財政健全化なくして持続的な経済成長なし─先送りは許されない
すでに私のホームページ、あるいは民主党のホームページで明らかにしたように、「財政健全化の基本的な考え方」について、私の「代表談話」という形で昨日(6月30日)発表させていただきました。
政府は、いわゆる「骨太の基本方針」を決めましたが、この中で、2020年度プライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化という財政健全化の目標は幸いにして維持されていますが、非常に甘い考え方に立って、それが達成可能であるかのような案になっています。
実質2%、名目3%を超える経済成長がなされるという前提です。私はいろんなこととの整合性を取って、そういう高い数字を挙げることは、それは1つの考え方かと思います。
しかし、過去のことを振り返っても、およそ実現しそうにない高い数字を出し、そこに留まるならともかくとして、そこで出た税収以上にさらに税収が積み上がるのではないかという、これは政府の経済財政諮問会議の民間委員の提案ですが、そういった税収がさらに上振れする、したがって歳出の削減はそれだけ少なくて済むという考え方に基づかれた財政健全化についての政府のプランです。
そして、実際に経済成長を遂げていくためには、当然生産性を高めないといけない。そのために「3本目の矢」と安倍総理が称する様々な改革が不可欠。しかし、その点についての具体策が非常に乏しい、そういう案が残念ながら政府から出てきたわけです。
私は非常に強い危機感を持っています。財政の置かれた状況は、世界に類のないような厳しい状況で、金融緩和の中で、日銀が国債をどんどん引き受けていますから、金利は低い水準に留まったままですが、いつまでもそういうことは続けられない。
そして、今の財政の状況をマーケットが、あるいは国際社会が危機感を持って見るようになれば、金利は跳ね上がり、国債価格は暴落する。
ヨーロッパでも、ギリシャの危機が改めて叫ばれていますが、数字的にそれより厳しい状況にあるのが、日本だと思います。
したがって、安倍総理は「経済成長なくして財政健全化なし」と言っておられますが、私に言わせれば、逆に、「持続的な経済成長は財政健全化なくしてあり得ない」ということです。
したがって、経済成長と財政健全化は、これは同時達成しないといけないということです。経済成長すれば税収もついてくる、そういう甘い考えによって、改革を先送りすることは許されないと思っています。
これが私の考えであり、民主党の基本的考え方です。今回、談話という形で、『次の内閣』の了解を得て、出させていただきました。
民主党の政策がよく分からないとか、分かりにくいというお話を聞きます。しっかりとした考え方の違い、我々の立ち位置、それが分かるような政策を、これからもしっかり出していきたいと思っています。
今回の談話はその一環です。是非ご覧いただきたいと思います。
※【代表談話】財政健全化の基本的な考え方はこちら
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