民主党代表選に対する私の考えと対応について
先般(7月30日)、日本記者クラブでの私の講演の際に、民主党代表選挙についての考え方をお話いたしました。そのことについて、今日は皆さんにもご説明しておきたいと思います。
代表選挙は9月に予定されていますが、これをどうするか、私自身どう対応するかということについて、いままでは「ノーコメント」ということで通してきました。
しかし、いつまでもノーコメントで済ませるつもりはない、どこかの時点で私自身の考え方をきちんと説明する、ということも申し上げてきました。
日本記者クラブという公の場での機会でしたので、お盆前にははっきりしたほうがいいだろうと常々思っていたこともあり、私の考え方を示させていただいたわけです。
1カ月くらい色々考えさせていただきました。そして、私自身の経験、私自身の様々な考え方を整理するなかでの結論ですので、賛否両論あるとは思いますが、是非ご理解をいただきたいと思っています。
私が申し上げたことは、まず、代表選挙そのものはどんどんやったほうがいいと、一般論として、そう申し上げました。
特に、総選挙になれば、参議院選挙のときと比べて、より政策についての具体的な議論が求められます。もっと言えば、メディアも、そして与党も民主党の政策を厳しくチェックしてくる。そういう中で、例えば、財源の裏付けが十分ではないのでないかという疑問はすでに提示されているわけです。
そういったことについて、あるいは改革の中身、どのようにプライオリティーを付けていくか、そういったことについてきちんと説明ができるようにしておかなければいけない。そのためには、代表選挙というのはいい機会ではないかと考えたわけです。
したがって代表選挙は、我立つべしという方がいればどんどんやったほうがいいと考えています。
そして、しかし私自身については、「現時点で代表選挙に立候補しようという強い意欲は持ち合わせていない」と申し上げました。もちろん、まだ選挙までの時間がありますから、断定はしませんけれども、「現時点で強い意欲は持ち合わせていない」。
その理由は大きく言って2つあると申し上げました。
1つは、私が総選挙を戦うとすれば、当然2004年の参議院選挙、2005年の総選挙と同じように、マニフェスト選挙になる。具体的な政策、それに伴う財源、いつやるかという期限、そういうものを明示して、具体的な政策を選挙で問う。そういうやり方をいままでもしてきましたし、私が代表であれば、今回もそういう選挙をすることになる。
しかし、あの2005年の選挙で、そういうやり方が国民の皆さんからご理解いただけず、郵政民営化賛成か反対か、その1点を問うた小泉自民党に大勝を許してしまったのは、私が代表のときの総選挙だったわけです。
もちろん、民主党に対しても、2480万人の方にご支持いただいたわけですが、しかし大きく負けたということも事実。では、そのときの国民の意識が大きく変わっているか、政策本位で選挙をやろうというふうになっているかというと、私はまだそう大きくは変わっていないのではないかと思います。
やがてそういう時代が来るということは確信しています。しかし、まだ現時点で、具体的な政策を率直に、正直にお話しをして戦うという選挙が、いい結果を生むという十分な自信が、いま私にはないということです。
したがって、私が代表になってマニフェスト選挙をする、そのことが政権交代につながるとは考えにくい状況にあるということ。これが1点目です。
もう1点は、2005年の選挙の敗北の責任を取って、私は代表を辞めました。次の総選挙が終わるまでは自重すべきであると、基本的にそう考えてこの3年間行動してきました。
もちろん、状況が大きく変わればそうでないということもあるだろうと思っていましたけども、現時点で振り返れば、やはりあの総選挙敗北の責任は、次の総選挙まで基本的に私が常に考えなければいけないことだと、そう思っているわけです。
そういった理由で、「私が代表選挙に出る強い意欲は現時点で持ち合わせていない」という風に申し上げたところです。
早く言いすぎたのではないかとか、あるいは、勝敗を度外視して出るという選択もあったのではないかとか、いろんなお考えをおっしゃっていただく方は多いのですが、やはり早く言わないと、出る意欲を持ちながら、全体の状況を見極めることができなくて躊躇しておられる方もいらっしゃるかもしれません。したがって、なるべく早く明確にしたほうがいいと考えたわけです。
是非、私自身の考え方についてご理解いただき、そして、民主党に対して変わらぬご支持をいただければ大変ありがたいことだと思っています。
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