クラスター爆弾禁止――市民の声、NGOの頑張りの成果
今日は嬉しいニュースを少し遅ればせながらお伝えしたいと思います。
ダブリンで開かれていた「オタワ・プロセス」、クラスター爆弾の禁止に関する国際会議で、全会一致でその禁止が決定されました。
クラスター爆弾は従来から、人道上大変問題がある、非常に広範囲にわたって爆弾としての影響力が及ぶこと、しかも不発弾の比率が非常に高くて、あとになって人、特に子どもたちが不発弾に触ることで命を失ったり、あるいは手足をもぎ取られたりする。
そういう被害が世界中で報告され、何とか地雷に引き続いて廃止すべきではないか、一般の人々に非常に大きな影響を及ぼすということで、議論が進んできました。
アメリカ、ロシアなど大国は入っていませんので、そういう意味ではまだ限定的ではありますが、しかし、「オスロ・プロセス」ダブリン会議に集った各国がその禁止を決めたことは非常に大きいと思います。
そして、これは地雷に引き続いて、世界の市民の声、NGOの皆さんの頑張りによるものだと思います。
日本も態度を保留してきましたし、政府の中では反対論も強かったわけですが、ここは福田総理の最終的な決断で、日本もその禁止に賛成をするということを政治決断しました。
私も「クラスター爆弾禁止議連」の副会長をしていますので、今回の総理の決断を高く評価しています。これから、今回参加していない国を説得して、全世界的な条約にしていかなければいけないと思っています。
もちろん、自衛隊もクラスター爆弾を使えないということになると、それなりの影響が出てくることは間違いありません。そういったことに対して、これからどういうふうに補っていくのかという議論も当然していかなければなりませんが、市民に与える大きさの影響という意味で、人道上許されない武器である、そういう観点から禁止されたことは、非常に望ましいことだと思います。
通常兵器について、こういう形で地雷に引き続いてクラスター爆弾の禁止がされたことは、国際的な大きな動きの中でそういうことが決定されたことは、非常に素晴らしいことだと思います。
しかし残念ながら、核兵器についてはまだ拡散も続き、インドとアメリカの原子力協力協定、これはインド国内の反対でいまは動いていませんが、事実上核を持った国が持ち得になるような流れがいまできています。
NPT(核不拡散)体制そのものが崩壊の危機に瀕していると言っても、言い過ぎではありません。
この核の不拡散、そして、核をいま持っている国の核軍縮について、より大きな観点からの議論が必要であるということを改めて申し上げておきたいと思います。
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