近隣有事─憲法解釈を変えずとも現行法と一部法改正で対応可能
総理との党首討論で、総理のほうから集団的自衛権の行使について、いろいろお話がありました。
民主党は、安倍政権の言う今回の集団的自衛権の行使については、具体的必要性がないと申し上げています。そういう必要性はない、しかも憲法違反であるということです。
まず、ペルシャ湾にまで行って、機雷掃海をする。そういう必要はありません。そういう事態というのは生じ得ない。
つまり、石油が長期間途切れて、そして国内で凍死者が出るような事態ということですが、そういう事態を招かないように、国内には第1次石油ショック後、石油需給適正化法という法律も作り、ある意味での規制を強化する、最悪の場合には配給切符を作って、きちんと必要な所に灯油やガソリンが行きわたるようにするという仕組みが出来上がっています。
私は通産省時代にその配給切符の法律担当で、法制局とやりあったのを思い出します。
ですから、そういう凍死者が出るなどはあり得ないし、そういうことがないようにするのが総理大臣の役割だと思います。
もちろん、近隣でいろんな有事があったときの対応については、民主党として、しっかりとした対応が必要だと考えています。
安全保障環境が、日本の近隣で、例えば北朝鮮のミサイル・核、あるいは中国の最近の軍事的な行動、そういったことを見たときに、環境が厳しくなっているということは、私も当然考えています。それに対する対応も必要です。
我々が考えている1つは領域警備法を作るということです。これは例えば、無人島に、中国でもどこの国でもいいのですが、武装漁民が上陸したようなケースです。
本来であれば、海上保安庁や警察が対応する。しかし、向こうは重武装していて海保や警察ではとても対応できない。そういう場合には自衛隊が出ていかなければいけない。その切れ目がスムーズに、切れ目なく対応することが求められます。
政府は閣議決定を電話で済ませられるとか、非常に見当違いなことを言っていますが、我々は法律を作って、あらかじめ自衛隊が海上保安庁や警察と連携を取りながら、速やかに出やすい仕組みを提案しています。
もう1つは周辺事態法。政府はこれを全世界に広げるという考え方ですが、我々は「周辺事態」の概念は今までのままで、中身は充実させるということを考えています。
武力行使には至らないけれども、米軍を支援する。例えば、朝鮮半島から逃げてくる日本人をきちんと安全に移動させる。そういうことは武力行使、防衛出動以前の問題としてきちんと対応できるし、すべきである。必要あれば、周辺事態法の改正も行うと申し上げています。
そして、それ以上の事態になると、それは集団的自衛権の行使ということではなくて、個別的自衛権の行使になると、我々は考えています。
ですから「存立危機事態」、つまり集団的自衛権の行使というのは出番がないのです。必要がないということです。
安倍総理は、集団的自衛権行使という「実績」を作りたいということで、論理的にも現実的にも無理なことをやろうとしている。それは必要のないことだ、きちんと現行法の枠の中で、憲法解釈を変ずとも、十分に法改正などを行いながら対応できると民主党は考えています。
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