被災地視察―未来志向の前向きな動きやNPOの活躍に力づけられ
前回に引き続いて、ゴールデンウィークの間に訪れた被災地の話を少ししたいと思います。
4日、5日、6日と3日間に渡って、岩手、宮城、福島とそれぞれ歩いてきました。今回は、私の事務所のスタッフとともに、2人で回ってきたわけですが、非常に明るい側面も見ることができたと思います。
まず、南三陸は、幹事長時代(2011年4月)に訪れて、あまりにも厳しい状況に言葉もないような強い印象を持ちました。もちろん、ほとんどの建物は津波でなくなってしまったままで、そういう意味では、復興はまだまだこれからということではあります。しかし、新しい前向きな動きもいくつかあるということが確認できました。
漁協の皆さんがやっている直売所では、ホタテが1つ100円ということで、朝取れてきたものを直売しているわけです。近所から、あるいは、遠くの方も車で訪れて、列を作ってホタテやホヤを買っており、非常に活気が感じられました。
あるいは、「南三陸さんさん商店街」では、多くの店が1カ所に集まって、仮設の店舗を開いています。ちょうど行ったときには、うに丼をいくつかのお店が競うように出していて、昼前であったにもかかわらず、多くの方が列をなして楽しんでおられました。
連休中は、1日2万人程度の方が訪れるということで、大変盛況で、非常に厳しい局面にあるなかで、嬉しい話だと思いました。
そのほか、宮城県の山元町では、イチゴの栽培。もともと山元、亘理というのはイチゴの栽培で知られたところでしたが、今回大きな被害を受けて、いままでの露地栽培から水耕栽培に切り替え、国の補助金も使って大きなハウスも建て、そこで生産性の高いイチゴ栽培に取り組んでいます。
ある意味では実験的な取り組みですが、将来の農業を先取りした取り組みが行われていることは、非常に嬉しいことでした。
そして、幹事長時代に私もお手伝いした「森の長城プロジェクト」。これは、会長は宮城県の日置さんという住職の方がやっておられますが、バックアップしているのは、細川元総理や横浜国立大学の宮脇先生です。
被災地に土手を造って、土手の下にがれきを入れ、土手に木を植えてグリーンベルトを造ろうという構想です。私が行ったのは岩沼市で、仙台空港から非常に近いところにありますが、そこに木が植えられる予定地がすでに造成されていました。
これは非常に夢のあるプロジェクトで、防災にもなり、しかも木を植えるということが1つの鎮魂といいますか、災害に遭った方々にとっても、将来の生き甲斐につながるのではないかと思っています。
いま申し上げた様々なプロジェクトにもう1つ付け加えると、南相馬で桜井市長と一緒に見に行ったレタスの野菜工場です。大きな温室にソーラーパネルを組み合わせた、新しい試みも見ることができました。
そういった、いわば被災地だからこそ取り組むことのできる、未来志向のプロジェクトがいろいろ立ち上がっているということは、非常に力づけられました。
そして、行政もそうですが、同時に各地で活躍しているのがNPOの皆さんです。若い皆さんが、地域の皆さんと一緒になって、あるいは、地域のNPOが頑張っている姿も非常に印象的です。
もちろん、安定して働く場がまだまだ十分ではない。そして何よりも、生活の場。仮設住宅からなかなか脱却できない人が大多数という厳しいなかではありますが、前向きな動きを直接見ることができたのは、私にとって1つの収穫でした。
やはり、ときどき被災地に行って現場を見て、多くの方々と意見交換しながら、被災地の復興に向けて、政治家としてしっかりと努力しなければならないと、改めて感じた次第です。
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