温暖化――日本が率先実行、具体策を提示し説得力を
昨日安倍総理は、地球温暖化についての新たな提案、方向性の提示をなされました。
実は私、昨晩その場に居合わせました。日経新聞社が主催するある晩餐会の場で、安倍さんがお話しになるのを近くで聞いていました。
いままであまり、グローバルな問題にどちらかというと関心の薄かった安倍総理が、温暖化問題に正面から取り組む姿勢を示されたのは、私は非常にいいことだと思っています。
ただ、提案の中身はかなり曖昧なところが多いわけで、例えば、2050年に現状に比べて半減すると言っておられますが、そのときの基本的な考え方、もちろん、中国やインドあるいはアメリカ、そういった国も含めて、大きな輪の中でこの問題を考えていく、その必要性は当然ですが、そのときに例えば、先進国というのはどのぐらい減らすのか。
途上国は当然、これから経済が大きくなっていくわけですから、全体で半分にするということであれば、日本を含む先進国はそれ以上の深掘りをしないと全体のつじつまが合わなくなります。
そういったことについて、やや具体性を欠いたことはありますが、提案があったことそのものは評価したいと思います。
ただ、1つ申し上げておきたいことは、これは以前にも言いましたが、日本がまず率先してやるという姿勢が大事だということです。
日本が率先してやるというときに、中国やインド、アメリカを巻き込むために日本が役割を果たすということも非常に重要です。そして同時に、日本自身がCO2の削減に率先してモデルを示すということです。
いまのままでは京都議定書の達成は非常におぼつかない状況にあります。まず、これは確実にやる。そのための具体策をしっかりと提示する必要があります。
我が党が主張しているような環境税、そういったことも含めて、しっかりした京都議定書目標数値達成の具体策、そして、2050年半減というときに、日本がどのぐらいどうやって減らしていくのか、そういったことを具体的に述べることで、日本の提案というものがより説得力を増すのではないかと思っています。
温暖化の問題は、今年のサミットだけではなくて、来年の北海道洞爺湖でも大きな議題になると思います。
同時に北海道洞爺湖サミットでは、世界における貧困の問題も、国連ミレニアム開発目標のちょうど折り返し点ということで、私は当然議論のテーマにすべきだと思っています。
そこで、これからはやや私的な話になりますが、洞爺湖サミットというのが果たしてふさわしいかということです。
もちろん、私はその会場となるホテル、選ばれた理由は様々な理由があるのだろうと思います。特に治安の問題は非常に大きかったと思います。
そして、そのホテルが大変素晴らしい施設で、サービスのレベルも高く、素晴らしいホテルであるということは、いろいろな方から聞いています。私も機会があれば、是非訪れてみたいと思っています。
ただ、世界の首脳が集まって貧困の問題や地球温暖化の問題を議論する場として最適といえるのかどうか、私なら違う選択をしたのではないかと思っています。
洞爺湖の雄大な自然の中に、まるで壁のようにそびえるバブル期に造られたホテルです。そして、中も含めて、名前もそうなんですが、「ウィンザー」という名前ですから、全体として、日本的なものというよりもヨーロッパ的な味付けがされた施設です。
やはり私は、日本に世界の首脳が来るのであれば、より日本的な味付けがされた施設で、しかも貧困や温暖化の問題を議論するということであれば、少し慎ましやかといいますか、質素といいますか、もちろん、いろんな問題がありますから難しいといことは分かりますけれども、そういう選択があったのではないかな、そして、京都議定書に絡む温暖化の問題を議論するなら、京都ということも選択肢ではなかったのかなあと、そんな気がちょっとしました。これは余談ですけれども、あえて申し上げておきたいと思います。
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