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2010.04.26|TALK-ABOUT [ブログ]

佐世保訪問―平和と安定、災害救助など米軍の多面的な役割


週末を利用して長崎県の佐世保に行ってきました。

2週間前の横須賀に続いて、朝長(ともなが)佐世保市長にお目にかかって、核の「密約」の件についての説明をし、市民の皆様に対するお詫びを申し上げてきました。

佐世保と横須賀は、アメリカの2つの大きな軍事施設がある港ですが、そこには米艦船が入港します。歴代の市長はその艦船に核の搭載はない、と市長として市民に説明をしてきました。

その元になっていたのは、日本政府による「核の搭載があると米国が言ってこない以上、核の搭載はない」という説明です。その国の説明を信頼して、歴代の市長や市議会は、市民に対してそういったものはないと説明をしてきました。

しかし、「密約」の解明の中で、アメリカは「そういった一時的な寄港は持ち込みには当たらない」と考えており、それを明確に分かりながら、日本政府は「アメリカが言ってこない以上、持ち込みはない」と、いわば偽りの説明をしてきました。

そのことに対して、もちろん政権は代わったわけですが、外務大臣として、政府を代表してお詫びを申し上げに行きました。本当に申し訳ないと思い、ある意味では、市民や国民に対して平気で嘘を言ってきたわけですから、日本政府としてもっと早くきちんとした対応をすべきだったと思います。

少なくとも、91年にアメリカの核政策が変わり、東西冷戦が終結によって戦術核が持ち込まれる可能性がなくなった時点において、明確に説明すべきだったと、改めて市長や市議会の皆さんに申し上げました。

さて、その佐世保市への訪問の際に、今回は揚陸艦「エセックス」を視察し、説明を受けました。

揚陸艦「エセックス」は、海兵隊を乗せて被災地や戦地に赴きます。2週間前に横須賀で視察した「ジョージ・ワシントン」と比べて、私は、揚陸艦がこれだけ大きなものだとは思いませんでした。

「ジョージ・ワシントン」は長さが大体330メートルくらいと説明されましたが、揚陸艦「エセックス」は、そこまではいきませんが、やはり300メートル近くを誇ります。

そして、揚陸艦の特徴ですが、そのまま上陸できるホバー・クラフトをおなかの中に積むことができます。

今回視察して非常に興味深かったのは、医療施設が非常に充実していることです。船の中に手術台もいくつかありましたし、緊急の患者を収容するベッドも並んでいました。

これはもちろん、戦地で傷ついた兵士を揚陸艦に引き上げて、そこで手術をしたり治療をすることも想定されますが、同時に、インドネシアでの津波の折、台湾での地震などの災害が起こった際に、この「エセックス」が行って、患者の治療にあたるということもやっています。

そういう意味で、アジア太平洋地域における災害支援に、米軍が力を入れていることも理解しました。ハイチなどでも、米軍の病院船などが話題になりましたが、病院船は足が遅いので、まず被災地に乗り込むのは、この揚陸艦になります。多面的な役割を米軍が果たしていることを、改めて感じました。

折しも沖縄では、大きな集会が開かれました。沖縄県民の皆さんの思いを重く受け止めながら、同時に米軍が日本の安全のために、そして、東アジアの平和と安定のために非常に重要な役割を果たしていることも念頭に置き、限られた時間の中ですが、普天間移設の問題も方向性を出して解決していきたいと改めて感じた次第です。

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