マレーシア訪問─地域に根差し、一緒に考え、前進する日系企業
先週1週間、長妻昭衆議院議員と一緒に、マレーシアとフィリピンを訪れました。いずれも私が外務大臣時に訪れていない国でしたので、今回訪ねてみました。
今日は、そのうちのマレーシアについてお話ししたいと思います。
マレーシアは1人あたりGDPが1万ドルを超えていて、ASEANの中でも非常に所得の高い国です。2020年に先進国入りを目指すというのが国の大きな目標で、少なくとも6割を超える国民がイスラム教徒ですが、イスラム国の中で最も経済成長の先頭を走っている国ということが言えると思います。
このマレーシアは、以前から「ルックイースト」ということで、非常に親日的であり、日本に学べということをスローガンとして掲げてきた、そういう国でもあります。今回はこのマレーシアを訪ねて、特に日本の工場を視察したときのことをお話ししたいと思います。
視察したのは、「味の素」と「プロドゥア」という自動車会社です。
味の素はASEANに非常に早く展開をされて、それぞれの地域に根差した製品づくりをしておられます。イスラム教ですから独特のルールがありますが、それに沿って、家庭用・業務用調味料をはじめ、様々なものを生産しておられます。非常に地域に根付いた企業・工場だと思いました。
プロドゥアのほうですが、マレーシアでは、国の方針で「プロトン」と「プロドゥア」という2つの国営自動車会社が設立されています。プロトンのほうは、以前は三菱自動車との関係がありましたが、現在はなくなっていると聞いています。そして、プロドゥアはダイハツとの技術的な協力、資本も受け入れて、独自の車づくりをしているということです。
プロドゥアの工場を訪ねて思ったことは、日本のものづくりの現場に非常にならって、整理整頓とか、あるいはいろいろな、例えばエンジンの構造や車の構造をそこで働く人たちが共有しながら、自分のやっていることだけではなくて、全体を見ながら仕事がなされ、それでモチベーションが上がるといった様々な取り組みをして、プロドゥア自身は他の外国、欧米や日本メーカーとの競争の中で、しっかりシェアを確保しているということでした。
日本のものづくりの経験を活かし、日本の支援で車づくりをしている。ダイハツの皆さんにも、大変なご苦労はあると思います。いろんな習慣も違うし、そして競争も激しいですが、その中でしっかりと業績を上げておられる、そのことが印象的でした。
これから、TPPなどASEAN全体の中での貿易の自由化が進んできますと、タイやインドネシアとの競争も本格化していきます。そういう中で、どうやったら生き残り、発展が出来るかということを、ダイハツの皆さんとマレーシアの皆さんが一緒になって考え、そして力強く前進している。非常に印象的でした。
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