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2009.02.05|TALK-ABOUT [ブログ]

かんぽの宿―はるかに大規模で不透明な取引が進む可能性

今日はいま話題になっている郵政民営化会社(日本郵政株式会社)の資産の売却について、私の思うところを少しお話したいと思います。

 

現時点で問題になっているのは、郵政民営化会社がオリックスに対して売却する予定だった簡易保険の施設を中心とした様々な施設について、それがどうして一括であったのか、あるいは安すぎたのではないかということが議論されています。

この点については、総務大臣が疑問があると言われ、具体的に手続きに問題がなかったのか、きちんと説明すべきだと言われています。

 

私は、手続きが本当に適切になされたのかどうかということについては、国民の疑念を招かないように、きちんと説明する責任が郵政民営化会社にはあると思いますし、同時に総務省も認可する立場ですから、国民に対してきちんと説明できなければならないと思います。

 

したがって、その結果がきちんと説明されるかどうか、その結果が出るのをいまは待ちたいと考えています。

 

ただ、この今回の事件は1つのきっかけに過ぎないと私は考えています。

 

私がかねて指摘してきたのは、もっと額としては大きい、例えば、東京駅や名古屋駅の近くにある旧郵便局を建て替えて高層ビルにするという話がそれぞれ進んでいます。おそらく、大阪などでも同じような話があるのだろうと思いますが、そのことについて、一体どういうチェックが働くのかということです。

 

一般の民間の会社であれば、それはその会社が自らのリスクをかけて建設するわけですから、もちろん政府としてそれに口を挟むということはありません。そして、民間の会社であれば、株主も当然存在するわけですから、株主のチェックも入るわけです。

 

しかし、郵政民営化会社は、現時点において100%国が資本を持った会社で、民営化という名前はありますが、実質的には特殊法人と何ら変わりません。あるいは、国そのものと言ってもいいかもしれません。

 

そういった、100%国が株式を持つカッコ付きの「民営化会社」ですが、小泉さんは民営化には2つあるとおっしゃっていたと思います。

 

従来ですと、民営化というのは、民間の資本がきちんと入ったものを民営化と言ったはずですが、いつの間にか国が100%資本を持っていても、経営者が民間から来れば民営化である。

 

あるいは、将来株式の上場を目指せば、現時点においては100%国が持っていても民営化である。そういう非常に誤解を招きやすい、いい加減な言葉の使い方が小泉政権のときに一般化したわけです。

 

東京駅や名古屋駅の前の郵便局を高層ビル化するというようなことは、金額的に言うと、おそらく1000億円をはるかに超えるような規模になると思います。国が100%資本を持っているわけですから、事実上は公共事業です。

 

それに対して、国の公共事業であれば、国会のチェックもできますし、あるいは、様々な法律の適用があります。例えば、それに伴ってお金を受け取れば、公務員ですから収賄になります。贈るほうも贈賄になります。しかし、民営化された郵政会社には、そういった法令の適用もありません。

 

したがって、私は民営化論議が進んでいる当時から、自民党の一部の議員が駅前の郵便局を高層化すればいいということを盛んに言われるのを聞いていて、危ないなと、そういう過程で、例えば、いろんな口利きや談合といったことが行われる可能性はないのかと疑問に思っていました。

 

今回のこの簡保をめぐる事件は、それよりもはるかに規模の大きいところで、国民に理解できない取引が進む可能性があるということを示したものだと思います。

 

したがって、そういう大きな工事・事業を現在100%国が資本のままやるということであれば、やはりそこは国会のチェックも含めて、様々な規制・監視ができる仕組みにしなければならないと私は思っています。

 

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