予算委質問②─人質事件での官邸の対応は危機管理上大きな問題
予算委員会で私が指摘した第2点ですが、これはフリージャーナリストの後藤健二さんがシリアで人質になって以来の官邸の対応の問題、あるいは官邸の危機管理一般の問題です。
12月3日に、後藤さんの奥様へのメールで後藤さんが何者かに捕えられたらしいということが判明したと。それから例の脅迫の画像が流れるまでの間、つまり1月20日ですが、一体、政府は何をしていたのか、ということを取り上げました。
私が問題にしたのは、官房長官が衆議院選挙、これは12月2日に始まったのですが、衆議院選挙の間、官房長官がほとんど官邸にいなかった。夜だけは東京に戻っていましたが、昼間は全国を遊説していたということです。今までの自民党内閣でもこういうことはなかったと思います。
民主党政権の時の藤村官房長官は1日しか地元に戻っていません。朝からずっと官邸にいたわけです。従来の自民党内閣もそうしてきた。つまり、官房長官は基本的に官邸周りにいると。官邸周りを離れることができるのは、総理が代わりにいるときだけだと。これが不文律であり、非常に重要なルールです。それを全く無視して、官房長官は全国を遊説していた。
12月3日も、そのメールが判明した日ですが、官房長官が東京に戻ったのは、おそらく21時近くになっていたのではないか。もっと早く帰っていれば対応できたはずだということを指摘しました。
官房長官は、12月19日までは後藤さんが本当に囚われの身なのかどうかははっきりしなかった、それ以降はちゃんと対応があったが、それまでははっきりしなかったということを言われました。
この点は翌日、辻元清美議員が、年末年始の総理の日程はどうなっていたのか、公邸にも泊まらず、ホテルにいて、ゴルフとか、あるいはフィットネスとか、映画を観に行くとか、全く緊張感を欠いた日々だったのではないか。もちろん総理がどのような息抜きをされるのかは自由ですが、12月19日以降が大変な対応を迫られたという官房長官の答弁とは全然違う状況ではないかということ指摘したわけです。
いずれにしても、私はこの人質事件について、本当に万全を尽くしたと言えるのか、ということを申し上げました。あわせて、総理、官房長官がいずれも官邸にいないということを、「選挙だから当然だ」と言って開き直る、そういう姿勢でこの国の安全は本当に守れるのか、ということも指摘しました。
いつテロが起きるか分からない、当時はエボラ出血熱の国内での感染が心配されていた時期、北朝鮮だって何をするか分からない、そういう中にあって、平気で総理も官房長官も、事務方にあるいは官房副長官に任せて官邸を空けているというのは、私からすると全く理解のできない対応です。
そういったことを指摘し、時に激しい議論になりました。総理がヤジったりしておられましたが、私は本当に日本国総理大臣として、これは深刻に、真剣に考えてもらいたい問題だと思います。
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