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2010.05.13|TALK-ABOUT [ブログ]

イギリス総選挙―ブラウン首相退陣、人も政治家も巡り合わせ


イギリスで総選挙が行われ、その結果が出ました。特筆すべくは、長かった労働党第一党の時代が終わり、そして、保守党が第一党、労働党が第二党、自由民主党が第三党となったことです。

そして、いままでと違い、単独で過半数を取った政党がなかったということで、保守党と自由民主党の連立政権となりました。このことを持って、イギリスでは二大政党の時代が終わったという見方もあります。

私は、本来、完全小選挙区制度というのは、硬直的な制度であると考えてきました。完全小選挙区制度となると、第三党が出てきにくく、得票率がある程度あっても、議席を得るには至らないということになり、その結果、2つの政党だけがずっと議席の大半を占めます。

こういうことになると、活力がなくなるというか、弾力性がなくなり、いわば、カルテルのようなことになります。そういう欠点を補うために、完全小選挙区制度ではなくて、ある程度比例代表制度を入れて、第三党が出てくる余地を残しておくことは、非常に合理的だと私は思ってきました。

よく、「二大政党制」と言いますが、私は、正確には「二大政党」というより「政権交代が可能な政治」、そのために、基本的には大きな政党が2つある。つまり、それ以外に小さな政党があって、場合によっては、その二大政党が、小さな政党に取って代わられるという、弾力性を持った仕組みが良いと考えてきました。

もちろん、いまの日本の制度は、300の小選挙区と180の比例区ですが、もう少し、比例は少なくていいと思います。300の小選挙区、100の比例くらいが、一番適切ではないかと思います。その100の比例の中で、少数政党が存在し、場合によっては、大きく入れ替わるという仕組みが、最も優れているのではと思っています。

今回、ブラウン首相が退陣をし、党首の座を去ることを表明されました。ブラウン氏は、ある意味では、非常に運がなかったリーダーだと思います。ブレア氏とブラウン氏が競っていた時代、実際には、ブラウン氏のほうが、政治家としては良かったのではないかという声もありました。

しかし、一足先に、ブレア氏が首相になり、その時代があまりにも長かったために、ブラウン氏の出る幕がないまま終わってしまった。首相にはなったものの、様々なことが重なり、力量を発揮できないまま終わってしまった、というような感じがします。

人間、政治家というのも、「巡り合わせ」だと改めて感じます。



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