暫定税率の再議決――あまりに便宜主義、国民は怒りを
いよいよ衆議院において、ガソリン税の暫定税率をもう一度復活する、つまり増税法案が衆議院において3分の2以上の与党の賛成多数で再議決されました。
この問題は、私が責任者をしていた2月の予算委員会以来、ずっと議論してきたことですが、一旦暫定税率が5年の期限で切れて、減税になったわけですが、また元に戻るということです。
様々なことを私は申し上げたいと思いますが、その中で1つだけ、福田総理に申し上げたいことがあります。
福田さんは一般財源化すると断言されました。もちろん、それが現実のものとなるかは分かりません。しかし、一般財源化するということを言った場合に暫定税率を維持するというのは、どういうふうに説明されるのでしょうか。
道路にしか使わないことを前提に、自動車ユーザーの皆さんに一定期間に限ったガソリン税の増税をお願いする、これが暫定税率です。
その前提である、道路にしか使わないということがなくなったときに、果たしてこの暫定税率にはどういう意味があるのか。自動車ユーザーの皆さんに負担させることに合理性があるのか。そのことが問われなければならないと思います。
財源が足りなくなるとか、様々な議論はあるでしょう。しかし、それは別途財源を手当てするのが本筋であって、こういったことについて、あまりにも便宜主義に走るのはいかがなものかと思わざるを得ません。
そして、もう1つ、法律的にもこの問題は、4月から増税するという法案を再議決したわけです。しかし、4月は減税されていました。
租税というのは、租税法定主義という大原則があって、法律に基づいてのみ課税されることになっています。しかし、4月から暫定税率を維持することを前提にした法案をいま頃再議決しました。4月はこの法案は有効ではなかったわけですから、非常にちぐはぐな感じになっているわけです。
これは租税法定主義の大原則から言っても、大きな問題があると言わざるを得ません。訴訟でも起これば、果たしてどういうふうに国は申し開きをするのでしょうか。
いずれにせよ、あまりにも便宜主義の中で、今回の再議決が強行されたことは、本当に残念なことだと思います。
そして、国民の皆さんの怒り、それ政府にもぶつけてもらいたい。与党にもぶつけてもらいたい。そのことを申し上げておきたいと思います。
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