『不都合な真実』――安倍総理もポリティカル・ウィルを
昨日夜、仲間の民主党の議員十数名とともに『不都合な真実』、アメリカのアル・ゴア前副大統領の地球温暖化に対する取り組みの、ドキュメンタリーに近い映画を観に行きました。
この映画は、映像で地球温暖化の問題を理解することのできる、非常に優れた映画です。
同時に、政治家アル・ゴアのプライベートな部分、特に彼がなぜ「将来」の問題に大きな関心を持ったのか。
それは息子さんの交通事故がきっかけだったこと。あるいは、アル・ゴアのファミリーは政治家であるとともに、農場の経営者だったわけですが、その農場でタバコの栽培をしていた。そして、ゴアのお姉さんは喫煙者であり、肺がんで亡くなった。
そういう物語が途中でちりばめられた、非常に見応えのある映画です。
同時に私が非常に感心したのは、ドキュメンタリーで、観ていてそう「楽しい」映画ではありませんが、多くの若い人たちが熱心に観ていたこと、関心を持っていることを非常に心強く思いました。
この『不都合な真実』は、実は安倍総理も少し前にご覧になったわけで、そのときの安倍さんのコメントは、新聞によれば「政治のリーダーシップが必要だと感じた」というものでした。
ただ、私には政治のリーダーシップが必要であるというのは、やや他人事みたいに聞こえてしまったのは、私の受け止め方が間違っていたのでしょうか。
私は、まさしくそのリーダーシップをとるべき責任者、リーダーは安倍さんですから、安倍さんは政治のリーダーシップが必要だと言うよりは、私はこの温暖化の問題にこのように取り組むんだと、ゴアのように語っていただきたかった。
ゴアの言う、“ポリティカル・ウィル”、政治的な意思というものをしっかりと示してもらいたかったと思います。
京都議定書、京都で決めた約束事ですが、2008年から2012年までの間に1990年比6%、温暖化ガスの排出量をカットするという約束が、現在はむしろ8%以上増えていて、これから残された2012年までの短い期間に本気で取り組まないと、日本自らがその約束を果たせないということになりかねない。あるいはもう、可能性としては、約束を果たせないことになる可能性が非常に高いかもしれません。
一方で政府の取り組みというのは、「クールビス」とか「ウォームビズ」といった、関心を呼ぶようなことにはいろいろ取り組んでおられるかもしれませんが、現実にきちんとした対策、例えば民主党が言っているようなCO2に対する課税ですとか、そういったことはなされないまま、時間だけが経っている。これが現実だと思います。
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