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2008.09.29|TALK-ABOUT [ブログ]

小泉元総理の引退――「父親の気持ち」で世襲とは


小泉元総理が次期総選挙には出ないということを明らかにされました。私はある意味、小泉さんらしい1つの身の処し方だなと思います。

その点は、私なりに評価をするわけですが、ただ、そうであれば、どうして総理を辞められたときに次の総選挙に出ないということを言われなかったのか。ここは非常に大きな疑問を持ちます。

もっとハッキリ言うと、次男を自分の後継者として据えるために、ギリギリまで引っ張ったと言われても仕方がないんじゃないかと思います。


これは、実は自民党の大物議員が時々使う手で、自ら引退を心に決めながら、実際には解散・総選挙が間近になって初めて、そのことを明らかにする。

もっと早く明らかになっていれば、いろんな方が後継者として手を挙げたかもしれません。小泉さんの場合にも、おそらくいまから半年以上前に、次は出ないということが明らかであれば、地元の地方議員の方や首長の方、その他政治に志のある人たちが手を挙げたかもしれません。

しかし、これだけ総選挙が間近になったタイミングで辞めると言われれば、誰も準備ができていませんから、結局手が挙がらない。

結果として、すんなりと息子さんにバトンタッチがされる。いままでの古い自民党の大物議員たちが使ったことと同じことを小泉さんはやられたわけで、これは非常に疑問だと私は思いますし、小泉さんは総理経験者ですから、特にこういった問題についてはきちんと対処して欲しかったと思います。

「父親の気持ち」ということを言われたようですが、政治は私事ではありません。政治は公です。そうであれば、自分のあと誰がやっていくかということについて、「父親として」などという言葉は、決して言ってはいけない言葉のはずです。

志のある人たちは他にもたくさんいるはずです。そういう人たちの中で、公正な手続きを経て、誰が最もふさわしいか、そういったことを決定していくべきではないでしょうか。

もちろん最終的には、これはそれぞれの政党に任されたことではあります。世襲を禁ずる法律はありません。

しかし、いまの自民党の衰退の大きな要因が人材不足で、その人材不足の大きな原因は世襲にあると思っている人は少なくないはずです。

同時に、政治は公であるという観点から言っても、世襲というのは基本的に否定されるべきです。

もちろん、違う選挙区から出るなら何の問題もありません。能力があれば、違う選挙区から出て、堂々と政治家になればいいわけです。

民主党は、私が幹事長、代表のときにもこの世襲問題を議論しました。党の中で、まだ決めたわけではありませんが、そういった世襲について一定の制限をすることが、私は非常に民主党らしいし、衰退していく自民党に対して新たな人材を外からどんどん取り入れていくことで、民主党がさらにいい党になっていく。非常に大事なことだと思っています。

この前の党政治改革推進本部役員会で議論したなかで、基本的には党に委ねる(法律問題ではない)ことだとしながらも、資金管理団体の世襲は法律で禁止すべきだという結論にいたしました。

親が国会議員であれば、その資金管理団体に数千万あるいは数億の資金がある。代表者の名前を変えるだけで、それが引き継げてしまう。そこに相続税も何もかからない。

こういったことは最初から、スタートからハンディキャップがついていることになりますから、そういったことは法律で禁止をする。代表者が代われば、その資金管理団体は清算をし、解散をする。

そういったことは、是非法律で規正したいものだと、法律で決めたいものだと考えています。

いずれにしても、政治家の世襲という古くて新しい問題を大いに考えさせられるきっかけとなった今回の小泉さんの引退劇でした。

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