一票の格差是正―橋下市長と民主党の考えは一致、最高裁判決を踏まえた改革を
先週末、島根県、鳥取県を訪れました。
これは、今回党で議論している、小選挙区で30議席減らし、かつ人口比例で定数を割り振った場合に、島根、鳥取両県の衆議院の定数が現在の2から1になってしまうということで、説明と理解を深めていただくためにお訪ねし、県連の関係者と意見交換をしました。
結論から申し上げると、完全に「分かった」ということにはなりませんでしたが、理解は深まったと思います。
衆議院の定数を47都道府県に1議席ずつ配分したうえで、残り253議席を比例で配分するというやり方(基数配分、1人別枠方式)は、いまや憲法上の合理性がないと最高裁が判断しました。
したがって、この基数配分をやめて、人口比例だけで割り振るということになれば、少なくとも鳥取は1議席になり、衆議院の小選挙区を30議席減らすということも加わると、島根も1議席になってしまうということです。
他の選挙区では、例えば三重県でも5が4になるわけですが、5が4になるのと2が1になるのとでは大分意味合いが違いますので、丁寧に説明しようということで、私自身が訪問させていただきました。
当然のことながら、県連・県議会の皆さんからは、「これは地方軽視につながるのではないか」という懸念が表明されました。そういう声は、定数1になる県からは当然出てくるし、住民感情としてもそうだろうと思います。
ただ、最高裁が、こういった基数配分は憲法上合理性がないと言った以上、少なくとも鳥取県は、小選挙区300議席を前提にしても、定数1にならざるを得ないわけです。
最高裁が挙げている理由として、国会議員というのはその地方のことだけ考えるものではない(全国民の代表)。したがって、大都市出身の議員であっても、地方のことは当然考えなければいけないし、その地方の代表というのは、地方の代弁者ということだけの意味合いではないということを、最高裁は述べているわけです。憲法解釈を最高裁が下した以上、当然しっかりと受け止めなければならないと思っています。
鳥取は1になるにもかかわらず、それを無理に2にし、人口最小の選挙区である鳥取2区の2倍以内に一票の格差が収まるよう、都道府県の配分は変えずにあちこちを削ったり加えたりして、いわば小手先で対応したというのが、0増5減案です。
ここはやはり、きちんと最高裁の判決を踏まえたものにすべきだということを、改めて申し上げたいと思います。
大阪の橋下さんが、21増21減ということを言い出し始めました。
これは、300議席を前提に人口比例で割り振ると、21の都道府県で減り、21の都道府県でプラスになる。基本的に、東京や神奈川で増えて、多くの県で1議席減るというものです。
我々は、それに小選挙区30議席を減らすということを加えていますので、それよりも変化はさらに大きなものとなります。
しかし、基本的に人口比例で、最高裁の判例に従ってやるべきだということは、橋下さんの考え方と我々の考え方は一致しているということですので、定数削減というものをどう考えるかについて、しっかりと両党間で議論すれば、私は合意が満たし得るのではないかと思っています。
いずれにしても、これから国会の中でしっかりと議論していきたいと思っています。
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