山口元厚生次官ご夫妻の死――真面目で真摯な人だった
旧厚生省の山口剛彦元事務次官ご夫妻を殺害した犯人が自首しました。
この事件は極めて異常な事件だと思いますが、私は本当に単独犯なのかという気がしてなりません。果たして、単独犯で用意周到に準備ができたのか。
あるいは、人2人を短時間で殺害するということは、そう簡単なことではないと思いますが、あまりにもそれが短時間でなされたために、1人ですべてを行ったのかどうかということに疑問が残ります。
何よりも動機がはっきりしません。もう少し背後に大きなものがあるような気がしてなりません。いずれにしても、これから捜査の進展を見守っていきたいと思います。
山口元次官は、私が厚生委員会の野党側筆頭理事をしていたときの次官です。そのときの厚生委員会は、いまでもこの記録は破られていないのではないかと思いますが、予算委員会を除く委員会として、戦後最長の審議を行いました。
介護保険法の制定、医療制度の改革――1割負担を2割に引き上げるということで、我々は反対したわけですが――そして、臓器移植法の制定。
この3つの大きな課題を抱えた委員会で、私は、審議は徹底的にやろう、しかし、賛否は別にして、最終的に採決を先延ばしすることはしない――そういう方針で挑みまして、結果として、連休中の合間を縫っての審議を含めて、いままでの予算委員会を除く委員会としては飛び抜けて長い審議時間になったわけですが、この3つの課題がクリアされたと。
そのときの野党側の筆頭理事が私、与党側が津島雄二さん、委員長が町村信孝さん、そして厚生大臣が小泉純一郎さんと、こういう布陣で議論をしたわけです。そのときの厚生次官が山口さんでした。
私は厚生委員会に結構長く在籍しましたので、多くの厚生官僚を存じ上げていますが、山口さんはとても真面目な、そして真摯な人で、その山口さん、そして奥様ご夫妻の命をこんなことで奪ってしまうと、その理不尽さには怒りが込み上げて参ります。ご冥福を心から祈りたいと思います。
我々もいろいろと官僚批判もします。しかし、それはより良い行政をしてもらいたいという思いの中で、ときには批判することもある。もちろん、私は官僚がいつも悪いとは全く思いませんが、批判すべきときは批判する。そういう話と、今回の事件は全く次元の違う話で、私から見ると信じがたいような、非道な事件であると、そう思います。
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