COP13開幕――世代間責任を果たすための重要な会議
いよいよこの月曜日(12月3日)から、国連の気候変動枠組条約に関する第13回の締約国会議が開催されました。いわゆるCOP13です。
ここで様々なことが議論されますが、その中心は京都議定書に定める2012年以降の具体的な進め方の議論です。私は、この2012年以降の具体的な数値目標をどうするかということが、最も重要な論点だと思っています。
安倍総理が「美しい星50」の提唱の中で、2050年において世界の温暖化ガスの排出量を半分にすると言われました。いつを基準にして半分にするかということは語られていないわけですが、京都議定書は1990年を基点にしていますから、そこから比べて半分にすると考えていいと思います。
そのときに、前から申し上げていますように、日本自身が2050年にどれだけカットするのか。それが全世界で50%であれば、日本は60%なのか、70%なのか、あるいは80%なのか。そして2050年に至るまでの途中の期間、例えば2020年にどれだけ減らすのか。そういったことについての具体的な日本としての目標を示すことが、重要であると思っています。
あるいは、京都議定書に定める2012年の達成についても、現状ではかなり危ぶまれているわけですし、海外から排出権を買ってこなければいけないというようなことにもなっているわけですが、基本的には日本の国内だけでそれを達成していく。そのために、今追加的な対策として、国内の排出権取引の考え方や温暖化税、あるいは自然エネルギーの抜本的導入、そういったことについて具体策を打ち出すべきだと考えているわけです。
日本自身がきちんとやるべきことをやらないで、世界の中の議論でリーダーシップがとれるはずがないと思っております。日本政府は従来から、アメリカがどうかということを盛んに言ってまいりました。オーストラリアについても言ってまいりましたが、オーストラリアは政権が変わって、この京都議定書にサインをするということが明らかになったわけです。
アメリカも今のブッシュ政権から変われば、仮にそれが共和党政権であったとしても、今の議会の中の議論の状況、あるいは各州政府の取り組みなどを見ておりますと、アメリカ自身も次の政権では大きく変わるであろうと思います。そのことを前提にしながら、日本は議論をしていった方がいいと、あまり今の政権との整合性と言いますか、そこに気を使いすぎるということは必要がないと思っております。
いずれにしても、次の世代、私達の孫の世代、あるいはその先の世代に対して、世代間責任を果たしていくという視点で、このCOP13の会議は非常に重要であると思っています。
私もできれば、会期内にバリ島に短期間でも行って、現場の空気をちょっと吸ってきたい。そして来年以降の国会における議論で、しっかりと政府に対して日本のなすべきことを迫っていきたいと思っているところです。
コメントを返す