訪米中止-日米首脳会談の粗ごなしが目的だったのだが
今日は、私の訪米中止について少しお話をしたいと思います。
私が米国に行って、クリントン国務長官はじめ関係者と会談をしようと考えたのは、もう2週間以上前のことです。
つまり、オバマ大統領が日本に来られる。その際に何を議論するか、どういうふうに議論するかということは、いま日米間で事務的には様々調整をしているところですが、最終的な局面で私が行って、首脳会談の粗ごなしをしてこようと。
日米首脳会談は、是非とも成功させなければいけない重要な会談ですから、その前に両国外務大臣と国務長官が会って、最終調整をしようと。そのために、訪米を計画していました。
結果的には、これは予算委員会を衆参でやっている最中での問題であり、他方でクリントン長官も、いま世界を駆け巡っておられますから、ワシントンにいる日が限られている。
そういう中で、米国からは非常に好意的な配慮をしていただきましたけれども、つまり、クリントン長官の日を空けて、2~3日、日本の国会との調整状況を待つということをしていただいたわけですが、これ以上お待たせするということは、私としてもクリントン長官に大変申し訳ないし、衆参予算委員会の見通しもまだ立たない状況の中で、断念をさせていただいたわけです。
もともと私は、国会との折り合いがつかなければ行けないわけですから、そのことを前提で米国側と調整をしてきたと。したがって、日米間で物事をめぐって何かしこりができたとか、そういったことは全くないと思います。
私が非常に難しいなと思ったのは、この間の報道の過熱気味です。
まず、私は先ほど言ったとおり、日米首脳会談の粗ごなしということで米国へ行くことを考えたし、そういう説明もしていたわけですが、とにかく普天間基地のオバマ大統領訪日までの決着を目指して米国と交渉するんだ、という報道が相次いだわけです。
以前から申し上げていますが、この普天間基地の問題は、日米両国で合意したからそれで決着するという問題ではありません。地元沖縄の皆さんに対する、ある程度の納得ということも必要になります。
そんなに、あと2週間でというようなタイミングで物事が決められるはずはないということは、普通に考えれば分かるはずですが、マスコミの報道は過熱しました。米国まで行って決めてくるんじゃないか。あるいは、少なくとも、この普天間移転の問題を協議するために米国に行くのではないか。そういう報道が相次いだわけです。
私が何度否定しても、繰り返し報じたメディア、新聞、テレビもあります。この辺に来ますと、私としては、当事者が完全に否定していることを、「メディア側が想像している」というふうに書かれるならともかく、それが既定の事実であるかのように表現して記事を書くというのは、一体何なんだろうかと思えてなりません。
そして、日米の政府間も、もちろん、新しい政府がスタートしたわけですから緊張感があるのは当然ですが、そんなにギクシャクしているわけではありません。
お互い信頼関係に基づいて話はできているわけで、米国が日本のいまの政府に対して大変怒っているといった類の報道は従来パターンの報道で、もう少し両国政府が、信頼関係に基づいていろいろな話をしているということが、多くの皆さんに伝わればいいなと考えて、今日は直接皆さんにこうしてお話をさせていただいているところです。
外務省における私の記者会見などもインターネットで直接見ることができますので、そういうところも見ていただければ、大変ありがたいなと思っています。
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