スピード社製水着の容認――素晴らしいが複雑な感情
今日はいつもとちょっと違う話題、北京オリンピックにおける競泳の水着の問題について、少しお話をしたいと思います。
皆さんご存じのように、日本水泳連盟は基本的に、国産3社でなくても選手が好きな水着を選ぶことができるということを決めました。
1そして、国産メーカーの1つであるミズノ社は、いままでの契約にもかかわらず、例えば北島康介選手がミズノ以外の製品を身に着けることも認めると発表しました。
結果的には素晴らしい決定がなされたと私は思います。やはり我々としては、日本の選手に少しでもいい成績を上げてもらうことを期待しているわけですから、日本製以外のスピード社などの水着を着けることでいい結果が出る可能性が高まるのなら、当然そうしてほしい。これは多くの日本人が思っていることだと思います。
ただ、その上で2つだけ申し上げたいと思うのですが、1つは、実は北島選手が着けていたミズノ製の水着は、私の選挙区ではないのですが、同じ四日市市の市内で製作されていたということです。
選挙区的には私は三重3区で、隣の三重2区は中川正春さんの選挙区ですが、ここにミズノの仕事をしている地元の企業があります。
数カ月前、そこを久しぶりにお訪ねしたときに、「北島選手が着けているミズノの水着は、実はここで作っているんですよ。北島選手自身も来られたことがあります」というお話を聞き、私は四日市出身の政治家として、非常に誇らしく思いました。
その水着が使われないということになれば、個人的に残念な思いはありますが、しかし、最初に申し上げたように、ここは勝つための最善の選択をしてもらいたいと思っています。
せっかく北島選手が着ける水着を作っているということで、その企業の皆さんも非常にプライドを持って、誇らしげに語っておられたので、少し残念がっておられることだと思いますが、ここはやむを得ないことだと思います。
そして2番目に、しかしそれにしても、これだけ記録が塗り替えられる水着というのは一体何なんだろうかということです。
もちろん、いろんなスポーツにおける器具の技術開発というのは素晴らしいものがあるわけで、例えば、ゴルフのボールとかクラブを取っても、10年前、20年前とは全く違うものが出てきていることは事実です。
そういう意味で、技術開発の素晴らしさ、科学の素晴らしさを感じるわけですが、しかしこれで記録が塗り替えられる、同じ選手が着けて違う数字が出るということになりますと、いままでの努力は一体何だったんだろうかという気もしてくるわけです。
そういう意味で、スピード社の水着について、やや複雑な感情を私自身持っています。素晴らしい水着に作ったことに敬意を表するとともに、しかし、技術1つでこれだけ数字が変わってしまうということにやや違和感も覚えてしまう、そんなことだと思います。
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