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2012.08.07|TALK-ABOUT [ブログ]

閣議議事録作成の検討―かなり深い問題、専門家の議論を経て結論


先般、閣議や閣僚懇談会での議事録や議事要旨を作るべきかどうか、そしてそれを将来どういう形で公開していくかということに関する検討チームがスタートしました。

私と官房長官を共同議長として、公文書管理や情報公開の有識者の皆さんに集まっていただいて、議論をスタートさせたところです。「10月いっぱいくらいまでには結論を出していただきたい」と私は申し上げました。

そもそもこの会は、公文書管理、特に東日本大震災の時の記録が十分に残っていないという反省からスタートしました。

よく考えてみると、国の最終的な意思決定をする場である閣議、閣議に関連して閣僚が自由に意見交換する閣僚懇談会において、議事録がそもそも取られていないということは果たして妥当なのかという私の問題意識で、まず内部で議論した上で、今回のチームを立ち上げたわけです。

結論的には私は、そういった閣議や閣僚懇談会で閣僚同士がどういうやり取りをしたのか、なぜ国として最終的な意思決定に至ったのかということについて、後の世に検証するための材料はきちんと残すべきだと考えます。内閣制度発足以来、記録は取らないでやってきましたが、それは果たして妥当なのかという問題です。

他方で、議事録などを作りますと、これは基本的には情報公開法の対象になります。情報公開法に基づいて情報公開を求められた場合に、それを開示しないということは、現行法上はなかなか難しい場合が多い。

しかし、そういった政治的な最終的な意思決定のやり取りについて、あまり公開を急ぎ過ぎると、結局その場で自由に真剣に意見交換することなく、別の場でそれを行うと。そして、閣議や閣僚懇談会は形式的な場になってしまうというジレンマもあるわけです。

多くの国々はそれぞれいろいろな制度を持っていますが、ドイツやイギリスなど調べると、基本的には情報公開しない。しかし、30年程度経ればオープンにするという仕組みを取っているようです。

私が大臣を務めた外務省でも、外交文書について、国の安全に関わるような問題については、30年後に公開することにしているわけです。

そういったことを考えると、ここは専門家にきちんと議論していただいたほうがいい。歴史的な後の検証に堪えるように記録を残すべきだという話と、しかし、そのことは情報公開制度に影響を及ぼしかねない。ではどういう場合に情報公開を認めるのか、認めないのか。

そういうことについて、専門家にしっかりとした議論を行っていただいた上で、内閣として結論を出そうと考えて、議論をスタートさせたわけです。

これは、かなり深い問題であるということは申し上げておきたいと思います。

国の最高意思決定のありようを残す必要がある。将来の情報公開も必要がある。しかし、あまりそれを急ぎ過ぎると、結局様々な障害も出てきかねない。こういうなかで、どうバランスを取っていくかという問題です。

これは、これから一旦作ってしまえば、100年、200年と続いていく制度になると思います。したがって、しっかりとした議論を行った上で、多くの国民の皆様のご理解を得て、制度ができることを期待しているところです。

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