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2015.06.17|TALK-ABOUT [ブログ]

党首討論─もう少し前向きな議論になるよう噛み合った総理答弁を

150617


今日は党首討論が行われました。私は基本的なことを3つ総理にお聞きしたのですが、いずれも例によって、何の答えもありませんでした。

第1に聞いたのは、集団的自衛権を今までの政府解釈を変えて「認める」ということにした、その理由に関してです。

政府は「それは我が国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容したからである」と述べています。論理としては、私は受け入れられないのですが、しかし、仮にその立場に立ったとして、安倍総理がいつも第1の事例として挙げておられる、ホルムズ海峡を機雷封鎖されて、それを自衛隊が行って武力行使する、つまり機雷除去するというケースについてです。


ホルムズ海峡について、安全保障環境が根本的に変容したと言えるのかと私が聞いたら、全く答えはありませんでした。それは答えられないと思います。根本的にホルムズ海峡で安全保障環境が変容したということはないのです。

しかし、集団的自衛権の行使が必要になった理由として、そういった安全保障環境の根本的変容を挙げられているのであれば、第1の事例として、総理がいつも取り上げられるホルムズ海峡について説明できないのは、論理的に破綻しているということだと思います。

2番目に私が取り上げたのは、これも総理がよく例として挙げられる、赤ちゃんを抱えたお母さんが、周辺有事、例えば朝鮮半島有事で日本に逃げてくる、それがたまたま、なぜかアメリカの船に乗っている、それを攻撃されたときに、日本は何もしないのかという話です。

私は、これは基本的にきちんとした対応が出来るし、すべきだと考えています。

朝鮮半島有事の時は「重要影響事態」ということになります。したがって、まず政府が行うべきは、何万人という日本人を無事に日本に移動させることです。

そのためには、民間の船もフルに活用して、しかし安全性を確保するために、海上保安庁やあるいは自衛隊の艦船を使う。「使う」というのはそこに「乗る」ということではなくて、安全性を確保するために、いわば「警護をする」ということです。

自衛隊法でも「海上警備行動」というものが規定されていて、これは武力行使、防衛出動ではありません。そういったことでしっかり対応すればいいのです。

私が安倍総理に聞いたのは、そういう重要影響事態から、安倍総理の言われる集団的自衛権の行使、つまり「存立危機事態」に移行するために、どういう要件が必要なのかということを聞いたわけです。

これに対して、安倍総理は全くお答えになれなかったのです。私はかねがね、この存立危機事態、つまり集団的自衛権の行使という場合の法律は、国の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆されるという、そういう事態のことですが、これはあまりにも抽象的すぎて、具体的にはどういうことかと聞くと、長々とした「いろんな要素を勘案して、政府で決めるのだ」と返ってくるのです。

これは憲法に該当するかどうか、武力行使が出来るかどうか、ということを、いわば政府に丸投げする、白紙委任するような話であって、私は立憲国家としては、それはあり得ないと思っています。だから憲法違反だと思っているわけです。

総理は「いろんなことをあらかじめ言えるはずはない」と逃げられましたが、ここにこそ、私はこの政府のいう限定的集団的自衛権、存立危機事態の最大の問題があると考えています。

3番目は徴兵制の問題です。私は徴兵制にもちろん反対です。そして、今までこれは、苦役を強要することはできないという憲法の規定に反するからできないという解釈が定着しています。

私が申し上げたのは、しかし総理が今回、集団的自衛権に関して行ったように、勝手に一内閣の考えで、国会での十分な議論、国民の理解もないままで、憲法解釈を変えてしまった。

そうすると、徴兵制度についても、今の解釈を変える総理が将来出てくるかもしれない、そういうリスクについてどう考えるのか。

逆に言うと、総理が十分な議論なく、昨年の7月1日に与党協議が整ったその日に閣議決定したのは間違いだということを申し上げたのです。

これについても総理のお答えはありませんでした。毎回議論して総理がきちんとお答えにならないのは明々白々なのですが、しかし、もう少し前向きな議論になるように、きちんと噛み合った答弁をしてほしいと思っています。

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