集団的自衛権―国会論議なしで憲法解釈の変更は到底認められない
今日(20日)の予算委員会の集中審議で、安倍総理と議論し、いま私は暗澹(あんたん)たる気分になっています。
集団的自衛権の問題を非常に強引に前に進めるという、安倍総理の思惑がはっきりと伝わってきました。
いま、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」で議論しており、4月に結論が出ると言われています。
その後の手続きについて、私は想定されるスケジュールを示しました。
安倍総理は、4月に懇談会の結論が出て、与党で調整し、政府内で最終的に解釈を固める。そして、閣議決定したうえで、具体的な自衛隊法や個別法の改正案を国会に提出し、そのときに国会で議論してもらえばいい、という説明でした。
ここの最大の問題は、閣議決定するまでに国会で十分な議論をする時間が取れないということを、安倍総理がはっきりと明言したことです。
本来、昨年12月に懇談会の結論が出るはずでしたが、意図的に遅らせている可能性も高いと思います。4月にそれが出れば、与党調整で6月となり、国会は終わってしまいます。そして、国会で議論ができないまま閣議決定を勝手にやってしまう。
そこから、数カ月、あるいは半年ほどかけて法案を練って、国会に法案が出てくるころには、集団的自衛権を憲法が認めているという解釈が長時間経っており、既成事実化している。国会はその間やっていませんので、議論ができない状態ということになるわけです。
繰り返し言っているように、集団的自衛権を認めるというのは、海外で自衛隊が武力行使をするということで、戦後ずっと、それはやらないということが我が国の憲法9条の解釈でした。これを変えるわけですので、極めて大きな路線変更です。それを国会の議論もなしに勝手に政府で決めてしまう。
いま議論をすれば、「懇談会で議論をしている最中だ」ということで政府の考え方を述べず、国会が終わってから閣議決定をいきなりするというのは、非常に問題があります。
私は、「議会人として、到底認められない」と申し上げました。
集団的自衛権に賛成している与党の皆さんも含めて、こういった政府の物事の進め方にもっと危機感を持つべきだと思います。
自民党が選挙の中で約束していた、安全保障基本法を作ったうえで、各法律を作るという公約も、今日の生活の党の議員への答弁の中で、総理は基本法について言及しませんでした。総理が述べたスケジュールから見ても、基本法はやらないと決めているようにも思えます。
ますます歯止めがないなかで、政府が勝手に憲法解釈を大きく変えるということがまかり通ろうとしています。これは、非常に大きな危機感を持つべき話だと、今日つくづく感じました。しっかりしなければいけないと思います。
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