予算委─選挙制度改革、財政健全化、夫婦別姓と子ども手当を議論
予算委員会で60分間、安倍総理と議論しました。いつものことながら、というのが実感です。
第1に、衆議院の選挙制度の定数是正問題については、これは憲法14条、法の下(もと)の平等、国民の参政権に関わる、民主主義の根幹の問題です。最高裁からは何度も、「違憲状態」であるという判決が示されています。
何とかして是正措置を取らなければならない、総理も主導して第三者委員会を作った、その答申が出てきた。各都道府県の議席配分を比例的に行うことが最高裁の要請であるとして、アダムズ方式を提案した。しかし、そのアダムズ方式の導入について、総理は明言されませんでした。
もし今、自民党の中でささやかれている6つの県、三重県もその対象に入りますが、それを削減するだけで終わってしまうとすれば、佐々木毅先生が(座長として)大変ご苦労された第三者機関は、全く無視されたということになります。そんなことはあってならないことだと思います。
第2に、安倍政権の税収見通しなど、非常に楽観的すぎないかという観点で質問しました。野田政権おいて行われた、所得税(金融課税)の増税、消費税の増税の決定、その結果もあって税収が増えている。アベノミクスの経済政策の成果というのは、半分程度にすぎないと考えています。
しかも、そのアベノミクスも今、状況は変わりつつある。そもそも、為替レートや株価は政府がどこまで左右できるのか。限界があるのは当然です。今も世界経済が先行き不透明になるなかで、円安が円高になったり、株が乱高下したりしています。つまり、総理に言わせると、どんどん税収が増えるというのですが、これが続く保証はないということです。
したがって、財政健全化を進めていく、そのときにあまりにも楽観的な前提で考えるべきではないということを申し上げました。
10年前の第1次安倍政権の時と比べると、興味深い比較になるのですが、税収は消費税増税8%への増税がなければ、税収はかなり減っている。そして国債の発行が9兆円増えて、社会保障費は11兆円伸びているという構図です。
楽観的な考えではなくて、行政改革もしっかりとやって、歳出削減をしないといけないということを私は申し上げました。公務員の定数の削減は、民主党時代には年間約2,000人、自民党になって半減しています。そして安倍政権における行政改革の実績というのは、ほとんどありません。こういうときにしっかりとやるべきことをやらないと、次の世代が大変なことになると、申し上げました。
第3に、最後に総理の雑誌での対談での発言、夫婦別姓や子ども手当に関する発言です。これは言うのもはばかれるような恥ずかしい発言です。当時は野党時代(2010年)とはいえ、安倍総理がこういう発言をしていたというのは、結局、総理の女性観あるいは家族観、それが表れているのではないかと、そう思ってしまいます。大変残念なことです。
予算委員会での議論は、これが最後になると思います。あとは党首討論で、頑張っていきたいと思います。
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