霞が関文化を変える―公用車送迎の見直しと早出・遅出の推奨
先週の金曜日(1日)の朝、すべての閣僚がメンバーの行政改革実行本部を開き、いくつかの大事なことを決めさせていただきました。その中で、今日は2つ申し上げたいと思います。
「霞が関文化」を変えるということで、いろいろな改革に取り組んでいます。新聞や雑誌の予算を3割カットすることもその一環だったわけですが、今回2つのことを新たに決めました。
1つは、公用車の送迎を、局長以上に限定するということです。
今は各省庁の部長以上の方々を、朝夕、公用車により送り迎えをしています。もちろん、辞退されている方もいらっしゃいますが、多くの幹部職員が利用しています。
ただ、民間の会社を見ると、一昔前ならともかく、今では本当に限られた人にしか車の送迎はありません。
一口に送迎と言いましても、遠くに住んでいれば、9時に霞が関に着こうとすると、7時代には家を出なくてはいけません。そのために運転手の方は、相当早く霞が関から迎えに行かなければならず、残業代もかさむということです。
やはり、局長以上に送迎は限定し、あとは職種によって、緊急に集まらなくてはならないなど、特別な仕事に就いている部長以上の方々については、引き続き送迎を認めていく、という方針を出しました。
内閣府に確認をしてみたところ、これで、車の送迎は半分になるという結果が出ました。各省庁には、これからその作業をお願するということです。
もちろん、唐突に言ったわけではなく、各省庁には事前によく説明をし、根回しをした上で、行革実行本部で方針を決定したということです。
その分車は、部長、課長補佐、その他職員であっても、昼間国会に急に呼ばれたり、急いだりする時には、公用車を皆で活用していけばいいと思います。
もちろん、将来的には、公用車を削減していくことにもつながっていくと思いますが、まずは朝夕の送り迎えを削減するということです。
そしてもう1つは、「早出・遅出」という言葉が、霞が関にはあります。
仕事が遅くなったり、いろいろな都合があったりするときに、勤務時間の長さは変えずに、例えば、9時よりも早く7時や8時に来る、帰るのも早く帰る。あるいは、10時、11時に来る、その分帰る時間も遅くなる。そういった制度・仕組みが、既に国家公務員については法律上認められています。
研究職の方々は、よく活用されているのですが、なかなか本省では活用は非常に限られています。
しかし、子育て中のお母さんやお父さんなど、いろいろな理由で、少し時差的に出勤したいと思っておられる方は多いはずです。
そもそも、私は外務大臣の時に、外務省の女性職員の方々と話をしたときに、「フレックスタイムのようなものを導入できないか」との意見が出ました。
フレックスタイムということになりますと、より弾力化するということで、法改正も必要です。なかなかそこまで一遍にいくのは簡単ではありませんので、まずは、既にある「早出・遅出」制度を有効活用し、勤務時間帯を弾力的にすることで、仕事と生活のバランスを取りやすくする。そして、仕事の効率も上がるという考え方で、今回各大臣に、しっかりそれを進めていただくようにお願いしたところです。
この公用車の問題と、「早出・遅出」の問題、これらは第2弾、第3弾です。霞が関のいろいろな仕事の進め方を変えていく具体策は、私の下で、スタッフの皆さんが、非常に意欲的に、いろいろな検討をしてくれていますので、近い将来、第4弾、第5弾という形で、打ち出していきたいと思います。
目指すは、「霞が関文化」というものを変えていくという考え方で、今進めているところです。
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