福田辞任劇――もう自公政権が日本の政治を担う時代でない
福田総理が退陣を表明されました。突然のことでやや驚きましたが、時間の問題であるとは考えていました。
福田さんも安倍さんの突然の無責任な退陣の後を受けて、必ずしも本人が望んだわけではないにもかかわらず、他にやる人もいない、半ば責任感で引き受けた総理だったと思います。
しかし、そういう形で引き受けましたので、総理として何をやりたいかという準備ができていなかった。だから、この1年間総理大臣として何をしたいかということが国民に伝わらなかった。そして、その結果として、支持率も低迷したということだと思います。
私も、「総理としてやりたいことを思い切ってやったほうがいい」とテレビ番組などで申し上げたことがありますが、結局、総理ご自身何をやりたいか、自らもはっきりしないまま、もちろん消費者庁の設置などは一部ありますが、大きな絵が描けないまま、総理を引き受けてしまったことの悲劇ではないかと思います。
そして、なぜいまなのかということですが、もちろん、福田さん自身、野党の民主党の対応について言及されました。それもあったでしょう。しかしそれは、ある意味では、当初から予想されたことです。
私はここ1~2週間、福田さんの心境を決定づけたものは、自民党の中、そして連立与党の中での動きだったと確信をしています。
とにかく福田では戦えない。だから、次は人気のある麻生さんに代えて、総選挙をしたい――。そういう声は自民党の中にかなりありましたし、福田さんでまとまっていこうということではない、いろいろな動きも様々あったと思います。
そして、特に決定的だったのは公明党の対応だったと思います。
今回、8月末には国会を開きたいということを福田総理はかなり明確におっしゃいました。そして、インド洋への自衛隊の派遣についても、衆議院で再議決してでも通さなければならないと言われました。
もちろん、民主党は反対です。しかし、いずれにせよ総理がそういったことを明確に述べられたにもかかわらず、与党の中で「いやいや、国会はなるべく遅いほうがいい」と。
その妥協の産物で、9月12日ということに一旦はなったわけですが、それでも、とにかくインド洋への自衛隊派遣再議決はいかがなものかと。
総理がかなりはっきりと明言しても、それがその通りにならない。むしろ逆に出てしまう。そういう状況の中で、総理としては引き続きやっていく意欲もなくなってしまったのではないか、嫌気が差したのではないか――。そういう気がします。
やはり、身内からいろいろ言われる、あるいは相当な決意を持って言っていることに対して、簡単においそれとそれが通っていかないという状況は、相当こたえたはずです。
いずれにしても、このことが語っていることは、自公政権がもう限界に来ているということです。誰が総理をやったとしても、次に総裁選挙が行われ、そして、おそらく麻生さんが総理になるんだろうと思いますが、誰がなったとしても同じことだ。自公政権がもう日本の政治を担っていく時代ではないという、そのことの1つの具体的な現れが、今回の福田辞任劇だったと思います。
政局はこれから数日見なければなりませんが、今年の早い時期、つまり次の国会を開いて、そう時間を置かない状況で、解散・総選挙ということで進んでいく、そのことはほぼ間違いないと思います。
次の総選挙で必ず民主党政権をつくる、そういう強い思いを持って、党内がしっかりと団結をして、頑張っていきたいと思っています。
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