11/6放送「NHK日曜討論」発言内容
「NHK日曜討論」(11月6日放送)での発言は以下のとおりです。
Q. Jアラートの情報伝達についてどのように考えるか?
岡田:Jアラートの不全をいつまで続けるんですか?命にかかわることだと思います。早急に原因を解明して、しっかり対応してもらいたいと思います。そしてJアラートにかかわる住民の命を守るためのシェルターの整備や避難訓練、そういったことについても国がしっかりとリーダーシップを発揮してやってもらいたいと思います。命がかかっています。
Q.今回の経済対策は十分と考えているか?
岡田:十分かどうかという前に、一般会計ベースでも29兆1,000億、バラマキもここまで極まったかという感じがしますね。まったく歯止めがなくなってしまっていて、しかも本予算審議は衆参1か月づつやりますが、補正予算の審議というのは、数日、2日とか3日とかということが通例ですから、何でもかんでもぶっこんでやろうとしているということは、財政の健全化にとって極めて問題があると思います。しかも予備費をまた膨らませて、新しい予備費を作り出した。なんでも政府が勝手にできるということです。
私たちはコンパクトな、7兆円の総合経済対策を打ち出しています。対象をしぼるということです。政府は予備費で、住民税非課税世帯に対する5万円の給付を決めました。私たちはそれをもう少し増やして、1,400万世帯くらい、年収で言うと単身で200万円くらいのワーキングプアと言われる人たちにも、しっかりと5万円を給付することと、子どもの食費とか、子どもはたくさん食べるわけですから、そこに対してしっかり手当をするということを中心に打ち出しています。
Q.これからの(経済)対策はどこにポイントがあるか?
岡田:最も重要なのは賃上げです。これは政策というより、むしろ労使交渉ですね。日本は30年間実質賃金が上がらない国だったのですが、物価の上昇が確実視される中で賃金が大きく下がりかねない、そういう状況で、何とかして賃金を上げる。連合も5%の賃上げを打ち出しました。先ほどからご指摘のあるように、内部留保があったり、円安で利益を上げている企業もあります。しっかりと労使交渉をしながら、賃上げを勝ち取っていく。その後押しを政府がしていくということだと思います。多少乱暴なことをやっても、私はいいのではないかと思います。交渉において。それが第一です。
もう1つは企業は今、エネルギー価格が上がっていますから、これを設備投資によって乗り越えようと、当然そういう考えがあるわけです。省エネ投資とか、そういったことについて、しっかりと国が支援していくということが大事だと思います。
Q.さまざまな歳出圧力が高まっていくという中で、どのように財源を考えていくのか?これはどういう立場か?
岡田:さきほどご指摘の防衛費や子育てについて、与党は倍増だとそれぞれ言っているわけですね。それに加えて、社会保障についても2025年問題、これからベビーブームの人たちが、全員75歳を超える。大幅に社会保障費が増えることは前から言われていたことです。加えて、デジタル、グリーン。歳出増になることが目白押しなんです。これをどうするのかということは、しっかり姿を示さなければなりません。私はやはり中期的な財政の再建計画というものを議論してつくって、そして将来こういうふうにやっていくんだという、それがなければおそらく円がさらに売られていくことになりかねないと思います。それが政府の大きな責任だと思います。先送りは許されません。
Q.将来的な税負担をどう考えるのか?党内でも消費税をめぐって様々な発言があるようだが、消費税の扱いをどう考えるか?
岡田:消費税については、今の経済対策として、一時的に引き下げるということを私たちは参議院選挙で主張いたしました。そこは変わっていません。ただ、今回のこの補正に関して言うと、消費税を引き下げるには1年くらい時間がかかってしまう。この景気対策しか間に合いませんからここに含めていないということです。将来的にはやはり、まず所得税です。有価証券取引税、所得税率累進率、これを上げていくということが考えられます。しかしこれだけでできるかというと、率直に申し上げて先ほどの歳出増の要因をみたときに、もちろん全部真に受けるわけじゃなくて精査しなければいけないわけですが、やはり歳入をどう確保していくかというのは非常に重要な論点で、それをしっかりやらなければ、私は日本経済というのは次第に衰退していくということになりかねないと思います。
Q.(自民党若宮幹事長代理の発言に対し)
岡田:必要性はわかりますけれども、放置しておいたら、この国の財政が持ちませんよね?持続可能ではないです。やはり政治の責任として、私は具体的に提案していただければ、野党もしっかり受け止めたいと思います。どうやって健全な財政に中長期的に持っていくのかということも、政府与党の責任としてぜひ提案していただきたいと思います。
Q.(旧統一教会をめぐる問題への対応は) この現状はどうか?
岡田:そもそも岸元総理の時代に始まった、旧統一教会と自民党の深い闇、これを明らかにせずに蓋をしてしまうということは許されないことだと思います。1つは政策協定、これが新しい論点として出てきました。岸田総理も「党としてしっかり実態を把握する」と国会で答弁されたのですが、すぐに「各議員が点検、説明すべきだ」というふうに変わってしまいました。それだけ闇が深いのだと思います。政策協定を結んでいる、ということは、組織的に選挙で応援してもらっていることと裏腹です。だから今の組織的に応援してもらった人は自民党の調査で2人しかいないのですが、本当は違うのだと思います。しっかり政策協定について、調査をすべきだとこれが1点。
もう1つは地方議員です。いろんなことが報じられています。ここも相当深いと思いますし、条例の制定などに直接かかわってきたりしている。地方議員に対する調査もしっかりしていただきたいと思います。
Q.(旧統一教会被害者救済 どう進めるか)何が今の課題と考えているか?
岡田:まずきちんと新法をやるということですね。それをぜひ若宮さん、自民党、与党に約束してもらいたい。私はこの問題はこの国会で解決しなければならないというふうに思います。若宮さんも新法先送り報道に対して、全く違う、はっきり申し上げる、というふうに言われましたね。気持ちは同じだと思うんです。そのためには法案をきちっと早く出してもらいたいことと、総理にもこれから海外に行かれますから、その前に与野党党首会談を開いて、きちっと大枠について合意する、そうしないとこの国会に間に合いません。海外に行く前に与野党党首会談を開いて大枠を合意する、その前提として法案をきちっと示してもらう、そのことをお約束いただきたいと思います。
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与党もマインドコントロールからなる悪質勧誘行為、この対象にするということは認めておられる。議論していく中で、ここに書かれた3つの点(マインドコントロールの定義づけ、家族などが献金を取り戻せる方法、献金額の規制目安 設定するか)を中心に論点が残っている。私は乗り越えられない話ではないという風に思います。議論も全部重ねてきました。私も質問には誠実に今週早期にお答えしますが、先に延ばすのではなく、つくるんだという大きな決意をもって、トップ同士がそれを確認して、ぜひこれをやりましょう、そうでないと、被害者の皆さんがこれからも続出してしまいます。難しい話ではないと思います。それから公明党さんも言われましたが、これは信教の自由に対する権力の不当な介入を招く法律になってはいけない、そこはしっかりと念頭に置いて法律を作っていかなければならないと思っています。
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時間が限られていますから、本気でやる気があるのなら、今週がすごく大事です。ぜひ、しっかりとした条文を示すこと、党首会談で合意する、そのことをお願いしたいと思います。
できなければこの国会は間に合わなくなります。結局それはやる気がないということだと思います。来年の春以降になってしまう、ということですから。