経済連携―民主党政権の努力が水泡に帰さぬようさらなる前進を
日本と他国との経済連携協定、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定については、先般、日本政府として交渉参加の意思表明がありました。これからしっかり事前交渉し、早く交渉参加という段階になるように、安倍政権としても是非努力してもらいたいと思います。
そのことに加えて、今週のニュースとして、日中韓の自由貿易協定(FTA)の事務レベルでの話し合いがスタートしました。そして、日本とEUとの経済連携協定(EPA)についても、交渉が再開されたという報道がなされました。
実は、この日中韓、そして日本とEU、それに加えてASEAN+日中韓+インド、オーストラリア、ニュージーランド、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)と言いますが、この3つの交渉は、TPPと並んで、民主党政権時代に相当な努力を積み重ね、総選挙の少し前に、事実上交渉を始めるということが合意されたものです。
日中韓とRCEPはもちろんですが、特に日EUの経済連携協定は、政権交代で私が外務大臣に就任し、いろいろ説明を聞くと、事実上EU側は日本と交渉する気がほとんどなく、誠実な交渉がなされていないという状況でした。
実は、他にも2国間の経済連携協定というものがいくつかあったわけです。それを何とか立ち上げて下交渉をし、私が外務大臣を辞めて、その後、副総理のときに規制改革が担当でもありましたので、規制改革会議で議論をしました。そして、EU側の主張についても盛り込むという形で、日本政府の態度をはっきりさせました。
そういった様々な努力の積み重ね、これはもちろん政治レベルだけではなく、事務方も含めて、大いなる努力の積み重ねがあって、日EUの交渉が再開されたということです。
ただし、EU側は、進展が見られなければ1年で打ち切るということも言っていますので、ここは安倍政権にも是非努力してもらいたいと思います。
このマルチの経済連携協定については、民主党政権の前の自公政権の時代、あまり熱心だとは言えませんでした。そういった事実上動いていなかったという話があったわけですから、安倍政権には是非頑張って前に進めてもらいたいと思います。
我々が積み重ねた努力、それが無駄にならないように、しっかりとリーダーシップを発揮してもらいたいと思います。
EU側は、アメリカとの交渉もスタートさせるということで、EUとアメリカと日本が1つになる。そして、アジア太平洋でTPP、アジアでRCEPや日中韓。これだけのものが揃うと、自由貿易や経済の自由化というものの基盤ができるわけです。
そして、そのいずれにも属しているのが日本だということで、将来の日本の成長戦略にとって、まさしくキーになる話だと思います。
しっかりと交渉してもらいたいし、我々のいままでの努力が結局水泡に帰すということにならないように、頑張ってもらいたいと思います。我々も、しっかりと後押しすべきことは後押しをして、前に進めたいと思っています。
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