選挙制度改革―1票の価値の基本に立ち返り、分かりやすい制度を
高裁レベルで1票の格差を巡る判決が相次いでいます。
違憲とするものや、違憲だけではなく選挙を無効とするもの。無効も期限付きのもの、直ちに無効というものと、様々な判決が出ました。
今日で一応高裁レベルの判決は出そろうということですが、このことは、立法府の怠慢ということを厳しく指摘されています。まさしく、対応が遅れていることは、我々議会人として恥じなければいけないと思っています。
そういうなかで、昨日は党の政治改革推進本部を開催し、いくつかの確認をしました。
既に申し上げたように、自民党案の比例30議席削減は不十分。しかも、比例を2つに分け、比例の第2枠については、第2党以下に配分するというのは憲法上の疑義を免れない。そして、小選挙区を5つ減らすということについても、結局、47都道府県にまず1議席を配分することが「憲法違反」という最高裁の判決に沿ったものになっていない。
したがって、5減案に基づく区割りが間もなく出ますが、高裁レベルで無効判決が少なくとも2つ出ているにもかかわらず、それを法律の形にするのは、慎重に考えるべきだと。つまり、高裁レベルで明らかに違憲だという判決が出ているにもかかわらず、それを無視して区割りの法律を通すということについては、慎重であるべきだということを確認しました。
問題は、ではどういう案を我が党として考え、各党に呼びかけるかということです。この点に関して、比例だけ減らすということになれば、少数政党の賛同は得にくい。しかし、比例を2つに分けるという考え方は、憲法上の疑義は免れない。
したがって、比例は減らすが、同時に小選挙区も減らすという考え方に立ち返ることが、一番分かりやすく、各党の賛同を得られる可能性があるのではないかということを確認しました。
我々は、80議席の削減ということを言っています。例えば、小選挙区では30を減らし、比例で50を減らすというようなことはできないかという提案を、私からさせていただき、そのことについて後ろ向きの発言はありませんでした。
もちろん、小選挙区を30減らすということになれば、ほとんどの都道府県で1減らし、東京や神奈川などでは議席が増えるということになるわけですが、基数配分がなくなるだけに、1票の格差は一定の範囲の中に納まります。そして、比例が50減り、トータル80減るということになるわけです。
こういう考え方を基本としつつ、具体的な案を早期にとりまとめ、各党に呼びかけていきたいと思います。
国民に分かりやすい制度、そして憲法上の要請、つまり、1票の価値というものの基本に立ち返って考えると、こういう案がベストではないかと思っているところです。
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