秘密保護法案―民主的統制の視点欠如、極めてバランスの悪い法案
今日は、特定秘密保護法案について一言お話ししたいと思います。
かなり議論が煮詰まってきたという話もされますが、これは相当慎重に考えなければならないと私は思います。
政府というのは、基本的に隠すものだという認識を持っていなければなりません。
政府は自分に都合の悪い情報は隠すため、それをきちんとチェックし、民主的な統制をするという観点から、情報公開や公文書管理について、30年経ったら原則公開するという仕組みがビルトインされているということが必要です。
政府としてどうしても守らなければならない特別の秘密があることについては、私も同意しています。しかし、その範囲は極めて限定されなければならず、それに該当するかどうかを第三者がチェックできる仕組みがビルトインされている必要があると考えています。
基本的になるべく秘密を隠したい政府とそれを民主的に統制していく国民、そのバランスのとれた仕組みでなければならないにもかかわらず、今回の法案は、その民主的統制という視点が全く欠如した極めてバランスの悪い法案です。
みんなの党が、総理に第三者的な役割を負わせることで前進がある、と主張しているようです。これは全く理解しがたいことで、政府対国民という関係において論じられるべき問題です。総理大臣はその政府のトップであり、総理大臣が第三者的になるということは全くあり得ないわけです。
しっかりとした議論をして、後で悔いることのないようにしなければいけない極めて重要な法案だと思っています。
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