南海トラフ地震―何が効果的かを考え、即座に総合的な取り組みを
先般、南海トラフ地震による被害の想定額が220兆円という数字が出ました。
私も大変驚きましたが、防火対策や耐震化を進めれば、その被害総額が118兆円にまで半減できるということも、併せて提言がなされました。
この南海トラフ地震による被害想定は、国内総生産(GDP)の42%、東日本大震災の10倍を超える規模ということで、私の地元の三重県も含めてその対象になっていますが、これへの対応を急がなければならないということを改めて感じています。被害をなるべく減らし、人命が失われることに対して、最大限の努力をしなければなりません。
実は月曜日(18日)に、藤田大助前衆院議員とともに、三重県5区を1日かけて回る機会がありました。伊勢市や玉城町を中心に回りましたが、そのときに、海岸で漁業を主としてやっている地域の方のご意見を聞く機会もありました。
皆さんが大変心配しておられるのは、結局、2階建てを超える建物がないというなかで、巨大地震が起きたときに逃げ場 がなく、周りに山もない。そして、地域内の生活道路は、ブロック塀でも崩れれば車も通れなくなってしまう。そういう中で、いざというときのために、逃げる ための3~4建ての建物を是非確保してもらいたいという要望が、関係者の皆さんから出されました。
これは、非常に重要な話で、防潮堤などを整備するとしても、東日本大震災を見ても限界がある。そして、地域も非常に 広いため、例えば、リアス式海岸のところに防潮堤を整備するといっても、自ずから限界があるということであれば、逃げ場を作るため、近くの山に逃げやすい 道を確保したり、そういうものもなければ、建物を造るといった努力が求められていると感じました。
もちろん、そういった逃げ場を作ったとしても、お年寄りや障害者の方々をどうやってそこに誘導し、3階も4階もの階 段を上っていただくのか。あるいは、幼稚園児や保育園児などの子どもたちをどうやってそういったところに誘導していくのか。これはハードだけではなく、日 頃の訓練や教育を含めて総合的に取り組まなければならないと思います。
地域でそういうことにしっかりと取り組んでいくための基本的な音頭取りを、県が、そして何より国がやっていかなければならない。これは、あまり時間をかけるということではなく、即座に取り組まなければいけない問題だと思います。
ただ、こういう話に悪乗りをして、「国土強靭化」ということで、膨大なカネだけかけるというのは、方向性としていかがなものかと思います。何が一番効果的かということをよく考えて検討し、進めていかなければならないと思います。
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