衆院議長不信任案――三権の長として責任を果たさず
いま衆議院本会議から戻ってきたところです。今日は水曜日ですから、本来なら本会議は開かれないのですが、今日は河野衆議院議長の不信任案を我々民主党を中心に野党各党が提出をし、その採決が行われました。
結果は多数決ですから、我々の出した不信任案は否決をされてしまいましたが、しかし、やはり今回の一連の国会運営を見ていると、河野議長は公正に議長としての責任を果たしてきたということはとても言えないと思います。
これだけ10回をはるかに超える委員会レベルでの強行採決をそのまま放置してきたこと、そして何よりも、今回の内山議員の懲罰動議、30日間の登院停止が決まったわけですが、懲罰動議を議論する懲罰委員会は民主党の議員が委員長で、その民主党の議員である委員長を差し置いて、勝手に委員長代理を立てて、委員長不在のまま内山さんの処分を決めました。
本来であれば、そういう極めて不正常なやり方で議員の身分に関わる処分を決めたわけですから、本会議で最終決定するまでに、議長がもう一回委員会でやり直しをすべきだということを言うのが本来だと思います。
しかし河野議長は、しかも我が党の委員長の報告ではなくて、委員長がいながら、勝手に委員長代理になった自民党の議員の報告を委員長報告として位置付けて、そして、そのまま処分まで決めてしまったわけです。
これは、いままでの国会では全く前例のない、いわばとんでもないことです。
つまり、委員長というのは本会議で決まるわけですから、本会議で決めた委員長を勝手に無視をし、委員長代理として全くの他人が出てきて本会議で報告をするというのはあり得ないわけです。
本会議で委員長を解任して、新しい委員長を任命したうえで、その委員長が報告をするというのなら、論理的には分かりますが、そういうことも全くありません。
これだけ融通無碍の国会運営を議長が許しているということはとんでもないことだと私は思います。
河野さんは政治家としてはソフトで、平和の問題などについて非常に立派なお考えをお持ちのところもあります。
しかし、ここ数年河野議長を見ていて思うのは、最後は与党に強く出られると全面的に受け入れてしまう、その優柔不断さが私は衆議院の議長、三権の長としての責任を果たしているとはとても言えないと思っています。
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