政府CIO―IT化で効率的な政府へ、本気になって体制作りを
前回、個人番号(マイナンバー)制の法案の話をしましたが、実は、それと同時に政府CIO(内閣情報通信政策監)の法案も可決されました。
政府CIOというのは、政府の中のIT(情報技術)についての責任者を明確に定めるという法律です。
政府のIT化というのは、共通番号の導入だけではなく、その他にも様々な課題があるわけですが、アメリカ政府や韓国政府と比べると、明らかに日本は遅れをとってきました。
その結果として、政府の中の情報化が遅れたり、バラバラで非効率であったりという問題が発生してきました。
政府の中で、高い権威と実力を持ってIT化について全体をしっかり監督する。そういう政府CIOを設置するということが、法律で根拠づけられたわけです。
実は、私が副総理のときに、古川IT担当大臣と相談をしながら、政府CIOというポストを作り、民間から、専門家であり、経団連の中で長らくこの問題をリードしてこられた遠藤紘一さんにCIOになってもらいました。
今回、その政府CIOが、法律の根拠を持ったものになるということは、大きな前進です。
政府CIO設置を政治主導で実現した私たちにとっても、今回、それがきちんとした形で位置づけられるということは、非常に嬉しいことだと思っています。
ただ、政府CIOがしっかり仕事をするためには、総理大臣や官房長官がその後ろ盾となってやっていかなければなりません。
各省庁見ていると、IT化に非常に熱心に取り組んで成果も上げている役所もあれば、ほとんどそういったことに関心がないという役所もあります。
民間企業であれば、大きな銀行、メーカー、商社など、IT化にまさしく企業の存亡をかけて取り組んでいて、専門のスタッフも数百人いるということも珍しくありません。
政府はそれに比べると、まだ体制ができていないわけで、単にCIOを置いただけではなくて、本気になって体制作りを進めていかなければならない。そして、そのことが、全体の効率的な政府を作る大きな手段になるということです。
単に誰が見てもわかるムダを廃するのではなく、こういったIT化によって、効率的な政府を作っていくということは、それを超える大きな効果があるということです。同時に、利用者にとっても利便性が高まるということでもあります。
この政府CIOを、是非しっかりと活かしてもらいたいと思います。
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