予算委員会―選挙制度改革、集団的自衛権、歴史認識について質疑
衆議院の予算委員会が、昨日(21日)と今日(22日)開催されました。
私は、今日9時から35分間、質問に立ちました。非常に短い時間だったため、経済の問題や財政再建について触れることすらできなかったのは、非常に残念でした。
不十分な時間ではありましたが、1票の価値をはじめとする衆議院の選挙制度改革や集団的自衛権、日韓関係と歴史認識について議論をすることができました。
詳細は、近日、議事録をホームページに載せますのでそれをご覧いただきたいと思いますが、私が感じたポイントを簡潔に申し上げたいと思います。
1つは、選挙制度改革について、いまの小選挙区を5つ減らして295にするという、すでに成立しているこの考え方(5減案)では十分ではない。次の総選挙までに小選挙区を、さらに1票の価値をより平等にする。この5減案では最大格差は1.998倍という数字ですが、すぐに2倍を超えることは明らかですので、より1票の価値を平等にすると同時に小選挙区も減らす。小選挙区と比例をそれぞれ減らす(定数削減)ということで、いまの均衡を保つということを私は申し上げました。
安倍総理は、295の小選挙区はもう終わった話で、それをさらにいじるつもりはないという思いであることが透けて見えたのが1つです。これでは、1票の価値の平等化と定数の削減は結局できないことになる。5減案だけで食い逃げすることになりかねないのは非常に心配です。
集団的自衛権については、やはり憲法9条の本質にまで戻った議論が必要だというのが、私の提案でした。
もし、集団的自衛権まで認めるということになると、憲法9条は、海外における武力行使について、侵略戦争以外のことは禁じていないということになる。そうすると、日本国憲法というのは他の憲法と同じで、侵略戦争を禁じただけということになるが、本当にそれでいいのかと。
もし、そういう武力行使について抑制的な日本国憲法の大きな柱を変えてしまうということであれば、それは憲法改正論議で行うべきで、一内閣が解釈で簡単に変える話では断じてないと申し上げました。
安倍さんの答弁は、「いま懇談会で検討中」ということで、まともな答えは返ってきませんでした。
そして、日韓関係については、韓国側にもいろいろ問題があるにせよ、いままでの内閣が築き上げてきた村山談話、小泉談話、小渕首相のときの日韓共同宣言で、植民地支配について反省するということを明確に述べています。
安倍さんは、「村山談話を全体として引き継ぐ」と言いながら、植民地支配があったことについて、明確に認めていません。今日の議論でも、「植民支配がなかったとは言っていない」、「植民地支配を否定したことはない」という言い方はされますが、正面から植民地支配を認めることはしない。これは従来の歴代内閣の路線から見ると、完全に後退しています。
これでは、首脳会談ということに対して、敷居を上げて「ドアはオープンです」と言っても、韓国側もなかなか議論に入ってきにくいということだと思います。この点は、非常に大きな問題として残ったという感じがします。
いずれにしても、そういったことについて議論をさせていただきました。また機会があれば、大いにしっかりと骨太の議論をしていきたいと思っています。
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