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2012.08.23|TALK-ABOUT [ブログ]

香港活動家の尖閣上陸―法に基づく強制送還は最善の政治的な判断

今日は香港の活動家の尖閣諸島上陸についてお話をしたいと思います。

予算委員会でも議論がなされましたので、中身については多くの方がご存知かと思います。

今回、日本の固有の領土である尖閣諸島に香港の活動家が上陸し、入管法(出入国管理及び難民認定法)に基づいて強制送還(退去強制)したという事案ですが、これに先行する2つの事案があります。

1つは、小泉政権の時代(2004年3月)に、同様に尖閣諸島に中国人が上陸し、同じように入管法に基づいて強制送還したというものです。かなり類似した事案ということが言えると思います。
ただ、小泉政権時においては、上陸したあとは、海上保安庁では逮捕できないため、沖縄県警の警察官を尖閣に派遣するのに時間がかかり、かなり長い時間上陸の状態を許したということがありました。

したがって、今回はあらかじめ、上陸という事態に備えて、沖縄県警の警察官が尖閣に待機し、逮捕しました。船に乗っていた活動家については、海上保安庁が身柄を拘束し、まとめて強制送還したというものです。

そういう意味では、前回の事案の問題点をきちんと把握をしたうえで、長時間上陸の状態を許さないということで、しっかり対応できたと思っています。

強制送還というのは、入管法の手続きにあり、他に犯罪の可能性がなければ強制送還できるという法律に基づいた手続きです。

もちろん、その際に、強制送還できるかどうかということは、1つの政治的判断でありますので、野田総理が最終的に判断したということです。

もし、公務執行妨害や傷害など、他の犯罪があるという事態になっていたとすれば、入管法に基づいて強制送還ということにはならず、逮捕のあと、送検し、起訴すべきかどうかということを判断しなければなりません。そういうことになれば、2年前の菅政権時代の事案(中国漁船衝突事件)と類似してくるということになります。

今回は、幸いにしてそういうところまで行かず、強制送還で終わったということですが、その他の犯罪行為があれば、起訴するかどうかの判断をしなければならないということです。

いずれにしても、こういったことが繰り返されるのはあってはならず、中国側、あるいは香港側に、そういうことが繰り返されないよう、日本国としても注意喚起すると同時に、不幸にして同じことが繰り返された場合に、きちんと対応できるような準備をしなければならない。そのために、政府としていま何をすべきかということについて、しっかりとした議論が必要だと思っています。

「弱腰だ」「起訴すべきだった」など、いろいろな議論があります。それはまさしく政治的な判断に関わるところで、最終的にこれは強制送還すべきであると政治的に判断したということです。そして、それが最善であると、私は思っています。

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