1票の格差―自民案は改革の名に値せず、抜本的改革と大幅削減を
先ほど、民主党、維新の会、みんなの党3党の幹事長および選挙制度改革に関する実務者の会合を開き、定数の削減と選挙制度改革について、3点の合意をしました。
中身は、私が従来から申し上げている考え方と同じですが、1つは、自民党が3月14日に発表した、比例を基本的には2つに分けるという案について、極めて複雑で分かりにくい。
そして、比例の中で、第一党に投票した人の票が生きないという仕組みになっていますので、投票価値の平等の観点からも問題があり、憲法上の疑義を拡大させる。まさに、国民の権利と立場を顧みない、党利党略に基づくものであるというのが第1点です。
第2点は、比例区を現行の180議席から30減らすということになっていますが、これではとても足りない。政治家が身を切るという観点から、より大幅な削減を行うべきである。
第3に、昨年の臨時国会で成立した緊急是正法に基づく区割り改正法案、つまり、小選挙区を5つ減らすというものですが、その早期成立を自民党が主張しています。現在、区割り審(衆院選挙区画定審議会)で具体的な区割りを検討中です。
すでに札幌高裁と福岡高裁が、この緊急是正法は、1人別枠方式、つまり、47都道府県にまず1議席を配分したうえで、残り253議席を人口比例で割り振るという方式は、「違憲である」とした平成23年の最高裁判決の趣旨から見て、「質的に異なる」、「十分なものといえないことは明らか」などという判断がされています。
したがって、様々なところでこの問題についても議論されていますので、今後の司法判断を慎重に見極める必要があります。いずれにしても、小選挙区制度における1票の格差是正のための抜本的な見直しという観点が欠如している。
この3点を挙げたうえで、自民党案は改革の名に値しない。国民に分かりやすく、より抜本的な選挙制度改革と定数削減を今国会中に実現することが必要である。このように結論付けたものです。
今後、他の野党の皆さんにこの考え方を説明し、理解をいただくとともに、自民党・公明党に対して、自民党案ではなく、より抜本的な改革案と大幅な定数削減について、しっかりと議論していきたいと思っています。
小選挙区の削減も含めて、全体として大幅な定数の削減、そして、人口比例による1票の格差の是正をしっかりとやっていく必要があると考えています。
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