覧会国際事務局との会場、展示物等に関する調整、これらを始めとする実務的、技術的な業務を担うということでございます。
 両者の任務は相互に関連しておりますが、それぞれ異なる立場から適切に役割を分担することとなると考えております。
岡田委員 ありがとうございました。
 今日は、日米合同委員会に関して、大臣と少し議論したいと思っております。
 まず、在日米軍の出国前検査について、日米間で食い違いがあるということになりました。
 そもそも、この出国前検査というのは、基本的に考えると、これは米兵がアメリカを出るときの検査の話ですから、基本的にはアメリカが決めることかなというふうにも思いますが、日米間で協議して合意をするということだったのか、それとも、アメリカが決めたものを通知を受けるということだったのか、いずれなんでしょうか。二〇二〇年十二月以降は、在日米軍は出国前七十二時間以内の検査を実施することとなっていたというふうに外務省は説明しているわけですけれども、これは協議の結果そうなったのか、それとも通知を受けたということなのか、まず確認したいと思います。
市川政府参考人 お答え申し上げます。
 一般的に、我が国への入国者に対してはいかなる入国条件を課すかは、我が国が主体的に決定する事項でございます。
 その上で、在日米軍に対する水際対策に関して申し上げれば、米軍関係者による我が国への入国については、水際対策を含む日本政府の方針に整合的な措置を取る旨、累次にわたり説明を受けてきたところでございます。
 若干、時系列的に申し上げますと、ただいま申し上げましたように、米側には日本側の措置が変更されるたびにその措置を詳細に説明しまして、米側の措置がこれと整合的なものとなるよう連携を図ってきたところでございます。
 二〇二〇年七月に、日米で共同プレスリリースというのを出させていただいております。その発出後の二〇二〇年九月に、我が国として出国前検査というのを導入してございます。在日米軍は、二〇二〇年十二月以降、国防省の方針に基づき、出国前七十二時間以内の検査を義務づけたというふうに承知しております。
 その後、米側からは、米軍のワクチン接種が進んだこと、あるいは世界的な感染状況の緩和を受けまして、全世界を対象とした米国防省の方針に基づきまして、在日米軍は昨年九月三日にワクチン接種者については出国前検査を免除した、こういう説明を受けてございます。
 その後、日本からの強い申入れを踏まえまして、在日米軍は昨年十二月以降、出国前検査を改めて導入した、こういうことでございます。
岡田委員 聞いていないことを余り答えてもらいたくないんですけれども、まず、入口の確認なんですが、この出国前検査というのは、基本的にはこれはアメリカが行う出国前検査、それについて入国側の、入国後の手続はいいですよ、だけれども、入国を受ける側の日本がこういう出国前検査をしなさいと言うのは、私はちょっと理解が十分できないんですが。例えば、日本から出国する場合にほかの国が、日本はこういう出国前検査をしなさいということをほかの国が日本に対して言うというのは余り考えられないんですが。
 だから、単なる通知じゃなくて、本当に協議していたんですか。
市川政府参考人 委員御指摘の点でございますけれども、これは、我が国への入国者に対してはいかなる入国条件を課すかということは我が国が主体的に決定する事項だということで、在日米軍に対する水際対策については、ある一定のときから、入国に当たりまして、日本に来る前の、アメリカなどの出発地を出る前に、出国前の検査というのを実施するようにということを要請してきたところでございます。
岡田委員 そういう御説明ですから、それを前提に話を進めたいと思いますが、先ほど局長も言われたように、日米間で認識の違いがあったということですね。アメリカ側の出国前検査が免除されましたということを日本政府が確認したのは昨年の十二月二十四日。ところが、在日米軍からは、九月三日に国防省方針に基づいて解除しました、日本国政府にも通知しましたと。
 そういう認識の違いがあるわけですが、これは、何が原因でこういう認識の違いが生まれたんですか。
市川政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘のとおり、日米の両者の認識にそごが生じたというところでございます。
 これは、本年二月二日の報道を受けまして連絡を取ったところ、在日米軍からは、コロナ対策に対して日本側と緊密に連携する中で、出国前検査の免除について外務省に通知していたとの認識であるという説明があり、日本側としては、そのような認識を持っていないという旨を米側に明確にしたところでございます。
 両者の認識にそごがあったことを踏まえまして、今後はそうした状況が生じないように一層緊密に連携していくことで米側と一致しているところでございますが、こうした状況が生じたのは、米側の水際措置が日本側の措置と整合的に実施されているか、され続けているかといった点を外務省の側から確認する努力に不十分な点があったためであるということは否定できない、このように考えております。
岡田委員 在日米軍からは、日本政府に通知したというふうに、九月三日に国防省方針に基づいて解除したことを日本政府に通知したというふうに言っているわけですね。この事実関係はどうなんですか。そういう通知はあったんですか。
市川政府参考人 私どもとしましては、米側が出国前検査を免除したということを確認したのは、あくまで十二月二十四日でございます。
岡田委員 ですから、通知したとする在日米軍と、確認したというのは十二月二十四日であるという日本側で、ここにそごが生じているわけですね。このそごは、私は非常に重要なそごだというふうに思うんですね。この話と、それからもう一つあった、入国後の十四日間の移動制限が、一旦十日になって、十四日に戻ったのに、十日のままだったという。
 これはなぜ重要かというと、やはり、オミクロン株の拡大が沖縄とか山口とか広島でまず始まった。日本国政府は全力を挙げて厳しい入国規制をやって、そしてオミクロン株が日本に入ってくることを何とか遅らせようとした。総理もそういうふうに何回も答弁されていますよね。そのことによって、新薬ができる、あるいはワクチンが打てる。しかし、そういうことが、大きな抜け穴ができてしまったわけですから、これは責任重大だと私は思うんですね。
 だから、別に責めているわけじゃないんですが、やはり、なぜそういうことが起こったかということをきちんと説明する責任は私は外務省にあると思うんですね。林大臣、いかがですか。
林国務大臣 この経緯について、今局長からも答弁させていただいたところでございます。
 まさに先方が言っていること、これも実は、我々としては二月二日の報道を受けて分かったということでございまして、今先生がおっしゃったようにそごがあったということで、今後はこうした状況が生じないように一層緊密に連携していくというところで一致をしたところでございます。そうしたこともありまして、日米合同委員会の下で、検疫・保健分科委員会の場を含めて、より一層緊密に連携をしていかなければならないというふうに思っております。
 これ以上の詳細でございますが、外交上のやり取りでございますからお答えを差し控えたいと思いますが、大事なことは、今後そうした状況が生じないようにすることでありますので、新しくつくりました検疫・保健分科委員会の場を含めて、より一層緊密に米側と連携してまいりたいと考えております。
岡田委員 今後緊密に連携していくのは結構なんですが、なぜこういうことが起こったかということの説明をきちんとしないと、国民の不安というのは、それはなくならないと思うんですよ。
 大臣も御答弁になっているように、昨年の九月三日以降、十二月末までの間に四回の日米合同委員会が開催されている。当然、この間のどこかで議論が出ているはずだと私は思うんです。少なくとも、食い違いが判明した後は当然議論されているはずですね。日米合同委員会でどういう議論になったんですか。
市川政府参考人 昨年八月から十二月までの間に、日米合同委員会は五回開催されております。
 日米間では、新型コロナ感染症の発生以降、この日米合同委員会の場を含め、様々な機会を捉えて、日本側の措置の説明と、同感染症への対応について連携をしてきたところでございます。
 合同委員会の具体的な協議内容につきましては、外交上のやり取りであり、差し控えたいと思いますが、いずれにしましても、出国前検査が免除されたことを日本政府が確認したのは昨年十二月二十四日であったということでございます。
岡田委員 議事録、公開してください。どうですか。
市川政府参考人 日米合同委員会の議事録でございますが、日米双方の同意がなければ公表されないということになってございます。これは、日米間の忌憚のない意見交換や協議を確保するためでございます。
 他方、日米地位協定の運用を含む日米間の様々な外交上のやり取りについては、国民の皆様に丁寧に御説明する観点からも、最終的に日米間で一致するに至った合意のうち、公表できるものは公表するように努めてきてございます。
 日米合同委員会の議事録に含まれている合同委員会合意の中には、既に公表しているものもございます。新型コロナ対策に関しましては、一月九日付の日米合同委員会声明、あるいは一月二十八日の外出制限措置解除の際の報道発表の発出等々、可能な限り日米間のやり取りの結果について説明してきているところでございます。
岡田委員 私は議事録について議論しているわけですね。双方の合意がない限り公表されない、確かに、一九六〇年六月二十三日の日米合同委員会第一回で確認されています。
 逆に言うと、双方の合意があれば、これは公開できるわけですね。外務省は、公開するということを働きかけはしたんですか。合意がなければ公表できないと言われるけれども、外務省自身がブロックしているのか、外務省はやはりこの責任の重大さから見て説明責任を果たしたいと思ったけれどもアメリカ側が拒んだのか、どちらなんですか。
市川政府参考人 本件に係ります日米間のやり取りの詳細については、米側としても、外交上のやり取りであるということからお答えを差し控えたいということでございました。
 そういうわけでございまして、やり取りについては差し控えさせていただきたいと思います。
岡田委員 日本側はどうだったんですか。日本側は積極的に公開したいというふうに働きかけたんですか。どうなんですか。
市川政府参考人 これは、日米でやり取りをした結果、外交上のやり取りであるということでお答えを差し控えたいということでございます。
岡田委員 外交上のやり取りなら表に出せない、公開できないというのは、それは間違いですよね。外交上のやり取りの中で特に秘密を保たなければならないこと、そういうものがあれば別ですけれども、全てが公開されないというのは、それは基本的に私は間違っていると思いますが、大臣、いかがですか。
 余りにもこれは消極的過ぎますよ。やったことが、非常に大きなことをやらかしているんですよ、外務省は。そのことによってオミクロン株が広がったんですよ。その可能性が高いわけでしょう。そのことに対して何も説明せずに、これからちゃんとやりますからで済むんですか、これ。少なくとも、政治家として、そこは国民に対して一定の責任を果たすということが必要じゃないですか。いかがですか。
林国務大臣 今局長から答弁をいたしましたように、この議事録の公開、これは双方の同意がなければ公表されないということでございます。忌憚のない意見交換、協議、これを確保するためということは先ほど申し上げたとおりでございます。
 したがって、先ほど申し上げたとおり、引き続き丁寧に国民の皆様に御説明をする、これは努めてまいらなければならないと思っておりますが、この議事録の公開については、先ほど申し上げたとおり、日米双方の同意がなければ公表できないということでございます。
岡田委員 大臣、じゃ、確認しますが、米側が拒んだということでよろしいんですね。
林国務大臣 これは、先ほど来局長から答弁しておりますように、双方のやり取りの結果ということでございますので、そういうふうに御答弁をさせていただいたところでございます。
岡田委員 被害を受けたのは、これは日本側ですよ、オミクロン株が広がって。だから、日本側としては、国民に対して日本政府としては説明する責任がある、だからアメリカ側の了解を得て議事録の公開をする。
 お互いやり取りして、外交上のやり取りだからって、私にはどちらが拒んだのかはっきり分かりませんよ。少なくとも日本側は、これを公開したいと思うがどうかという聞き方をアメリカ側にすべきなんじゃないですか。それはなされたんですか。
林国務大臣 参議院でございますが、参議院の外交委員会での御質問もあり、米側にも確認をさせていただきましたところ、このやり取りについては差し控えたい、こういう意向が表明されたことは、既に参議院の外交委員会では御答弁をしたところでございます。
岡田委員 日本側が積極的に働きかけたけれどもアメリカ側が断ったのかと私は聞いているんですよ。
 お互いに、これはやめましょうね、そうですね、そういう話じゃなくて、やはりきちっと公開したい、日本側としてはそういうことでアメリカ側と協議したんですか。
林国務大臣 繰り返しになって恐縮でございますが、いろいろなやり取りをする中で、先ほど申し上げたことを局長から主に答弁させていただきました。
 まさに、ここのやり取りについて、米側としても、外交上のやり取りであることからお答えを差し控えたいということでございますが、我々としても、丁寧に説明することは続けてまいりたいと思っております。
岡田委員 丁寧には全く説明していないですよね。
 じゃ、この日米合同委員会の議事録について、一般論としてお聞きをしたいと思いますが、これは当然公文書であります。この議事録の保存期間は何年になっていますか。それから、一九五二年の日米行政協定時代も含めて、日米合同委員会の議事録は全て保存されている状態ですか。
市川政府参考人 日米合同委員会の議事録は、法令に従いまして全て適切に保存されてございます。
 議事録の保存期間は三十年でございます。同期間の満了後も、行政機関の職務上、行政機関で保存し、利用することが必要であるということに鑑みまして、法令に基づいて、必要な限度において延長されているところでございます。
岡田委員 私が外務大臣のときに、密約の調査を外務省全省を挙げて行ったときに、原義がないということが非常に多かったんですね。コピーは見つかっても原義はない。
 そういうことを踏まえて、外交記録公開に関する規則、省令ですね、これを制定をいたしました。現在もこれは有効だというふうに理解をしております。
 この規則の第一条では、外交記録が国民共有の知的資源として主権者である国民が主体的に利用し得るものであることに鑑みて、三十年以上経過した行政文書は原則公開するというふうにしているわけですね。
 今、三十年というふうに言われました。しかし、三十年たってもそれ以降も保存している。どうして三十年たったものを公開しないんですか。
林国務大臣 この日米合同委員会の議事録は、公文書管理法及び外交記録公開に関する原則の適用を受けます。日米合同委員会の議事録は、作成、取得から三十年が経過したものについても、行政機関の職務の遂行上、行政機関で保存し、利用することが必要であることに鑑み、法令に基づき、必要な限度において延長をされておるところでございます。
 外交記録公開推進委員会による公開審査というのがございますが、保存期間が満了したときの措置において移管するとされた行政文書ファイル等のうち、多くの利用請求が見込まれる重要な事案に関するものを選定することとされております。日米合同委員会の議事録は、これまで外交記録公開推進委員会による審査対象にはなっておらないところでございます。
 他方で、日米地位協定の運用を含む日米間の様々な外交上のやり取りについては、国民の皆様に丁寧に御説明する観点からも、最終的に日米間で一致するに至った合意のうち、公表できるものは公表するように努めてきておりまして、日米合同委員会の議事録に含まれている、合同委員会の中には、先ほど触れましたように既に公表しているものもあるわけでございます。
岡田委員 最初の日米合同委員会が開催されてから、恐らく六十年以上たっていますよね。だから、三十年という原則の倍以上の時間がたっている。
 これはどうして、今大臣言われましたが、外交記録公開推進委員会、これは先ほど言った、私が大臣のときに作った規則に基づいて設けられたものです、これにかけないんですか。この判断を仰いで、そしてやはりまだ公開は早いというものは、それは先送りするというのは分かりますけれども、今のお話だと、全く、この六十数年間の議事録全てが委員会にかけられることなく、そのまま積んである。もちろん一部は使っているわけですけれども、それはおかしくないですか。
 この規則あるいは法律の、公文書管理法の趣旨からいえば、原則は三十年で公開するということなんですから、公開すべきかどうかという判断をこの公開推進委員会できちんと行うべきじゃないですか。いかがですか。
市川政府参考人 外交記録公開推進委員会による公開審査でございますけれども、日米合同委員会の議事録につきましては、現在の職務の遂行上必要であるため、保存期間が必要な限度において延長されているため、同議事録が移管され、国民の利用に供される時期はしばらく先であることに鑑みて、これまで外交記録公開推進委員会の審査対象にはなっていない、こういうことでございます。
岡田委員 六十年以上にわたる膨大な議事録があって、その中にはもちろんまだ公開できないというものもあるでしょう。だけれども、そうじゃないものがほとんどじゃないですか。どうしてそれを推進委員会にかけずに置いておくんですか。これは、公文書管理法やあるいは私のときに作った規則のその趣旨に完全に反していますよ。何か治外法権みたいになっていますよ。そういう運用はおかしくありませんか、大臣。
林国務大臣 今局長から答弁させていただきましたように、日米合同委員会の議事録、これは現在の職務の遂行上必要であるため、保存期間が必要な限度において延長されているということでございます。
 先ほども申し上げましたように、この議事録について、既に公開をされているものもあるということは先ほど申し上げたとおりでございます。
岡田委員 公開された議事録というのはどのぐらいあるんですか。
市川政府参考人 日米合同委員会の合意でございますけれども、公開しているものはウェブサイト上に掲載してございますが、合計六十七案件、八十四文書でございます。
岡田委員 今局長おっしゃったのは、日米合同委員会で合意して発表した文書のことではないですね。議事録の話でよろしいですね。
 今、数をおっしゃったのは、よく分からないですけれども、六十数年分の中でいうと、ボリューム的には何割ぐらいになるんですか。
市川政府参考人 ただいま申し上げたのは、日米合同委員会合意について申し上げたところでございます。
 今、確認の御質問がありましたので、先ほど合計六十七案件、八十四文書と申し上げましたのは、公開されている日米合同委員会合意のことでございます。
 これが全体のうちのどれぐらいのボリュームかというのは、ちょっと手元にデータがございませんので、お答えを差し控えさせていただければと思います。
岡田委員 私が外務大臣のときに、もう既にアメリカ側がアメリカの国立公文書館で秘密解除されているものが出てきまして、当時の野党、自民党から大分責められて、私は、アメリカと協議した上でこれを公表したということもあります。
 だけれども、合意した文書の話を今しているんじゃないですよ。議事録の話をしているんです。六十数年間の膨大な議事録、その中には、もちろん、今使っていて、すぐには公表できないというものもあるでしょうけれども、大部分のものはもう公表してもいいものなんじゃないですか。そして、そういうものを積極的に公表していくということが公文書管理法の趣旨じゃないんですか。非常に私はおかしいと思いますよ。いかがですか。
市川政府参考人 繰り返しになって恐縮でございますけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、日米合同委員会の議事録について、現在の職務の遂行上必要であるため、保存期間が必要な限度において延長されている、同委員会が、移管され、国民の利用に供される時期がしばらく先であることに鑑みて、これまで外交記録公開推進委員会の審査対象にはなっていないということでございます。
岡田委員 ですから、それはおかしいでしょうというふうに言っているわけです。大臣、これはよく考えられた方がいいですよ。
 それから、情報公開法の適用だって、当然、この議事録、ありますよね。もちろん、今の情報公開法が定める、国の安全が害されるとか、他国との信頼関係が損なわれるおそれがあるとか、交渉上不利になるとか、そういう要件に該当すれば、それは公表できないことはあるでしょうけれども、今回の出入国手続のところなんかは、私、これに余り該当しないんじゃないかと思いますが、いずれにしても、一般論として言うと、この議事録は情報公開法の対象になるということはよろしいですね。
林国務大臣 委員がおっしゃられましたように、合意があって公表というもの、先ほどちょっと数が、いろいろやり取りさせていただきましたが、その原則は委員がおっしゃるとおりであろうかというふうに思っておりますし、更に申し上げますと、やはり、今、差し支えのあるものであっても、何十年かたった後できちっと歴史として検証するという意味でこういう制度があるわけでございますので、そういう意味においても、いろいろな仕組みに従って必要なことはやっていくというのは、一般論として必要なことだと考えております。
岡田委員 私は合意文書の話をしているんじゃないですからね。議事録の話をしているわけです。
 時間がたってと大臣もおっしゃいましたが、もう六十年前のものもあるんです。それが全部、恐らく手つかずになっている。一部公開されたものはあると思いますが、それは非常に例外的で、ほとんど手つかずになっているというのは私は異常なことだというふうに思いますよ。
 日米合同委員会というものは、何かちょっとほかとは違う特別なもののような扱いを受けているというふうに私には思われてならないんですね。そこはやはり違うんじゃないかと。
 そもそも、六十年以上前の、一九六〇年ですよね、外務省の北米局長と、その当時のカウンターパートが誰だったか、私、分からないんですが、今でいえば在日米軍副司令官との間で、合意がない限りは公表しないということを決めた。
 だけれども、そのときの、一九六〇年の日本国政府の状況と、その後、二〇〇一年に情報公開法ができた、二〇〇九年には公文書管理法ができた、そして、例えば、国民に対する説明責任、国民の理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進、こういうことが情報公開法には書いてありますね。そういう考え方で今の政府が運営されているときに、六十年以上前の、一九六〇年の、失礼ですけれども、外務省の局長と在日米軍の副司令官レベルの人とが合意したことが優先してしまっているというのは、私は極めておかしなことだと思いますよ。
 国会で、法律を作って、成立させているんですよ、与野党で、情報公開法にしても公文書管理法にしても。それよりも六十年前の局長合意が優先しているということは異常だと思いませんか。
林国務大臣 制度論ということに関わるところである、こういうふうに思っておりますが、御指摘の一九六〇年の後にできました情報公開法、公文書管理法、外務省が必ずしも所管するものではないと承知しておりますが、こうした公益による除外のようなものはそれぞれ入っておるというふうに認識をしておるところでございますので、その中には、外交案件というようなものも該当を一般的にするということはあるんだろう、こういうふうには思っておるところでございます。
 一方で、沖縄に関する特別行動委員会最終報告において、日米合同委員会合意を一層公表することを追求するとされていることも踏まえて、合意の中には既に公表しているものもあるということは先ほど御答弁させていただいたとおりでございます。
 政府として、日米の合同委員会声明や報道発表等、又は国会におけます答弁という方法を通じまして、可能な限り日米間のやり取りについて説明していきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
岡田委員 日米間でどういう議論をかつて行ってきたのかというのは、これは国民だけではなくて多くの人が知りたいところだというふうに思います。どういう議論を経て今こうなっているのか、そのための情報公開でもあるわけですね。
 にもかかわらず、何度も繰り返しますが、六十年以上の分がほとんど、議事録について言えば、公開されないまま特別扱いを受けているというのは、私はそれはおかしいというふうに思いますし、局長レベルでの合意が国会を通った法律に優先しているという状況も私は健全じゃないというふうに思います。
 ですから、全て非公開ということではなくて、原則は公開、例外として期限を設けて非公開、これは普通の文書は、政府関係の文書はそうなっているわけですから、そういう普通の扱いにする。それから、日米合同会議を開いた後は、せめて議事概要を発表する。今回はこういうことを議論しましたということでなければ、何か極めて秘密裏に、しかも政府の一部で物事を進めているという印象を与えて、私は、国民の外交に対する理解にとっても極めて問題がある、そういうふうに思っております。
 ここはかなり力仕事になると思いますが、大臣、この問題に取り組んでいただけませんか。
林国務大臣 国民に対する御説明、さらには、先ほどちょっと私も、ある意味個人的見解かもしれませんが、歴史をきちっと検証するということを申し上げましたので、これは岡田先生が大臣のときにつくられた仕組みということでございますが、その仕組み、その趣旨がしっかりと生かされるように私も取り組んでまいりたいというふうに思っております。
岡田委員 ありがとうございます。
 私も、密約の調査を四つに限定して、調査を外務省を挙げてやったわけですね。そこからこの合同委員会の議事録というのは抜け落ちていた、そういう反省もあるんですよ。ですから、それを是非、林大臣にやっていただきたいというふうに申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 以上です。




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