価格転嫁と低所得者対策―一歩前に進んだ対策と、冷静な議論と
今日は、参議院の社会保障と税の一体改革特別委員会がなくて、代わりに、参議院の予算委員会の集中審議が行われました。
私も質問通告をお2人からいただいたのですが、その答弁以外は国会に出席する必要がなく、比較的その他の仕事を一生懸命させていただいています。そういう意味では、多少余裕がある一日です。
一体改革特別委員会での審議ですが、最近よく出る話が、頭からこの一体改革についての疑問を述べる、あるいは、社会保障が置き去りだ、という議論はかなり減りました。
もちろん、「社会保障が置き去り」というのは事実に反するわけで、全8本の法案の中で、税に関するものは2本、あとの6本は年金や子ども・子育てに関するものですから、「社会保障がない」「置き去りになっている」ということはないわけです。
その辺は大体浸透してきたということで、いま大きな課題になっているのが、価格転嫁の問題と複数税率、つまり所得が少ない方への対策です。
価格転嫁の問題は非常に重要な問題で、今回、短い期間の間(2015年10月)に消費税が5%上がりますから、それが最終的にきちんと価格に転嫁されないと、どこかが(5%分を)かぶることになり、大変なことになります。
流通の過程の中で、どこか弱いところにしわ寄せがされるとか、最終的に消費者がそういった価格転嫁を認めないということになると、特に厳しい状況に直面している力の弱い中小企業、零細企業にとっては、大変なことになるわけです。
そのために、いま政府が申し上げていることは、ひとつはPR。「消費税は最終的にきちんと価格に転嫁されるべき」というPR。
そして、消費税の負担をどこかに一方的に負わせるということになれば、不公正な取引方法に該当する可能性が高くなるわけで、独禁法や下請法の問題になる。その規制をしっかりやっていく、必要があれば法改正も視野に置く。
それから、チェック体制を作る。大きな声で取引先に「こういうことを強要されました」ということはなかなか言えないわけですから、密かに連絡を受けて取り締まれる、そういう体制を作るということ。
あるいは、業界で話し合って価格を上げるということが、現行法の価格カルテルに該当しないような特例を設けるなど、あらゆる対策をしっかりと取らなければいけないということです。
いままでと比べると、より一歩前に進んだ対策をしっかりとやっていかなければいけないと思っています。
もう1つは、低所得者対策としての複数税率・軽減税率、あるいは、給付付き税額控除の問題です。
政府・民主党としては、給付付き税額控除を主張しています。これはなかなか分かりにくいわけですが、消費税収の一部を所得の少ない方に現金でお返しするという仕組みです。
それに対して、複数税率は、ヨーロッパの国が採用しているように、例えば食料品に対しては5%、それ以外は10%というようなやり方のほうがよいのではないかという声が、特に公明党と自民党から出ているということです。
率直に言って、それぞれ一長一短あります。給付付き税額控除は、少ない財源で本当に必要なところに手当てできる、上手く機能すればそういうメリットがあります。しかし、本当に所得が少ないかどうかということを、どこまで正確に把握できるかという問題は残ります。
複数税率の方は、一見非常に分かりやすいというメリットはありますが、ヨーロッパを見てみると、食料品の中でも軽減税率の適用のあるものとないものがあると。そういうことになると、軽減税率の適用があるかないかで「天国と地獄」くらいの違いがありますから、政治的に陳情するなど、政治の介入の余地が拡大するという問題があります。
同じドーナツでも、持ち帰り用ドーナツとお店で食べるドーナツで税率が違う。あるいは、フランスではキャビアとフォアグラで税率が違うなど、ちょっと我々には理解不能ということも起きています。
どちらが果たしていいのかということについて、冷静な議論が必要で、民主・自民・公明3党間でも議論し、政府としても、現時点では給付付き税控除がいいと思っていますが、どちらの制度がいいかを、しっかりと議論しなければいけないと思っています。
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その辺は大体浸透してきたということで、いま大きな課題になっているのが、価格転嫁の問題と複数税率、つまり所得が少ない方への対策です。
価格転嫁の問題は非常に重要な問題で、今回、短い期間の間(2015年10月)に消費税が5%上がりますから、それが最終的にきちんと価格に転嫁されないと、どこかが(5%分を)かぶることになり、大変なことになります。
流通の過程の中で、どこか弱いところにしわ寄せがされるとか、最終的に消費者がそういった価格転嫁を認めないということになると、特に厳しい状況に直面している力の弱い中小企業、零細企業にとっては、大変なことになるわけです。
そのために、いま政府が申し上げていることは、ひとつはPR。「消費税は最終的にきちんと価格に転嫁されるべき」というPR。
そして、消費税の負担をどこかに一方的に負わせるということになれば、不公正な取引方法に該当する可能性が高くなるわけで、独禁法や下請法の問題になる。その規制をしっかりやっていく、必要があれば法改正も視野に置く。
それから、チェック体制を作る。大きな声で取引先に「こういうことを強要されました」ということはなかなか言えないわけですから、密かに連絡を受けて取り締まれる、そういう体制を作るということ。
あるいは、業界で話し合って価格を上げるということが、現行法の価格カルテルに該当しないような特例を設けるなど、あらゆる対策をしっかりと取らなければいけないということです。
いままでと比べると、より一歩前に進んだ対策をしっかりとやっていかなければいけないと思っています。
もう1つは、低所得者対策としての複数税率・軽減税率、あるいは、給付付き税額控除の問題です。
政府・民主党としては、給付付き税額控除を主張しています。これはなかなか分かりにくいわけですが、消費税収の一部を所得の少ない方に現金でお返しするという仕組みです。
それに対して、複数税率は、ヨーロッパの国が採用しているように、例えば食料品に対しては5%、それ以外は10%というようなやり方のほうがよいのではないかという声が、特に公明党と自民党から出ているということです。
率直に言って、それぞれ一長一短あります。給付付き税額控除は、少ない財源で本当に必要なところに手当てできる、上手く機能すればそういうメリットがあります。しかし、本当に所得が少ないかどうかということを、どこまで正確に把握できるかという問題は残ります。
複数税率の方は、一見非常に分かりやすいというメリットはありますが、ヨーロッパを見てみると、食料品の中でも軽減税率の適用のあるものとないものがあると。そういうことになると、軽減税率の適用があるかないかで「天国と地獄」くらいの違いがありますから、政治的に陳情するなど、政治の介入の余地が拡大するという問題があります。
同じドーナツでも、持ち帰り用ドーナツとお店で食べるドーナツで税率が違う。あるいは、フランスではキャビアとフォアグラで税率が違うなど、ちょっと我々には理解不能ということも起きています。
どちらが果たしていいのかということについて、冷静な議論が必要で、民主・自民・公明3党間でも議論し、政府としても、現時点では給付付き税控除がいいと思っていますが、どちらの制度がいいかを、しっかりと議論しなければいけないと思っています。
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