ドイツ訪問報告(1)――バイオディーゼル、風力、太陽光
連休中にドイツ政府のお招きで5日間ほどドイツに行って参りました。テーマは「地球温暖化問題」ということで、政府関係の人々との意見交換あるいは現地を見るなど大変得がたい経験をさせていただきました。このことについて、これから何回かに分けて報告していきたいと思います。
今日は再生可能エネルギーについてお話をしたいと思います。ドイツでアウトバーンをバスで走ったのですが、非常に驚きました。
まず、畑が真黄色です。これはどこかで見たことのある風景だなと思いました。子どものときに見た菜の花畑。私の地元・四日市は、昔は菜の花から採れる菜種油で非常に有名だったのですが、その菜の花が一面に咲いていました。
これは、そのまま使うバイオディーゼルということで、ドイツではガソリン車よりもディーゼル車のほうが乗用車も増えて、多いのですが、そこに混ぜて使っているということです。
日本では、使った天ぷら油を精製して、ディーゼルに混ぜるということが行なわれていますが、これは量的にはごく一部です。
ドイツは大々的にバイオディーゼルをやっていると話は聞いていましたが、あまりにもその菜の花の畑が広がっているのでびっくりしました。
2番目は風力発電です。その菜の花畑の中も含めて、農地に風力発電の施設が建っています。その数も壮観なほどたくさんありまして、これまた相当力を入れているなということが実感できました。
そして、3番目は太陽光電池・太陽光発電です。ここは工場も見せていただきましたが、非常に新しい工場で設備も最新鋭であるということは一目瞭然でした。
そして、このドイツの太陽電池はいまや日本をはるかに追い抜いて、累積でも日本の倍以上の設置が進んでいるわけですが、その理由は太陽光発電についていえば、普通の電力の3倍の値段で電力会社に引き取る義務があるということです。
したがって、それを固定価額で確か20年間保障ということですから、一般のご家庭にもどんどん太陽電池を設置をすると、下手に預金をしているよりも利益が上がると。そして、全部償却してしまえば、あとはそのまま売った電力が収入になるわけですから、大変な勢いで進展しているわけです。
そして、そのことでマーケットができ、さらにドイツの太陽電池企業、トップは「Qセルズ」といういまや世界一の企業ですが、太陽電池の企業が発展している。そしてそこに雇用も生まれている、ということです。
わざと意図的にそういったマーケットをつくり出すことで、マーケットが大きくなる。マーケットが大きくなると、コストダウンも進むということです。
この太陽電池は見ていますと、半導体のメモリーと非常によく似ている感じがします。とにかく早く大きな投資をしたほうが勝ち、それについていけないところが脱落してしまう、そんな感じがします。そして、コストダウンもどんどん進む。
したがって、日本政府も相当しっかり考えないと、シャープ、京セラ、サンヨー、三菱電機など、日本の企業も非常にいままで世界のトップを走ってきましたが、彼らもおそらく8割ぐらいは海外のマーケットに輸出せざるを得ない状況だと思います。日本のマーケットをいかに大きくし、それによって産業を育てるかということは、是非考えなければいけない問題ではないかと思いました。
いずれにしても、バイオディーゼルにしても、風力にしても、太陽電池にしても、再生可能エネルギーの割合を大いに高めていこうというドイツ政府の姿勢が非常にはっきり出ている。日本との大きな違いだなと思いました。
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