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2011.07.06|TALK-ABOUT [ブログ]

「上げ馬神事」-伝統と動物愛護の観点で良識的に判断を


先般、私の地元である桑名市旧多度町の多度大社で行われている「上げ馬神事」について新聞に記事が載っていました。

「上げ馬神事」とは、各地区単位で選ばれた馬が坂道を駆け上がって、一定の高台まで達するかどうかを競うものです。ゴールデンウィーク(連休)中に行われ、大変長く行われている歴史ある神事です。

塀を乗り越えるような形で高台まで達する馬が多ければ、その年は豊作であるということです。

この「上げ馬神事」ですが、馬を興奮させるために、蹴ったりといった行為が行われ、関係者が書類送検されたことが記事になっていました。もちろん、動物に対して必要以上に殴ったり蹴ったりといった行為は、動物愛護の観点から望ましいことではありません。

そのことを踏まえながら、この「上げ馬神事」は歴史のある行事であり、例えば、騎手に選ばれた少年は一定期間体を清めて生活することを求められますし、そして、馬に乗って坂を駆け上がるのですが、そのときに、なかなか馬も怖気づいてしまうので、いろいろな刺激を与えることが昔から行われてきました。

それが、時代も変わり、あまりにも度が過ぎるということで、今回の書類送検になったのかと思いますが、もちろん、その馬が坂を駆け上がるのに、あまり強く殴ったり蹴ったりすれば、かえって馬が傷んでしまうので、それは一定の範囲のなかで行われたのではないかとも思えます。

どこまでが法に触れることになるかというのは、非常に難しい問題です。例えば、競馬では馬に鞭(ムチ)をあてます。これを、法に触れると言う人はいないと思います。

微妙な問題ですが、いままで歴史的に長く続いてきたことについて、是非、良識で判断していただきたいと思います。この「上げ馬神事」の当日には何万人という多くの方が来られて、馬が坂を駆け上がるのを見て喜ばれます。そういう行事だけに、関係者の皆さんはそれぞれ真剣に馬を大切にし、騎手を選び、毎年町を挙げて活動しています。

新聞を見ていて、いかにも虐待をしていると受け取られたりすると、その伝統的な行事に水を差すことにならなければいいなと思っています。

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