訪米報告――政権移行チームと新政権人事
先週1週間、ワシントンとニューヨークに行ってきました。まだ時差ボケが取れずに苦しんでいますが、若干その報告をしたいと思います。
ワシントンでは、かなり多くの人と意見交換することができましたが、いま「政権移行チーム」というのがあります。これは、そこに指名された人たちは、オバマ政権がスタートしたときに、政府の中で、例えば次官とか次官補といった重要な役割を果たすであろう人たちで、もうすでにそのうちの一部は役所に入って、様々なヒアリングをしたり、会議に出席したりして、1月20日の新政権スタート時に円滑に移行できるようにということで、多くの人が政権移行チームのメンバーに指名されているわけです。
これは、大統領交代を円滑に進めるための長年のアメリカの1つの知恵だと思います。
ただ、この政権移行チームに指名されますと、それだけ縛りがかかります。例えば、外国人になるべく会わないようにとか、あるいは、自分の意見を言わないようにとか、そういったところで自由に物を言ってしまいますと、政権のイメージが拡散するということもあると思います。
まだ具体的に次官になるのか次官補になるのか、どこに行くのかということが決まっていませんから、そういう意味で、政権移行チームに指名された人たちも当然慎重になるわけです。
したがって、今回私が申し入れた人の中で、お会いできない人がかなりいたことも事実です。
例えば、ジョン・ポデスタさん。政権移行チームのトップをやっておられます。1月に日本に来たときにお会いしていますが、いまはお会いできないというお話でした。
それから、こういう面白い経験もしました。
カート・キャンベルさん。国防総省の次官補代理をして、日本の問題に関わってきた人で、私も何回も意見交換してきましたが、今回同じように政権移行チームに入っているということで、お会いできないということでした。
ところが、ワシントンで昼食を取りながら、何人かの人とお話をしていたわけですが、隣の席をふと見ると、そこにキャンベルさんがいて、食事を取っておられる。これは全くの偶然でした。
目が合いましたので、挨拶はしましたし、今回会談できなくて申し訳ないということをキャンベルさんは言っておられましたが、それ以上何か話をしたりすると、おそらく国防総省か国務省の重要な地位に就くであろうキャンベル氏に傷が付いてもまずいと思って、私も挨拶をしただけで、自制をさせていただきました。
いずれにしても、新しい政権がスタートするということで、一方では誰がどの役職に就くのか、ワクワクあるいはピリピリしながら、オバマ政権のスタートをじっと待っているという感じを非常に受けた、今回のワシントンでの出来事でした。
詳しい具体的な中身は、時機を見ていろいろお話し申し上げたいと思います。
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