施政方針演説―もう少し謙虚に、色々な人の力で今日の成果がある
今日からいよいよ国会が始まりました。
今日は、安倍総理はじめ、関係大臣の演説がありました。安倍総理の施政方針演説を聞いて、私の率直な感想を申し上げたいと思います。
安倍総理は、いろいろな出来事の中のいい話を選んでお話しになったと思います。これも1つの演説の仕方だと思いますが、同時に厳しい側面も国民の皆さんに率直に話をして、そういったことについて共通認識を持ち、困難に挑んでいこうという場面があってもよかったのではないかと思います。
明るい話やいい話で引っ張っていこうという意図はわかりますが、もう少し率直に現実をお話しになるべきではなかったかと思います。
そして、安倍さんの話を聞いていて、いいことをいろいろお話しになったと言いましたが、それが自分の成果であるということを強調されていました。
例えば、被災地の問題について、福島沖で運転を始めた浮体式洋上風力発電や、宮城の大規模ハウスで栽培された甘いイチゴを、「成果」として誇られました。
しかし、こういったものは、実は安倍政権ではなくて、民主党政権時代にすでに補助金が付いたり、制度設計されて動き出していたものです。それが具体的形になったのが最近だということです。
別にそこまで詳しく言ってもらいたいという気持ちはありませんが、その直後に安倍さんは、「1年半前、見通しすらなかった高台移転や災害公営住宅の建設は、6割を超える事業がスタートしました」と言われました。こういう問題も、地元での話し合いを重視して、話し合いがついたものから順次スタートしていき、国が強権的にやるものではないという考え方に基づいて進めてきたものです。
安倍さんの話だと、悪いのはすべて民主党であり、自分が全部それを良くしたと聞こえかねないくだりだったと思います。
観光立国についても、1000万人を超え、これから2000万人目指して頑張ろう、ということを言われたのはいいのですが、これは民主党政権になって、ビザの発給緩和はじめ、大胆に観光立国の旗を掲げて進めてきた、その延長線上にある話です。
これは1つの例ですが、ダメだったことは人のせいに、良かったことは自分のお陰だということが目立つのが、安倍さんの演説の特徴です。
自らの成果を強調したい気持ちはわかりますが、やはりもう少し謙虚に、色々な人の力があって今日の成果があるということを、もう少し出されたほうがいいのではないかと思います。
「手柄は人のもの」というのは竹下元総理の言葉ですが、悪いのは人だ、手柄は全部自分のお陰だ、というリーダーでは、自民党の中も含めて、なかなかついていけないという声が強まってくるのではないか、もう少し余裕を持ってやられたほうがいいのではないか、というのが私の率直な感じでした。
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