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2008.10.20|TALK-ABOUT [ブログ]

福岡での出来事――無駄な公共事業の典型「誠橋」を視察


先般福岡に行きました折に、非常に面白い体験をしました。私が行きましたのは福岡7区、自民党の選対委員長である古賀誠さんの選挙区です。我がほうは、野田くによしさんという前の八女市長さんが立候補してくれています。

野田さんは市長を4期やられて、まだ50才という若さですし、もともと市長になる前は古賀誠さんの秘書もやっておられたわけで、そういう意味で、全国的にもかなり注目される選挙区です。


ここで私が行きましたのは、菅代表代行がかつて行かれた、無駄な公共事業の象徴といわれる橋(朧大橋)を視察に行きました。別名「誠橋」、古賀誠さんの「誠」を取って「誠橋」と言われるところで、私も予算委員会で菅さんが質疑をしているときに聞いていて、そのときにもかなりひどい話だなと思いましたが、行ってみてその思いがより深まりました。

というのは、橋はもちろん大変立派な橋で、63億円かけた橋なのですが、その橋に行くまでの道が全く整備されていなくて、車がすれ違うのがやっとのような山道が延々と30分以上続くわけですね。そして、高台に来ると、突然立派な橋があるということです。

ですから、橋にお金をかけ過ぎているということだけではなくて、結局橋に行くまでのくねくね道がそのまま放置されているわけですから、橋だけ立派にしても何の意味もない。現に1日200台くらい車が通ればいいほうだと言われているということでした。

何のためにこの橋を造ったのかなと、もちろん造った業者の方は潤ったかもしれません。しかし、地元の方も、そのくねくね道、非常に長い道があるので、その橋のところだけきれいになったところでほとんど意味がないということです。

この橋を視察しているときに、いまは合併して八女市に編入されましたが、この橋のある上陽町の前の町長さんがお見えになっていました。彼は私に対して、「これは無駄な公共事業ではありません」「町民にとって大事な橋です」と。私は「これはどう考えても無駄な公共事業である」「現に町民の方もほとんど使っていない」「しかも、その前後の道がこういう状況では、これは造る意味がない」ということを申し上げました。

突然、前町長さんが土下座をしまして、「古賀さんと一緒になって是非高速道路までの道をつけてください」と、こう言われたのにはちょっと驚きました。しかし、高速道路までの道をつけようとすれば、それは膨大なお金がかかることは間違いありません。

それで便利になる方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、人口的には決してそう多いわけではありません。土下座は1つのパフォーマンスだったと思いますが、いわば町長さんから見れば、これは県費と国費で造った橋ですので、町の懐は痛んでいないので、町長さんの立場としては、これは町民に負担がない、そういう中で造ることがなぜ悪いのかということかもしれません。そういう意味では、制度自体もおかしいわけで、私は「もしこれが町の自己負担だったら本当に造りましたか」と申し上げました。

結局、町の懐は痛まない、県と国が負担する、そういった中で、必要性の低い公共事業がどんどん行われていく。これは、ここだけではなく全国にある現象で、やはり分権をして自分たちの判断で、この公共事業をやるのか、それとも他に使うのかということを決める、そういう仕組みにすることが是非必要である。

それにしても、随分本当に無駄なものを造ったなと、率直な私の感想です。

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